Selected Cover Songs 2024
feature #191

Selected Cover Songs 2024

「今年聴いたカヴァーで1番好きな曲はなんですか?」という質問に、2024年もたくさんの選曲家の皆様から回答をいただきました。5回めとなる本年も他にはない曲が揃っています。それではさっそくどうぞ!

25 Dec. 2024

鈴木惣一朗
Selected Cover Songs 2024 #01

鈴木惣一朗(ワールドスタンダード)

ミュージシャン / 音楽プロデューサー
Title

Love Songs

Artist
Clairo
Original
Margo Guryan – Love Songs

彼女のことは、コロナ禍に突入する直前から気にしていました。ずいぶんと綿菓子のように「ふわふわ」歌う女性シンガーだと思っていたのですが‥‥‥その「ふわふわ」は、瞬く間に世界に広がり、今やとっても人気者みたい。今回のカヴァーは対象曲が渋いなぁ! ぼくは昔から好きな曲でした。いいですね。

Profile

1959年、浜松生まれ。音楽家。83年にインストゥルメンタル主体のポップグループ “ワールドスタンダード” を結成。細野晴臣プロデュースでノン・スタンダード・レーベルよりデビュー。『ディスカヴァー・アメリカ』3部作は、デヴィッド・バーンやヴァン・ダイク・パークスから絶賛された。近年では、程壁(チェン・ビー)、南壽あさ子、湯川潮音等、多くのアーティストをプロデュース。執筆活動や書籍も多数。最新音源はピアニスト横山起朗とのコラボレーション・アルバム『maebure』(2024)最新著書『こころをとらえる響きを求めて』(2024)。
Our Covers #085 鈴木惣一朗

heavenless 2100
Selected Cover Songs 2024 #02

heavenless 2100

妄想カセット製作 / Vinyl偏愛家
Title

Moody

Artist
The Green Door Kids
Original
ESG – Moody

ガキに歌わせ演奏させたカバーアルバムから。大人の目を気にして媚びる訳でもなく、他方、製作の大人のあざとさが気に触る訳でもなく、聴いてて笑け痺れます。
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Profile

2023年『I’m still Obsessed with…2020-2023』Zine+Mix CDを制作&配布。
Mixcloud
Our Covers #070 heavenless 2100

ジョンとポール
Selected Cover Songs 2024 #03

ジョンとポール

宅録ミュージシャン
Title

Es ist vollbracht (Aria from Cantata BWV 159)

Artist
Víkingur Ólafsson
Original
Johann Sebastian Bach – Cantata, BWV 159: Es ist vollbracht

「バッハ」を「カバー」って普通言う? との声に答えよう。アイスランドのピアニスト、ヴィキングル・オラフソンはこのバッハの歌曲を自らピアノ曲に編曲し、演奏しているのである。過去にも様々な新しいアプローチでバッハに取り組んできたオラフソン。私は彼の新しい「バッハ」をぜひ「カバー」と呼びたい。

ちなみにこの曲の収録されたオラフソンの最新作である6曲入りEP「Continuum」。アナログ盤を手に入れてからずっと33rpmで聴いていた。一向に問題無かったのであるが、ある日バスの中でサブスクで聴き、ようやく誤りに気づいた。現在45rpmになった「Continuum」にますます入れ込んでいる。

Profile

桑沢デザイン研究所卒。広島県呉市在中。弾き語りを軸にしたパフォーマンスと、様々な思い付きがそれぞれの形になった9枚のアルバム(2006年『1秒=百万年』より『パレルガ・ウント・パラリポーメナ』まで)を発表。2020年アナログ7インチEP『ONGAKU / GOD SAVE THE MEN』。2024年初の著書『いいなアメリカ〜ジョンとポールが歌うランディ・ニューマン』誠光社より上梓。
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Our Covers #036 ジョンとポール

Kent Mizushima
Selected Cover Songs 2024 #04

Kent Mizushima

to’morrow music / records
Title

For Sure

Artist
Ethel Cain
Original
American Football – For Sure

アメリカを代表するエモシーンのレジェンド、American Footballのデビューアルバムのリリース25周年を記念し、制作されたトリビュートアルバム『Covers』。その中に収録されているEthel Cainによる「For Sure」が本当に美しくて素晴らしい仕上がりだった。そもそもEthel Cainは活動しているシーンは違うが、彼女の代表曲である「American Teenager」のMusic VideoでAmerican Footballのパロディーを人知れずやっていたりして、彼女が繋がりのできる前からアメフトのファンだったのは明らか。その愛がこのカヴァーからは染み渡るようにゆっくりと伝わってくるし、彼女の持つ神秘的な美しさと楽曲のエモーショナルが完璧に交わり、約10分間の特別な時間を与えてくれる。安らぎと祈りを極めたカヴァー曲だ。
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Profile

音楽イベント「to’morrow / 明日フェス」の主催や洋楽専門のディストロ「to’morrow records」など自身のプロジェクトを中心にインタビューアー、イベント制作者などとしても活動。〈to’morrow music〉という肩書で Tokyo / LAのダブル拠点で日本の音楽シーンに向けて様々な形で毎日発信中。
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Instaram
to’morrow records
Our Covers #062 Kent Mizushima

大石始
Selected Cover Songs 2024 #05

大石始

文筆家
Title

NEW LOOK

Artist
MISAMO
Original
安室奈美恵 – NEW LOOK

昨年あたりから2NE1以来数年ぶりにK-POPにどハマりしています。愛聴しているグループは複数あるものの、今年ビルボートのアルバムチャートで1位を獲得するなど何度目かの全盛期を迎えているTWICEは、現代におけるグローバルポップの最良の形を提示しているのではないかとすら思っております。MISAMOはそのTWICEの日本人メンバーによるグループ内ユニットで、この曲は安室奈美恵の2008年曲のカヴァー。その安室ヴァージョンももともとはスプリームス「Baby Love」のオマージュなわけで、スプリームス〜安室奈美恵〜MISAMOという音楽の転生輪廻にドキドキしたものを感じてしまうのです。

Profile

地域と風土をテーマとする文筆家。著書に『異界にふれる』『南洋のソングライン』『盆踊りの戦後史』『奥東京人に会いに行く』など多数。NHK-FM「エイジアン・ミュージック・ニュー・ヴァイブズ」出演中。
Our Covers #001 大石始

Trance Farmers
Selected Cover Songs 2024 #06

Trance Farmers

Singer
Title

Six Foot Under

Artist
Rosie Tucker
Original
Bob Fryfogle – Six Foot Under

this is a beaut tune & true to the original, which is rather dirty/rough, an amazing country ballad from the 50s by Bob Fryfogle “Six Foot Under”.
Spotify

Profile

Trance Farmers – chicken wire soul singer.
bandcamp
SoundCloud
Leaving Records
Our Covers #054 Trance Farmers

はせはじむ
Selected Cover Songs 2024 #07

はせはじむ

DJ / プロデューサー / 愛犬家
Title

Dream Baby Dream

Artist
Bruce Springsteen
Original
Suicide – Dream Baby Dream

今年観た映画の中でベストだった「Civil War」。劇中の音楽も良く、特に「Suicide」の使われ方が殺伐としたシーンをより乾かしていて印象に残りました。
という訳で「Suicide/Dream Baby Dream」のカバーを。
ジャケットを含め、スプリングスティーンが歌う「Dream Baby Dream」、トランプ当選のニュースを見ながら、これからの4年が映画のようなディストピアになりませんようにと選んだ一曲です。

Profile

1988年、伝説のCLUB《下北沢ZOO》を皮切りに本格的なDJ活動をスタート。以後、《MIX》《CATALYST》《OTO》《THE ROOM》《Organ-Bar》《CAVE》《328》《SONORA》《KOARA》などで活動を続ける。プロデューサーとして矢舟テツロー、土屋浩美、なかの綾、星野みちるなどを手掛ける。また、ライター、ラジオ・パーソナリティー、アレンジャー、リミキサー、企画プロデュース等、来た仕事は断らない事でも定評がある。最近はYouTube「はせはじむの”LAZY FELLOW”」を毎週アップ中。
はせはじむの”LAZY FELLOW”
Our Covers #068 はせはじむ

Sanshiro
Selected Cover Songs 2024 #08

Sanshiro

Deep Dance Music Page
Title

La Isla Bonita

Artist
Rohit Int’l Orchestra
Original
Madonna – La Isla Bonita

Chutneyをはじめとするインド系等のカリブ音楽のコンポーザーであり、映画監督としても活躍するRohit Jagessarによる自身のレーベルから、おそらくこの曲のために結成されたユニットによるマドンナのカバー。

原曲は当時世界の男性を魅了し続けた全盛期のマドンナによるスペイン語の妖艶な曲だが、ソカ音楽の発祥カリブ海のリズムと、原曲の哀愁と相まって絶妙な色気を醸し出す原曲を遙に凌ぐダンスミュージック。

Profile

『ポスト ハウス・ミュージック ディスクガイド』著者。まだ音楽のWebページがほとんどなかった2005年からレコード等を紹介するブログ《Deep Dance Music Page》を書き続けている。世界中の音楽をクラブ・ミュージック視点で、ハウスのようにミックスする世界観を創るべく継続中。DJ24年目。2018年はヨーロッパツアー、2021年はFFKT出演。UK、ドイツ、フランス、オーストラリア等やNTSチャンネル等、海外のレーベルにミックスを提供しておりSoundCloudで公開されている。普段はIT業界で働く一児の父。
Deep Dance Music Page
Instagram
Our Covers #091 Sanshiro

The Anticipation Illicit Tsuboi
Selected Cover Songs 2024 #09

The Anticipation Illicit Tsuboi

Producer / Engineer
Title

Lonely Woman

Artist
The Marzette Watts Ensemble
Original
Ornette Coleman – Lonely Woman

Bill Dixonプロデュースのアルバムより。1964年彼が主催した「ジャズ10月革命」に起因するムーブメントが産んだ集大成に値する内容。

この曲名はオリジナルのOrnette Colemanの演奏を聴いたMJQのJohn Lewisが呟いた言葉だそうで、その文字通り女性ボーカリストとしてPatty Watersが具体化したもので、数あるこの曲のカバーでこれほどドンピシャなものはない。
儚く少しでも触れたら壊れそうな彼女の凄まじい歌声に誰も抗えず、彼女が歌う部分のバックではバックのフリージャズ戦士は演奏をしない、、というか出来なかったのではなかろうか。

「しない」ということを「する」事を初めて知った自分にとっても貴重な体験が出来る曲でとても大切にしています。

Profile

Producer / Engineer。国内屈指のロック、ヒップホップ系サウンド・エンジニア、サウンド・クリエイターとして活躍するかたわら、ECDやキエるマキュウのステージにて観客をアジったりターンテーブルを破壊したり火をつけたり、度の過ぎたヴァイナル愛によってレア盤を割ってしまったりと、異様なまでの存在感を見せつけるライヴDJとしても有名。
長年に渡ってアンダーグラウンドからオーバーグラウンド、表方から裏方まで多面的に活躍を続ける、国内屈指のレコード・コレクターにして、日本のヒップホップにおける人間国宝のひとり。
Our Covers #007 The Anticipation Illicit Tsuboi

Munster Team
Selected Cover Songs 2024 #10

Munster Team

Munster Records
Title

Egyptian Reggae

Artist
Pancho Acosta
Original
Jonathan Richman & the Modern Lovers – Egyptian Reggae

We thought it was about time for Jonathan Richman’s classic ‘Egyptian Reggae’ to receive a fun yet respectful cumbia treatment! Pancho Acosta, founder and guitarist of Compay Quinto and one of the greatest cumbia guitar players in Peru, has done his magic and it seems that this great cover is going to set many dance floors on fire!

Profile

Munster Records is an independent record label created in the late 80s in Spain. Its extensive catalog focuses, above all, on genres such as punk, garage and multiple related rock substyles. In 2002, Vampisoul was created as a sublabel aimed at rescuing recordings of Latin, Brazilian, jazz and soul music, among others. After almost a thousand published releases, Munster and Vampisoul have established themselves worldwide as synonyms of quality in the rescue of forgotten recordings.
Munster Records
Our Covers #096 Iñigo Pastor (Munster Records)

奥山一浩
Selected Cover Songs 2024 #11

奥山一浩

PICKUP + oncafe 店主
Title

人生いろいろ – jinsei iroiro

Artist
2020 – deux zéro deux zéro
Original
島倉千代子 – 人生いろいろ

夏木マリプロデュース、そしてジェームス・テイラー・カルテットをバックに従えた注目のミュージシャンによる問答無用のモッズキラー。
阿寒湖の氷上で舞うコンテンポラリーダンスが目を引くミュージックビデオも美しい。2020年作品。
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Profile

北海道別海町のMUSIC SHOP PICKUPです。道東の風景にアジャストする音、そして生活と共存し、気分を盛り上げてくれたり、リラックスさせてくれる音───そんな上質なポップ・ミュージックをお届けします。oncafeを併設しています。
PICKUP ONLINE SHOP
Our Covers #095 奥山一浩

Yukitomo Hamasaki
Selected Cover Songs 2024 #12

Yukitomo Hamasaki

mAtter
Title

Somewhere Over the Rainbow / What a Wonderful World – Medley

Artist
Israel “IZ” Kamakawiwoʻole
Original
Judy Garland – Somewhere Over the Rainbow
Louis Armstrong – What a Wonderful World

自宅で映画『小説家を見つけたら』を観ていたら、エンディングで流れてきたこのカバー。名曲のメドレーとウクレレでカバーしてるのですが、映画のシーン的にはNYのバスケットコートでスローになっていくエンディングの映像がめちゃくちゃかっこよくて、思わずそこだけリピートしました。ガス・ヴァン・サントのセンスに脱帽です。

Profile

Independent Sound and Artレーベル、《mAtter》運営。国内外の作家のサウンド・アートやアンビエント作品などをリリースし、また同時に様々なギャラリーなどで展覧会などを企画。 毎月第4木曜にDJ BAR KOARA「THURSDAY KOARA」にてDJ。新しくギャラリー”LOWW”を2023にオープン。
mAtter
Our Covers #074 Yukitomo Hamasaki

KND
Selected Cover Songs 2024 #13

KND

ディスクユニオン渋谷ジャズ/レアグルーヴ館
Title

Hello

Artist
Peter Ritchi
Original
Lionel Richie – Hello

サンパウロを拠点に活動していたライオネル・リッチー・フォロワーのシンガー(?)、Peter Ritchiによる「ハロー(邦題:出逢いの扉)」のポルトガル語カバー。1985年作の7インチEP。
原曲に近い伴奏と伸びのある歌唱にいなたいシンセとギター・ソロが加わり、より一層悲壮感漂う仕上がりに! 翌年にもリオのマイナー・レーベルから名曲「セイ・ユー、セイ・ミー」のポルトガル語カバーをリリースしたPeter Ritchiですが、残念ながらこれら2枚のレコードを残してブラジルの地下ポップ・シーンから姿を消してしまいました。

Profile

ディスクユニオン渋谷ジャズ/レアグルーヴ館勤務。最近は90年代のブラジル盤レコードばかり買っています。
ディスクユニオン渋谷ジャズ/レアグルーヴ館
Our Covers #058 KND

中村かづき
Selected Cover Songs 2024 #14

中村かづき

ココアイル・ミュージック・マーケット店主
Title

Kali Ana Au (Waiting in Vain)

Artist
The Vitals 808
Original
Bob Marley and The Wailers – Waiting in Vain

あのボブ・マーレーの名曲をハワイ語でカヴァー! ハワイ語は全ての音が母音で終わる言葉のため、日本語の発音ととても似ている事も有り、空耳ポイントが多いのも一興です。
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Profile

東京・渋谷のファイヤー通りに店鋪を構えるレコード・ショップ、ココアイル・ミュージック・マーケットの店主。
coco-isle.com
Our Covers #088 中村かづき

軽刈田凡平
Selected Cover Songs 2024 #15

軽刈田凡平

インド音楽ライター
Title

Jimmy Jimmy

Artist
Aoora
Original
Parvati Khan – Jimmy Jimmy Aaja

インドでもK-Popは大人気だが、多国籍グループも珍しくないK-Popシーンから、今度はインド市場に特化して活動するシンガーが登場した。
在インドK-Pop大使ことAooraは、音楽的にもビジュアル的にもK-Popのスタイルを保ちながらインドの往年のヒット曲をカヴァーしたりして、大人気とは言えないまでも、現地でそれなりの注目を集めているらしい。
この曲のオリジナルはマサラ風味のABBAって感じのモンドなボリウッドディスコで、かつてM.I.A.が原曲に比較的忠実にカヴァーしたこともあるインドの有名曲。
K-Popマナーでカバーすると、結果的に昔のアイドル歌謡みたいに聴こえるところも一興かなと思う。
アジアの巨大音楽産業であるボリウッドとK-Popが知らないところで繋がっていた。
Spotify

Profile

学生時代に若気の至りの一人旅でインドを訪れ、街にうずまく混沌としたパワーと人々のバイタリティーに衝撃を受ける。音楽好きだったため、「インド人がロックやブルースやヒップホップをやり始めたらすごいことになるだろうなあ」と思ったものの、当時(90年代後半)のインドでは映画音楽以外は非常にマイナーであり、そうした音楽とは出会えないまま終わる。その後もインドに興味を持ち続けたまま時は流れ、2010年代後半、インドのロック、ヒップホップ、電子音楽等のシーンが非常に面白くなってきていることを発見。2017年12月に「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)」名義でブログ「アッチャー・インディア 読んだり聴いたり考えたり」を開設する。 インドのインディー音楽を中心に、インドのカルチャーや、世界中に出没している謎のインド人占い師「ヨギ・シン」について調査して書いています。都内在住。尊敬する人はタイガー・ジェット・シン。
アッチャー・インディア 読んだり聴いたり考えたり
Our Covers #076 軽刈田凡平

YOSSY (YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)
Selected Cover Songs 2024 #16

YOSSY (YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)

ミュージシャン
Title

Chiclete Com Banana

Artist
Gilberto Gil
Original
Gordurinha e Almira Castilho – Chiclete Com Banana

2024年秋に大好きなジルベルト・ジルのコンサートに行くことができました。そんなこともあり自分に関西インディーロック→デタミネーションズの間にブラジル音楽修行時代があったことを思い出す。
先にブラジル音楽にハマっていた、今は亡くなってしまった友人に連れられてブラジル料理のお店《カイピリーニャ》に通い始め、そのお店のバンドに参加してブラジルの美しいサンバやボサノヴァの名曲、リズム、ダンスについてたくさん教えてもらいました。自分は中でもMPBあたりが大好きになりました。
MPBではカエターノも大人気でしたが少し暗い憂いのあるカエターノより自分は断然カラッとした明るさのあるジルベルト・ジルが大好きでその中でもダントツで好きな曲「Chiclete Com Banana」はカイピリーニャバンドでもやっていたのですが、こちらはいなたいGordurinha eAlmira Castilhoのオリジナルバージョンをカバーしていました。改めて聞くとどちらも最高!そしてそんな昔のことも思い出させてくれました。

Profile

DETERMINATIONS、BUSH OF GHOSTSでの活動を経て、YOSSY(キーボード・ヴォーカル)とicchie(トランペット・トロンボーン)が2005年に始動したユニット。
2005年 1st.album『PRECIOUS FEEL』を発表。2007年2nd.album『WOVEN』、 2010年3rd.album『VOLCANO』をリリース。
2018年4th.album『Sun and Rain』リリース。アルバムと同時リリースした7インチシングル「GHOST」を小西康陽氏が2018年の「ダントツ1位」とコメントするなど好評を博す。2020年8月には7インチシングル「WANDERING」をリリース。
それぞれにハナレグミ、Caravan、Mr.Children、Ego-Wrappin’をはじめ様々なアーティストのサポートなどでも活動している。
www.yossylnw.com/
Our Covers #046 YOSSY LITTLE NOISE WEAVER

アルベルト島村
Selected Cover Songs 2024 #17

アルベルト島村

Galapagos Records
Title

Insensatez

Artist
Egle Martin
Original
Tom Jobim & Vinicius de Moraes – Insensatez

今年も一昨年同様アルゼンチンの《Melopea Discos》から選んでみました。美の女王とも称される女優ながらブラジル音楽、アフリカ音楽のルーツ、ボサノヴァ、タンゴに傾倒しアフロ・ラテン傑作シングル「El Dombe」を残すシンガーとしても知られるEgle Martinが91年にリリースした一曲。 Tom JobimとVinicius De Moraesによる原曲をよりアンニュイにそしてアルゼンチンらしく気品高くまとめた「Insensatez」。このアルバム冒頭のスピリチュアルなアフロ・ブラジル組曲、João Gilbertoのカバーの流れから聞くと更に高ぶります。当時Gillespie, Hermeto Pascual, Gilberto Gil, Charles Mingus, Naná Vasconcelosなどがブエノスアイレスに滞在する際には彼女の家に集まるのが常だったようです。ブラジルとアルゼンチンの架け橋となっていたシンガーによる楽曲を選んでみました。

Profile

ジャンルに関係なく世界各国のレコードを求めてゆったりと運営中。
galapagos-rec0rds.com
Our Covers #080 アルベルト島村

Gakuji “CHABE” Matsuda
Selected Cover Songs 2024 #18

Gakuji “CHABE” Matsuda

LEARNERS / kit gallery
Title

Don’t Look Back in Anger

Artist
The Regulators
Original
Oasis – Don’t Look Back in Anger

言わずもがなの大名曲。ともすれば大味なカヴァーにしかならない危険な選択をした彼らに拍手を。そしてなんといってもSide-2のPrince Deadly名義の「Dub Look Back In Anger」が程よいヌキ加減でフロアで機能してくれます。リリースは2023年ですが今年に入って購入したので。しかし、この《Original Gravity》というレーベル、色々やりまくってて面白いです。

Profile

松田“CHABE”岳二(まつだ “ちゃーべ” がくじ)v 1970年、広島県生まれ。ソロ・プロジェクトのCUBISMO GRAFICO、バンド・スタイルのCUBISMO GRAFICO FIVE、キーボーディスト・堀江博久とのユニット、ニール&イライザ、DJ、リミキサーとして活躍中。また、FRONTIER BACKYARD、LOW IQ 01のライブバンドMASTERLOW等のサポートも務める。2001年には、映画『ウォーターボーイズ』の音楽を手掛け、第25回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。
2010年からは原宿でkit galleryを主宰する傍ら、様々なアーティストに楽曲を提供している。
kit gallery
キピンタラジオ
Our Covers #066 Gakuji “CHABE” Matsuda

Amemiya KSK
Selected Cover Songs 2023 #19

Amemiya KSK

discos PAPKIN
Title

We Belong Together

Artist
Steady 45’s
Original
Robert & Johnny – We Belong Together

LAのバンド、Steady 45’sによるRobert & Johnnyの「We Belong Together」のカヴァー。「La Bamba」でお馴染みのロックンロールスター、Ritchie ValensにLos Lobosもカヴァーした蕩けるように甘いドゥーワップを味わい深いロックステディに。ある種、ラテンのサボールを感じさすのは彼らが住むLAと言う風土のせいか。ソウル、ロックステディそしてボレロを交錯する素晴らしいアレンジに、湯船感あるリヴァーブの加減もエキゾな風味をプラスしていて面白い。この曲、7インチでリリースされたんだけどB面にはカリフォルニアのシンガー、Jackie Mendezによる艶と色気のAlton Ellisカヴァーを収録。所謂ダブルサイダー。リリースはコロンビアのボゴタとスペインのマドリッドの二箇所を拠点に活動する《Shubedu Records》から。全4作リリースしていて打率10割。注目のレーベルです。

Profile

DJ。山梨県甲府市出身。世界に溢れるラテン、カリブ、アフリカ、・ミュージックにインフルエンスされた〈今〉の音を幅広い解釈で選曲。コロンビアの名門レーベル《Discos Fuentes》の音源をセレクトしたクンビア・コンピレーション・アルバム『CUMBIAS CUMBIAS CUMBIAS CUMBIAS』の企画・監修・解説の執筆を行う。2012年よりオンライン・セレクト・CD/レコード・ショップ《discos PAPKIN》をオープン。2019年から、新たにレーベル部門を同ショップ内に立ち上げ、オリジナル作品の制作を開始。第一弾としてラテン・バンド、COPA SALVO の7インチを発売。ネット販売だけでなくカフェ、バー、クラブから野外フェスなどでポップアップストアも頻繁に行っている。
discospapkin.com
Our Covers #093 Amemiya KSK

TOMOE INOUE
Selected Cover Songs 2024 #20

TOMOE INOUE

宅録純音楽家 / ラジオ浄土寺便
Title

Take the “A” Train

Artist
Morty Craft & His Orchestra
Original
William Thomas Strayhorn – Take the “A” Train

架空のマンスリーラジオ『ラジオ浄土寺便』の客室乗務員という体で選曲とお話をしております井上智恵です。〈ステイホーム〉という言葉がそういえばあったな~と、あまた往来する観光客のスーツケースの音に耳を傾けながら郷愁感すら覚える今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょう? そろそろ私も妄想上での機内勤務ではなく、リアル1万フィート上空でここではないどこかへ機内音楽と共に誘われたいものです。
そんな自分だけの特別な時間、自分へのご褒美ともいえる極上の空間を演出してくれるのが「機内音楽」今回ご紹介したいカバー音盤は、2020年には100歳の誕生日を迎えられて、その2年後に天寿を全うされたビッグバンド創成期から業界に携わり、MGM、マーキュリー、ABCパラマウントといった数多くのレコードレーベルで楽曲提供のみならず、プロモ分野でも重要な役割を果たしヒットメーカーとしての確固たる地位を築いてきたモーティクラフト自身名義による58年リリースのアルバム『ジャズ・イン・ブラック・タイ』より皆様ご存じのジャズスタンダードでエリントンの代表曲としても有名な「A列車で行こう」をお聴き下さい。
ちなみに、『ラジオ浄土寺便』便最新号はクラシック音楽のカバーを特集しておりますのでご興味があればご賞味下さい。

Profile

元《喫茶イノ》店主、現在は絶滅危惧音源を独断と偏見でレスキューしご紹介し成仏させていく架空のマンスリーラジオCD-R『ラジオ浄土寺便』の客室乗務員、井上智恵として旅のお供をさせて頂いております。余暇はビンテージカシオトーン、アナロオグシンセ、リズムマシン等で自作自演独演器楽集を細々と制作。現在4枚目となるソロアルバムその名も『PHARMACY MUSIC』発売中です。
Non-existent cafe ino STORE
YouTube
Our Covers #094 TOMOE INOUE

板垣正信
Selected Cover Songs 2024 #21

板垣正信

Nat Records代表
Title

Jim La Jungle

Artist
Grand Jojo
Original
The Pogues (Fiesta) – Jim La Jungle

’77年のPunk Rockの台頭〜「Ca Plane Pour Moi」(Plastic Bertrand)の大ヒットにあやかり引用+制作したBelgian Novelty Punk〜Fake Punk7″「S.O.S.」(’78)でも知られる60年代より活躍するコミカルなベルギー人シンガーがこちらではThe Pogues「Fiesta」を反則母国語カバーした珍盤7″(’91)。某所でワタクシがDJ時に笑いながらチャーべさんが「なんやこれ?」と聞きに来た1曲です。笑

Profile

新宿で営業を続けるレコード店Nat Records店長。渋谷Caveや新宿Wire (旧ミロス・ガレージ) で行われていた “1977” のレギュラーDJやこちらも新宿Wireで90年代末〜2000年代まで続いた人気イベント “Rotar Are Go!” でもレギュラーDJとして活躍。4作リリースされているDJ Mix CDシリーズの『Cemetry GatesVol.1 // Vol.2 // Vol.3』は全て完売、監修+執筆の《リットーミュージック》より2014年に出版されたディスク・ガイド『70s パンク・レコード図鑑 : Underground Punk Rock Vinyl Archives 1976 – 1985』は国内外で話題となり、現在は宇川直宏氏主催による Dommune (ドミューン) では「Killed By Dommune」というタイトルで計5回DJプレイ。新たなDJ Mix CDシリーズ『Underground Punk Rock Vinyl Archives 1976 – 1985 Vol.1』は発売1週間で完売。
NAT RECORDS
Our Covers #037 板垣正信

Maru
Selected Cover Songs 2024 #22

Maru

DJ / Modern Records代表
Title

Tears Dry on Their Own

Artist
Amy Winehouse
Original
Amy Winehouse – Tears Dry on Their Own (Original Version)

eyeshadowでは度々紹介させて頂いている大好きなジャンル〈セルフカバー〉の1曲で、Amyの死後に発表された未発表曲「Tears Dry」がオリジナル。60年代の《Motown》/ソングライターとしてのAshford & Simpsonが大好きで、Marvin Gaye & Tammi Terrell「Ain’t No Mountain High」のサンプリング曲というよりも、〈Original Versionのノーザンソウル・カバー〉という感覚で長年プレイしてます。2015年の映画『AMY』や、2024年の最新映画『Back To Back』で使われたシーンも印象深く、Amy Winehouseを初めて知る若い世代の方へ、オリジナル曲の素晴らしさをお伝え出来たらと思い、今年はこちらを選んでみました。

Profile

東京Modsシーンの老舗イヴェント〈WHISKY A GO GO!〉全盛期のD.J.を務めた、Blues Dress在籍時の中心メンバー。身体表現と音楽を融合させた現代アート〈Stringrphy〉のプロ演奏家として、フランス・ドイツ・オーストラリア・インド等の大使館・美術館での演奏活動を経て、数年前クラブシーンに復帰。国内外に3,000以上のフォロワーを持つfacebookページでは、ファッション~映画~アートを密接にリンクさせた、ルーツ・ミュージックの新しい価値観を提案しています。
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MODERN RECORDS 1号店(Club系7inch)
MODERN RECORDS 2号店(LP/CD)
MODERN RECORDS 3号店(Rock系7inch)
Our Covers #063 Maru

安元友子
Selected Cover Songs 2024 #23

安元友子

虎子食堂店主
Title

Oh Honey

Artist
Peter Hunningale
Original
Delegation – Oh Honey

大好きなUKシンガーPeter Hunningaleによるカバー。もうイントロから最高。いや、イントロが最高? いや、もちろん声も最高です。
Peter Hunningaleは好きな曲多数ですが、2024年の初めにJET SETさんの国内盤妄想ジャケットシリーズで再発されたのが印象的で2024年の思い出として選出。
DELEGATIONの収録アルバムのジャケットをオマージュしたデザインも素敵でしたが、この写真を見るとどうしても石原裕次郎さん(いや、ゆうたろうさんか、、)が頭に浮かんでしまう人は少なくないかと思います。

Profile

渋谷・宇田川町にある『虎子食堂』の店主です。
Instagram

TSUTCHIE
Selected Cover Songs 2024 #24

TSUTCHIE

プロデューサー
Title

Holding Back the Years

Artist
Gretchen Parlato
Original
Simply Red – Holding Back the Years

昔から好きな一曲のカヴァー。アレンジとヴォーカルに魅了されました。

Profile

ヒップホップ・グループのひとつ<Shakkazombie(シャカゾンビ)>のトラックメイカー、プロデューサーとして3枚のアルバムをリリース。同時に、数多くのアーティストのリミックスやプロデュースを手がけている。近年ではヒップホップに止まらずあらゆるジャンルを横断する音楽プロデューサーとして活躍中。
2002年にファースト・ソロ・アルバムをリリースし、2003年には録音からミキシングまでほぼ一人で制作したセカンド・ソロを発表。2004年にアニメ「サムライチャンプルー」のサウンドトラックを2枚、2015年にはアニメ「GANGSTA.」のサウンドトラックをリリース。最近ではレコーディング、マスタリングエンジニアなども行い、更には2011年より自身のレーベル「SYNC TWICE」を立ち上げ、自身の作品を始め柳田久美子、ランランランズ、TOMMY HONDAなどの音源をリリース。詳細は下記のリンクまで。
LinkCore
Our Covers #028 TSUTCHIE

中村穣二
Selected Cover Songs 2024 #25

中村穣二

画家
Title

時間よ止まれ

Artist
菊地雅晃スターマイン
Original
矢沢永吉 – 時間よ止まれ

いつも自分にとっての新しい音楽体験を指南してくれるお店、LOS APSON?にて教えてもらった2024年衝撃の一枚「波紋」。聴く前に聞いた説明では、フュージョン、AORにサイケデリック、ダブの要素を加えたアルバムであるとのこと。音楽の奥深さ、可能性、音楽を愛するが故の狂気を感じる一枚。(あくまで個人の感想です)
そのアルバムの最後にこの「時間よ止まれ」のカヴァーが入っています。
「幻でかまわない…」そんな瞬間は自分の人生に何度あっただろうか。
そして横浜に行きたくなりました。行きました。そんな2024年の冬です。

Profile

画家。横浜市在住。国内外での個展やグループ展で作品を発表しています。
Our Covers #022 中村穣二

上西暢
Selected Cover Songs 2024 #26

上西暢

ciruelo records
Title

Walking Thru a Winter Blunderland

Artist
The Jethros
Original
Richard Himber & His Orchestra – Winter Wonderland

アメリカの詳細不明のローファイ・バンドThe Jethrosが参加した91年のクリスマス・ソングのオムニバス・アルバム『Have A Lousy Xmas』に収録された「ウィンターワンダーランド 」のカバー。調子っぱずれの演奏にヘンな音が入りまくっててめちゃくちゃ面白いです。

Profile

2021年にオープンした奈良のオンライン・レコード・ショップ。アヴァンギャルドなものからメロウな音楽までジャンルレスにレコード扱っています。
ciruelorecords.com
Our Covers #077 上西暢

Ohhki
Selected Cover Songs 2024 #27

Ohhki

SSW / プロデューサー
Title

アラベスク

Artist
青葉市子× 岩井俊二
Original
Lily Chou-Chou – Arabesque

今年、10年ぶりかくらいに映画『リリイ・シュシュのすべて』を再び観て、青い田園風景と粒子ぽい質感の映像が 印象的で懐かしいような、イタいような、高校を中退して彷徨っていた時を思い出しました。やっぱすごいな岩井俊二は。エドワード・ヤンの映画とかも思い出したり。そんなこんなでXで青葉市子さんのライブでのカバーが流れてきて、これで今年聴いた印象的なカバー曲を選びました。
ここのところ弾き語りに興味を持てなかったのですが青葉市子さんの表現力の凄さにも引き込まれた次第です。生きていたらいろんなことがありますし、振り子のように様々な立場に立つこともあります。でも今が大事です。STOP THE GENOCIDE, FREE PALESTINE。
YouTube

Profile

SSW / プロデューサー。カセットテープMTRを駆使したドリーミー・ファンクなIsayahh Wuddha、チープでロウファイなヒップホップ 的ユニットmess/ageのメンバー、京都在住の音楽家 林拓によるオブスキュア・サイケデリック・プロジェクト。それぞれの名義では異なるアプローチを試みながらもその独創的なサウンド、フィーリングで国内のみならず海外からの評価も高く、Isayahh Wuddha名義では2020年5月にはロンドンのガラージ系レーベル「WOT NOT」から12インチ、mess/age名義では2024年3月にUSの名門ブギー・ファンク・レーベル「PPU」より7inchをリリースしている。OHHKIとしては2022年9月に1stアルバム『E.C.H.O』をカセットテープでリリース、神出鬼没に行われるライヴではダブワイズされたパフォーマンスで好評を得ている。2024年11月には2年ぶりとなる2ndアルバムをP-VINEよりLPでリリース。2025年1月14日に東京 下北沢LIVE HAUSにてライヴ予定。
Lit.link
Our Covers #026 ISAYAHH WUDDHA

TOP DOCA
Selected Cover Songs 2024 #28

TOP DOCA

こだまレコード
Title

ダヒル・サヨ

Artist
ナツ・サマー&吉原祇園太鼓セッションズ
Original
Cora and Santos Beloy and Tom Spinosa and His Orchestra – Dahil Sa Iyo

スカ界隈の現場でもよくかかるEL CID (Roland Alphonso / TOP DECK)をシティポップ・レゲエ シンガーのナツ・サマーが 歌い上げ、バックは静岡県富士市のお囃子とバンドを融合した吉原祇園太鼓セッションズが務める。多種多様なカバーがある中、今作は日本語歌詞は浜口 庫之助作詞の小林アキラバージョンを採用している。(スカフレイムスも同バージョン)
ゆるめなレゲエ風オケにKING SPOTYよろしく、爽やかな歌声と和太鼓に鐘が心地いい。フィリピン民謡がジャマイカに渡り、スカタライツがカバーし日本でもレコードがかかり、それが元で更に我々がカバーし発信する。音楽が国境を越え歌い継がれる正にお手本のような名曲だ。本作は涼しげな水色のカラー盤とシルクスクリーンのラベルでこだまレコードの拘りを遺憾無く発揮している。

Profile

スカマン&プロデューサー。スカバンドmule train (東京)、THE SIDEBURNS (静岡富士)のドラマーでありジャマイカン・オールディーズをメインとするセレクタークルー《SKA SHUFFLE with Soundsystem》(静岡富士)のオーナー。
自身のレーベル《こだまレコード》から様々なアーティストをプロデュースしたスカ・ロックステディーの楽曲を7インチでリリース、ジャマイカのスタワン12インチディスコミックスをイメージした ”TOP DISCO 45” を12インチでリリース。またレコード制作に関わる、音源のミキシング、ラベル、ジャケットのデザインからシルクスクリーン、プレスのディレクションまで手掛ける。ジャマイカンビンテージのカラー盤レコード100枚を集めたビニ本も出版。
こだまレコード
Our Covers #065 TOP DOCA

HAYASSEN
Selected Cover Songs 2024 #29

HAYASSEN

VORTEX RECORDS
Title

Could You Be Loved

Artist
Robert “Dubwise” Browne
Original
Bob Marley and The Wailers – Could You Be Loved

自分がプロデュースをしているレーベル《VORTEX RECORDS》から今年リリースした7インチです。今年もたくさん良いカヴァーがあり迷ったのですが、今回はこちらを紹介させてください!
ボブ・マーリーの数ある名曲の中でも特に大好きな曲で、オリジナルに忠実ながらも新鮮なビートに拘りました。Disco / Reggae / Dancehallを掛け合わせた中毒性の高い1枚に仕上がっていると思います。11月にリリースしたばかりですが、DJの際には毎回必ずプレイするほどマストアイテムになっています。

Profile

幼少期にスケートボードとの出会いをきっかけに、ストリートカルチャーとレゲエミュージックにのめり込みDJ、セレクターを始める。2000年に《TOTALIZE》を結成し、数多くのクラブやフェスに出演。現在は国内のみならず、韓国、タイ、モンゴル、メキシコなど海外でも活躍の場を広げている。レゲエを軸にオリジナリティ溢れる選曲やジャンルレスなプレイスタイルが高い評価を得ている。2018年には《VORTEX RECORDS》を設立。リリースした楽曲がGiles PetersonがDJを務めるイギリスの人気番組〈BBC RADIO 6 MUSIC〉でもオンエアされるなど、世界でも大きな注目を集めながらレコードリリースを勢力的に行なっている。
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Vortex Records Instgram
Hayassen MixCloud
Vortex Records YouTube
Our Covers #092 HAYASSEN

カマタヒロシ
Selected Cover Songs 2024 #30

カマタヒロシ

BONUS BEATS CHANNEL / DJ
Title

りんご追分

Artist
The Trojans
Original
美空ひばり – りんご追分

2024年、フジロックのレーベル『FUJIROCKRES』からリイシューされた7インチ。アートワークもギャズメイオール自身。ギャズに『BONUS BEATS CHANNEL』でインタビューする機会を得た。
『Ringo』はDJギャズにとっても彼のバンドThe Trojansにとっても初期からプレイする十八番、言わば彼の代名詞のような楽曲だ。ギャズ曰く最初はスカタライツのキラーインストチューンとしてコレクションしていたので、日本の曲であることも日本語の歌詞が存在することも知る由もなかったという。初来日の際、ひょんなことから日本の歌だと知り、帰国後トロージャンズでカバーしてみたのだが、あまりにも辿々しいギャズの日本語ヴォーカルに当初日本のレコード会社も許諾に難色を示したそうだ。当時リリースされた7インチは500枚しかプレスしておらず、今ではなかなかお目にかかれないが今年フジロック出演の際に限定リイシューされた。インタビューの中で、ギャズはこの曲の歌詞についても触れていたが、僕はこの歌が何について歌っているかなんて考えたこともなかったので、とても興味深い話だった。

Profile

ラジオ生活30周年を機に2023年よりレコードとカルチャー好きの集大成としてスタートしたポッドキャストプログラム『BONUS BEATS CHANNEL』の企画及びMC担当。Spotifyにて公開中。
BONUS BEATS CHANNEL
Our Covers #099 カマタヒロシ

1TA
Selected Cover Songs 2024 #31

1TA

Bim One Production
Title

One Step Ahead

Artist
Sugar Minott
Original
Aletha Franklyn – One Step Ahead

2023年にリリースされてたのですが今年11月にレコードリプレスで再リリースされて知った1曲。大好きなシンガーSugar Minottの晩年最後期の録音だそうです。
やっぱりレゲエでのカヴァーはこうでねぇと! としみじみ浸れるキラー・ロックステディ。タイムレスです。プロデューサーのVictor Axelrodに拍手。

Profile

レゲエ/ダブ、リディムセレクター。レーベル《Rewind Dubs》、《Riddim Chango Records》主宰の一人でもあり、ベース・カルチャー発信集合体「BS0」や、サウンドシステムの祭典イベント「TOKYO DUB ATTACK / Dub Cinema」のプロデュースを手掛けている。e-muraとのダブ・ユニット「Bim One Production」名義を中心に数多くの音源作品をリリース中。
Linktree
Our Covers #003 1TA
スペシャル / ダブプレート座談会

德茂悠
Selected Cover Songs 2024 #32

德茂悠

Wool & The Pants
Title

I Gotta Dance to Keep From Crying

Artist
The High Numbers
Original
The Miracles – I Gotta Dance to Keep From Crying

The Whoがデビュー前に、別名義でやったライブで演奏した曲らしいです。YouTubeでたまたまそのライブ映像を見て知ったのですが、原曲よりミラクルでした。

【ライブ情報】
2025年2月2日(日)新代田FEVERにて初となるワンマンライブを開催予定。オープニングDJにCOMPUMA、クロージングにはDJ サモハンキンポーを迎える。チケット購入はぴあ、e+、ローソンチケットから。

Profile

東京を拠点に活動する3人組バンド、Wool & The Pantsのボーカル / ギター / プロデューサー。2019年にワシントンD.C.のレコードレーベル、PPU(Peoples Potential Unlimited)より1stアルバム『Wool In The Pool』をリリース。 2024年にセルフリリースの最新作『Not Fun In The Summertime』をリリース。
Instagram
Our Covers #024 德茂悠

Akhira Sano
Selected Cover Songs 2024 #33

Akhira Sano

Artist
Title

After the Rain

Artist
Jeff Parker and The New Breed
Original
John Coltrane – After the Rain

〈帰る(還る)〉ことができる。それは人生において重要な意味を持っていて、ある意味恵まれた事象でもある。人によってその対象が場所、人、モノと違いはあれど、〈帰る(還る)〉感覚自体はある程度共通しており、大元を辿れば〈母親〉なのである。
この作品はジェフ・パーカーが母親に捧げたアルバムということを公表しているが、「After The Rain」に関しては、彼の音楽の〈帰る(還る)〉が表現された一曲なのではないかと思う。
一方で感傷的にならず、回帰しつつ彼の持つ繊細さとグループとしての強さが表現されているところも素晴らしい。

Profile

アーティスト。形や音の持つ不完全性、不規則性などに焦点を当てた生成・観察・記録、それらの二次的拡張を、ドローイング、グラフィック、インスタレーション、ビデオグラフィ、楽曲制作などを主に用いて表現・制作している。 主な作品に『Particle Dialogue – Observation and Recording』(The Trilogy Tapes、2022)、『Shadow’s Praise -』(IIKKI、2023)、『Phase Contrast From Recollection』(12K、2023)、『FAR MORE DECENTRALIZED』(33-33、2023)、『in front of』(OTOROKU、2023)、主な個展に『可能性のパースペクティブ』(FAITH、2021)『mē on -非在を見る-』(TOH、2022)などがある。
@Akhira_Sano (Linktree)
Our Covers #086 Akhira Sano

HEMO
Selected Cover Songs 2024 #34

selector HEMO

Producer / 選曲家
Title

Merry Christmas Mr. Lawrence (RAM JAM WORLD MIX)

Artist
RAM JAM WORLD
Original
坂本龍一 – Merry Christmas Mr. Lawrence

以前、ライブメンバーとしてご一緒させていただいた朝本浩文氏のユニット、RAM JAM WORLDの名作。独自のアレンジが加わり、原曲とはまた違った魅力が際立つ一曲です名作に、新たな生命を吹き込んだ秀逸なダブミックスです。

Profile

90‘sに初めてジャマイカに渡り、以来日本とカリブを繋ぎ、東京を拠点にジャマイカやトリニダード&トバコなど、レゲエ、ダンスホール、ソカの本場で活動。カリブ海渡航歴は50回以上。J-WAVEなどラジオ番組レギュラー出演や、音源ビデオの制作など、その活動は多岐に渡る。HEMO+MOOFIRE『ESCAPE』Riddim、KEN-U『DOKO』などのプロデュースでCD売上30万枚越えを記録し、その存在を国内外のクラブシーンに轟かせた。 2000年からは〈ソカ〉を中心に日本に紹介し、2008年高知よさこい祭りと世界3大カーニバル〈トリニダード&トバゴ〉のカーニバルをMIXしたよさこいチーム《CANAVAL》をプロデュース。10周年には、キングオブソカMachel Montanoを招聘し、音楽と祭りを通じた歴史的なコラボレーションを実現。
2011年に 《LIME Records》設立。これまで、〈ソカ〉を代表するアーティスト KES / BUNJI GARLIN / FAY AN LYONSなどを招聘し初来日公演を行った。2013年ラムコンシェルジュ取得。2017年にはカリブ海ソカクルーズに日本人で初めてDJとしてゲスト出演。また、映画『スティールパンの惑星』の配給をスタート。2019年にはトリニダード&トバゴと高知県中土佐町を〈ホストタウン〉として結びつけた。2021年映画『カリプソ・ローズ』配給スタート! 今後もワールドワイドに展開予定。LIME RECORDS代表、ILOVETRINI.net、よさこいチーム “かなばる” 代表
Linktree

Branco Label
Selected Cover Songs 2024 #35

Branco Label

レーベル運営
Title

明日を落としても

Artist
syrup16g
Original
syrup16g – 明日を落としても

天才漫画家「太ったおばさん」の『天国への道』という作品で、主人公の女の子が「自殺は社会による殺人ー!」と主張するシーンがあり、強く印象に残っている。他にはあれは何の作品でだったか、そもそも自殺をする人の大半は既にまともな判断ができる精神状態ではなく、自分の意志で自殺をしているわけではない、といった旨のことを読んだ記憶がある。苦しい状態に追い込まれたときに、そこから解放されるために意思とは関係なく自死するのであって、自殺という行為は「自殺」という言葉でありながら、その実は外的要因のものが大半なのであろう。一方、自分自身の冷静な判断のもと自殺をするような人もいるであろうが、ではそういった人の行動原理はどんなものであるかと推察するならば、それは一種の承認欲求なのではないだろうか。言い換えれば遺される人たちへ向けての当てつけであり、外部からの影響で自殺するのではなく、外部へ影響を与えるために自殺するのだ。自分が死ぬことで、特定の誰か、あるいは不特定多数の人々にこう思って欲しい、こう感じて欲しい、その欲求を自分の命を投げ出してでも満たしたいと、行動に出るのではないだろうか。

選曲した楽曲「明日を落としても」はシロップのセルフカヴァー曲であり、アマチュア時代の自主制作カセット『syrup16g01』とCD『Free Throw』に収録されている楽曲で、本音源はセルフカヴァーアルバム『delayedead』に収録されている。本アルバムは今年LPで再発され、それと同時に収録曲の大半を演奏するライブ『遅死11.02』も催された。

筆者はそのライブも観に行ったし感銘を受けたので、この選曲となったのだが、あらためて歌詞を読み直したり、あと、たまたま最近、前述した漫画『天国への道』を読み直していたり、他にも自殺を題材にした作品も多い漫画家「華倫変」の諸作を読み直していたり、いろいろ思うところもあってアルバムの中からこの曲を選んだ。

歌詞の解釈は人それぞれであろうが、まずこの曲の歌詞は自殺について書かれている歌詞ではあるはずだ。そのうえで決して自殺を真っ向から否定しているわけではないものの、しかしおそらくこの歌詞によって、自殺を思いとどまった人も少なくはないのではなかろうか。それは前述した話の中の後者、冷静な自殺志願者だった人たちにおいて。歌詞を見ていくと「明日を落としても誰も拾ってくれないよ それでいいよ」とある。自ら命を捨てるという大胆な行為に出たとしても、どうせ他人は気にもしてくれないのである。詞の主人公はそれをわかっていて、でも、それでもいいと一旦嘯く。しかし「そう言って うまくごまかして~楽になれること~気付いていた」と白状し、聴き手にはこう問う「do you wanna die?」。

シロップの諸作にはこのような逆説的な歌詞が多くある。本アルバムの別の曲で言えば『もういいって』には「どっかの街で爆発 どうせ俺には関係ないけど」とある。本当に無関係で気にもしていないならわざわざ詞にしたためることはない。この歌詞が脳裏にこびりついてしまった筆者は、テロや戦争のニュースを見るたびにこの歌詞が思い浮かび、俺には関係ないのか?と考えさせられる。これはもう一種の呪いであり、生涯消えないであろう。真っ向から戦争反対のメッセージを乗せた反戦歌より、よっぽど反戦の効果があると思うし、説教臭くないところもいい。他のアルバムの曲にまで話を広げるなら、『メリモ』という曲には「大丈夫 成功しようがすぐに忘れられます」とある。「頑張ればきっと成功するよ」とか「失敗しても大丈夫だよ」だとか、失敗を恐れる人を励ますのではなく、むしろ成功したって何にもならないという残酷な事実を突きつけてくる。筆者はこの歌詞に救われた、救われ続けている。何かをやろうとする度に、成功したってどうせ誰も認めてくれない、それでもやりたいか?と自問する。それでもやりたい!と思える、承認欲求なんかに因らないことこそ、自分が本当にやりたいことであろうと判断の助けになっている。

シロップほど歌詞の力が強いバンドはそうそういないと思うが、もちろんサウンド面の個性、素晴らしさ、もあってであり、実際海外でもシロップを聴いているリスナーはいるようだ。彼らはおそらく日本語詞を理解しないままシロップの楽曲を楽しんでいると思われるが、これだけ強烈な歌詞であることを思うと、もったいないなぁとお節介な気持ちにもなる。そして、自分も普段スペイン語や英語の音楽を、歌詞を理解しないまま聴きまくっているわけで、その中にはもしかしたらシロップ並みに強烈な歌詞の曲もあるのかもしれないと想うと、自分も何かもったいないことをしているような気分にもなってしまう。世界にはまだまだ知りたいことや分かりたいことがたくさんある。既に知ってる曲だってあらためて歌詞なども咀嚼して理解を深めたい。時間は足りない。ただでさえ短い人生、自殺なんかして縮めるのはもったいない。他人がどう思おうがどうでもいい、自分のために生きよ。 

初のLP化というわけで、あらためて針を落としてこの曲をじっくり聴いているうちに、徒然とこんなことを考えたのであった。

Profile

Branco Label (ブランコレーベル)。Branco Label (ブランコレーベル)。音楽好きで、主にsyrup16g、チャゲアス、尾崎豊、ラルク等のJロック/ポップを愛聴する傍ら、‘70年代の世界各地のロック/フォークの埋もれた名盤の探索を嗜む。特に南米とドイツ、日本国内の作品を好む。その趣味の延長で再発専門レーベル・ブランコレーベルを運営。国内外の埋もれた名盤を地道に再発し続ける。20年には新進気鋭のインディーレーベル「レコードの目」との共著で『和ンダーグラウンドレコードガイドブック』という著書を上梓。23年からはYoutube 『ブランコレーベル・チャンネル』で、お気に入りレコードを紹介する動画投稿を開始。
ブランコレーベル・チャンネル
Branco Label
Our Covers #031 Branco Label

松本章太郎
Selected Cover Songs 2024 #36

松本章太郎

ココナッツディスク江古田店店長
Title

Silent Eve

Artist
Jupiter Project
Original
辛島美登里 – サイレント・イブ

TBS金曜TVドラマ『クリスマス・イブ』の主題歌で静かな冬のサウンドトラック級、バブル末期を淡く彩った辛島美登里さんのバラード「サイレント・イブ」をM.I.D. 〜E.S.P.のDJモンチ田中さんによるサウンド・ユニットがドリーミー且つマッド・ロボティックスにラヴァーズ・ロック化。
和製ボサノバ・グループXácara (シャカラ)の日向敏文さんプロデュース・アルバム『レシーフェの風』に参加していたEri Nishinaさんのボーカルをフューチャーした英語詞カバーと同インストゥルメンタル・バージョン。両曲とも94年に発売された季節企画物ミニCD『Greetings』に収録されております。
某和レアリック・ディスクガイドにも掲載させていただきましたオールタイム・マイ・フェイヴァリット、スティービー・B全米No.1ソング「Because I Love You (The Postman Song)」のJupiter Project仕様エレクトロニクス・ダウンビートと併せて、何処までも続くロマンチックな宇宙休暇の旅へ。

Profile

中古レコードストア《ココナッツディスク江古田店》店長。ジャパニーズ・バレアリック/レフトフィールド・ミュージック・コレクション『Walearic Disc Guide(和レアリック・ディスクガイド)』《ele-king books》執筆監修。『Alameda press』『WA B・O・O・G・I・E』『90年代ディスクガイド邦楽編』等寄稿。中古レコードストア《ココナッツディスク江古田店》店長。ジャパニーズ・バレアリック/レフトフィールド・ミュージック・コレクション『Walearic Disc Guide(和レアリック・ディスクガイド)』《ele-king books》執筆監修。『Alameda press』『WA B・O・O・G・I・E』『90年代ディスクガイド邦楽編』等寄稿。
Our Covers #083 松本章太郎

薄田育宏
Selected Cover Songs 2024 #37

薄田育宏

Record Buyer
Title

Teenage Kicks

Artist
Lone Justice
Original
The Undertones – Teenage Kicks

誰が予想できたか? 2024年、まさかのローン・ジャスティス「ティーンエイジ・キックス」のカヴァーとか、、、。

Profile

1987年よりレコード店《Woodstock大阪店》で働き始め’94年に渋谷の《Cisco Loud Music店》、’97年に自身のレコ屋《Maximum Joy》を神南にオープン、2004年閉店。2010年からはDisk Unionに勤務。現在はftf.inc.に在籍。
IInstagram
Our Covers #013 薄田育宏

馬場正道
Selected Cover Songs 2024 #38

馬場正道

渉猟家
Title

NAK BERCHINTA

Artist
M. Shariff
Original
美空ひばり – リンゴ追分

パッと見何のカヴァーなのかわからない「リンゴ追分」のマレィ語カヴァー。曲名もNAK BERCHINTA(愛して欲しい)となり、歌詞も全く違うものになっている。ラテンに少しムラユーが混じったような艶っぽい演奏。間奏ではコレ、違う曲なんじゃないか、と思うほど思い切ったアレンジ。今年はたくさんかけました。

Profile

鷹の台《KIKI RECORD》代表。池袋2丁目スナック《馬場》店主。 池袋2丁目72-6 光洋ビル1F。
Our Covers #044 馬場正道

内海イズル
Selected Cover Songs 2024 #39

内海イズル

Music Maker / DJ
Title

A Day in the Life

Artist
Milton Nascimento & Esperanza Spalding
Original
The Beatles – A Day in the Life

久々にビックリしたカバーでした。数多くのアーティストがカバーしてきたヒストリカルな名曲ですが、この曲ほどカバーする側の個性を際立たせる結果になる曲もないかもしれません。

Profile

DJ・アーティスト・音楽愛好家として他の追随を許さない独自の視点を持って活動してきた稀有な存在。
今でこそ当たり前になった、ワールドミュージックや民族音楽など非英語文化圏の音楽をダンスフロアでプレイするという行為を、80年代から現在に至るまで続けている真の先駆者であり、国内外を問わず各方面から信頼が厚い。
auwarecords.com
Our Covers #004 内海イズル

showgunn
Selected Cover Songs 2024 #40

showgunn

MOUSOU PAGER
Title

ロマンス

Artist
Wink Music Service feat. 白鳥沙南
Original
原田知世 – ロマンス

サリー久保田さんと高浪慶太郎さんのユニットWink Music Serviceの3枚目のシングルです。
明るいながらもどこか切なさを感じさせる原曲もとても好きな曲だったのですが、こちらのカバーでは切ない要素は全く感じさせず天真爛漫な歌いっぷりがSKAアレンジとあいまって実に楽しく心躍る仕上がりになっており、7インチのリリース時には無念の買い逃しをやってしまったのですが、11月末にCDでアルバムがリリースされ即購入、それ以来毎日のように聴いております。何度聴いても明るいハッピーな気持ちになれます。2025年中にはレコードも手に入れたいです。

Profile

1980年生まれ。MOUSOU PAGERというグループでラップを担当しています。たまにDJもします。お気軽にお誘いください。 MOUSOU PAGER 1stアルバム『BEYOND THE OLD SCIENCE』発売中!
X
Instagram
Our Covers #051 showgunn

松永良平
Selected Cover Songs 2024 #41

松永良平

ライター / 編集
Title

I Don’t Want to Live on the Moon

Artist
Syunsuke Ono
Original
Ernie(Sesame Street) – I Don’t Want to Live on the Moon

スライ・ストーンのヴォコーダー・カヴァー、あるいは坂本慎太郎「ディスコって」リミックスで知られるSyunsuke Onoの最新リリース『Black Transparent & White Pearl』から。「セサミ・ストリート」でマペットのアーニーがふにゃ声で歌った愛すべき名曲を、ふにゃギターで。忘れかけていた童心を思い出して泣くには、これくらいねじ曲がるのがまだまだ必要なんだ、おれたち。

Profile

1968年、熊本県生まれ。雑誌/ウェブを中心に記事執筆、インタビュー、CDライナーノーツ執筆など。著書『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』『20世紀グレーテスト・ヒッツ』、『コイズミシングル』(小泉今日子ベスト・アルバム『コイズミクロニクル』付属本)、編著『音楽マンガガイドブック』、翻訳書にテリー・サザーン『レッド・ダート・マリファナ』、ブライアン・ウィルソン『ブライアン・ウィルソン』自伝。編集担当書に朝妻一郎『ヒットこそすべて』、小野瀬雅生『小野瀬雅生のギタリスト大喰らい』、『ロック画報/カクバリズム特集号』など。
Our Covers #021 松永良平
松永良平 Interview

DJ YAHMAN
Selected Cover Songs 2024 #42

DJ YAHMAN

Tribal Connection
Title

Chim Chim Cher-ee

Artist
Tete Montoliu Trio
Original
Dick Van Dyke & Julie Andrews – Chim Chim Cher-ee

好きなジャズ・ピアニストのひとり、テテ・モントリューが、トリオ編成でスタンダードを中心に演奏する1965年のアルバム(シリーズの2)の収録曲に「チム・チム・チェリー」があります。最初、映画『メリー・ポピンズ』を想像しながらテテ版を聴いたところ、ジャズマンのアレンジ力の凄まじさ、アドリブ、ドライブ感の強さに、しっかりブッ飛ばされました。「チム・チム・チェリー」で検索すると“ジャンル: 子供のための音楽”と出てきますが、テテ版は“大人のための音楽”に変貌してます。

Profile

雑食ダンスミュージック〈ジャングル〉を主軸として、ラウンジ・プレイ対応可能な“混ぜる”折衷DJを展開。タイ、ベトナム、中国、韓国でもDJing。《Soul Jazz Records》のジャングル入門編的コンピ『RUMBLE IN THE JUNGLE』などの日本仕様盤CDの解説を執筆、非営利の紙のZine=JUNGLE DOCUMENTシリーズを企画・制作・編著・発行。2009年始動のJUNGLE PARTY Tribal Connectionは渋谷の虎子食堂にて開催中。
Linktree
Our Covers #067 DJ YAHMAN

Jolan Lewis
Selected Cover Songs 2024 #43

Jolan Lewis

The Foetals
Title

Cecilia

Artist
NRBQ
Original
Whispering Jack Smith – Cecilia

This track was included on NRBQ’s 1977 album ‘All Hopped Up’. Initially I was kind of upset to discover that this one wasn’t an original, but having gone and listened to every prior version – the first being recorded in 1926 by Whispering Jack Smith – I’m yet to find an earlier version which contains many of the elements I love about the Q’s version, namely Al Anderson’s raucously melodic ad-libs, which absolutely make this track. All other versions place the melody rigidly on the beat, but Al swings it; the song had become such a standard of button-down Big Band music that it’s amazing to me that these guys heard it being anything else. A perfect example of not only making the song their own, but realising a song’s potential to the point where it becomes the definitive recording.

Profile

Jolan Lewis is a musician from Manchester, England who at various times has played guitar and keyboards for BC Camplight, Jonathan Bree, Drugdealer and Sean Nicholas Savage among others. When he isn’t on the road he makes pop records in his bedroom under his own name and garage rock records as The Foetals.
Instagram
bandcamp
Our Covers #064 Jolan Lewis

岡部修三
Selected Cover Songs 2024 #44

岡部修三

建築家
Title

Nomayoyo (Ingoma ka Mkhulu)

Artist
Thadi Ntuli, Carlos Nino
Original
Levi Godlib Ntuli – Nomayoyo (Ingoma ka Mkhulu)

南アフリカのシーンを牽引するThadi Ntuli (タンディ・ントゥリ)の奏でる音楽を今年は良く聴いた。その中でも、この「Nomayoyo (Ingoma ka Mkhulu)」は、彼女の祖父が、家族の集まる行事でみんなで掛け合いながら歌うために作った、とても趣味的な一曲だという。今の社会に生きているといつの間にか忘れてしまいがちだけれど、そもそも音楽は、聴くだけのものではなく、誰にでも平等に与えられた楽しみのはずだ。社会のシステムが限界を迎え、転換期を迎えている今、ひとりひとりがそれぞれの方法でクリエイティブであることが、希望につながると僕は思う。どんな国のどんな夜でも、強く優しいこの曲を繰り返し聴いた。

Profile

2004年よりupsetters architects 主宰。「新しい時代のための環境」を目指して、建築的な思考に基づく環境デザインと、ビジョンと事業性の両立のためのストラテジデザインを行う。
2014年よりブランド構築に特化したLED enterprise 代表、グローバル戦略のためのアメリカ法人 New York Design Lab. 代表、2018年より愛媛県砥部町で採れる砥石の可能性を模索する株式会社 白青 代表兼任。2021年より日本デザインコンサルタント協会 (JDCA) 副代表理事。
JCDデザイン賞金賞、グッドデザイン賞、iFデザイン賞など、国内外での受賞歴多数。著書に「upsetters architects 2004-2014,15,16,17」(2018年、upsetters inc.)、共著に「ゼロ年代11人のデザイン作法」(2012年、六耀社)、「アーキテクトプラス“設計周辺”を巻き込む」(2019年、ユウブックス) がある。
upsetters.jp
Our Covers #005 岡部修三

廣瀬大輔
Selected Cover Songs 2024 #45

廣瀬大輔

ELLA RECORDSスタッフ / DJ / ライター
Title

The Meaning of Love

Artist
Yesterdays New Quintet
Original
Steve Kuhn – The Meaning of Love

シンガー・ソングライターとしてのSteve Kuhnが好きだ(2年連続2回目の告白)。それはすなわち彼が1971年の《Buddah》からリリースしたセルフ・タイトル・アルバムの評価につながるのですが、そこに収録されたKarin Krogのヴァージョンも人気な「The Meaning of Love」のYesterdays New Quintetによるシングル・オンリーのカヴァー。エレピとPeanut Butter WolfことChrisのヴォーカルにMadlibらしいブロークンなリズム。Discogsに寄せられていたこの曲に対する愛あるコメントに少し口角があがってしまったので以下に引用します。
「Another Madlib mishandling of a complex, beautiful tune. Learn the chords, brother.(Madlib、またかよ、あんなに複雑で美しい曲なのに扱いを間違っちまってるよ。コードを勉強しろよ、兄弟。)」

Profile

ヴィンテージ・レコード・ディーラー&ショップElla Rrecords所属。かつてはDANCE MUSIC RECORDのジャズ・バイヤーとして新譜を供給し、ライターとして“Jazz Next Standard”シリーズや「Jazz Meets Europe」、「500 Club Jazz Classics」、“Jazz The New Chapter”シリーズ等の書誌や多くのライナーノーツ等へ新旧問わずジャズ / クラブ・ミュージックに関する執筆 / 寄稿、またDJ / 選曲活動を行う。
Our Covers #049 廣瀬大輔

小渕晃
Selected Cover Songs 2024 #46

小渕晃

ライター / エディター / 選曲家
Title

Cais

Artist
Milton Nascimento + Esperanza Spalding
Original
Milton Nascimento & Lô Borges – Cais

偏愛するUKの奇才Lewis Taylorが、ビー・ジーズ、ブライアン・ウィルソンからディープ・パープル曲までを天才くんならではのセンスで聴かせる全編カヴァー・アルバム『Pleasures Vol.1』など、今年も多くのカヴァーで楽しませてもらいましたが、1曲選ぶとなるとこれ。ミルトン翁が、ブラジル音楽ファンなら誰もが知る名盤である1972年のアルバム『Clube Da Esquina』中の「Cais」を、エスペランサ嬢とセルフ・カヴァーしたもの。〈波止場,埠頭,桟橋〉を表すタイトルの「Cais」は、ブラジル音楽でしか聴けないと思える、なんとも豊かで繊細なメロディが一度聴けば耳を離れない大名曲。神がかった魅力を放つオリジナルがもちろんすごいのですが、このカヴァーも82歳となった御大の歌声にシビれます。

Profile

TOWER RECORDSアルバイト、当サイトの主に拾ってもらってのCISCO勤務を経て、月刊誌『bmr(ブラック・ミュージック・リヴュー)』編集〜編集長。現在はCity SoulとHIPHOP仕事など。編著書『シティ・ソウル ディスクガイド』『HIP HOP definitive 1974-2017』他。
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Our Covers #018 小渕晃
小渕晃 Interview

マイケルJフォクス
Selected Cover Songs 2024 #47

マイケルJフォクス

DJ
Title

My Cherie Amour

Artist
Aldous Rh
Original
Stevie Wonder – My Cherie Amour

昨年のセレクトから引き続き個人的〈ゆるディスコ〉選曲で棚からヒトツカミ。マンチェスター出身のインディーロックバンド、EGYPTIAN HIP HOPのフロントマンAlexander Hewettのソロ・プロジェクトAldous Rhによる2016年リリースのシングル版B面収録曲。
スティービー・ワンダーによる原曲の良さは言わずもがな、春の日差しのように優しくレイドバックするグルーヴとひたすらに浮遊感を演出したアレンジが素晴らしく、何度選曲してもぐっと心を掴まれます。

Profile

DJ。グルーヴミュージックをテーマとした渋谷OTO「Night Rhythm」、オールラウンド日本語音源パーティー渋谷東間屋「EACH TIME」、クボタタケシとのツーマンで毎月開催している渋谷オルガンバー「number」など都内を中心に活動。
SoundCloud
Instagram
Our Covers #055 マイケルJフォクス

EL CINNAMONS
Selected Cover Songs 2024 #48

EL CINNAMONS

シナモン族 / 雑誌制作ユニット
Title

By Your Side

Artist
Nephew
Original
Sade – By Your Side

ここ数年、日本のレゲエやR&B界隈から現れる2000年代生まれの若き才能にワクワクさせられ続けている。NYはブルックリンを拠点に活動するR&BシンガーのNephewもそのひとり。Phony PplのメンバーであるMaffYuuがプロデュースしたこの曲は、初めて聴いた日の季節(初夏)と風景(反町駅から横浜駅へと抜けるお気に入りの緑道)の記憶込みで、今年のベストカヴァーでした。(トニー李)

Profile

ハマのブガルー歌手・チャーリー宮毛を中心にメンチカツ伊藤、トニ―李の3人からなるユニット。横浜を拠点に “シナモンフィーリング(CINNAMON FEELIN’)”なる感覚を普及 / 追求するべく、これまでに雑誌『EL CINNAMONS』を4冊発行。現在発売中の最新号では広島のイラストレーター、RUMINZを特集している。また、2014年にサマーセレクト『夏の悪魔』を発表。アイコンのイラストは沖真秀によるもの。現在冬眠中。
OFFICE Flaneur
SoundCloud
Our Covers #035 EL CINNAMONS

野田晋平
Selected Cover Songs 2024 #49

野田晋平

パライソレコード主宰
Title

演歌ペッパー警部

Artist
はたけんじ
Original
ピンク・レディー – ペッパー警部

角銅真実さんの2024年最新作『Contact』に収録されていた「長崎ぶらぶら節」のアレンジや曲展開が素晴らしくて、原曲もこんな感じなのかな? と思って正調と思われるヴァージョンを聴いてみましたが、かなり大胆なカヴァーであったことがわかりました。異国情緒の街、長崎の花柳界で唄われたお座敷唄の艶っぽさをエキゾチックに引き出し、そして終盤でサンバへと展開する名曲。今年ようやくゲットしたはたけんじ「演歌ペッパー警部」のあまりにも凡庸すぎる盆踊りアレンジとはえらい違いだ。と思いながら、B面のカラオケヴァージョンを凡庸すぎる自分の歌唱で歌ってみました。

Profile

魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》主宰。世界中の魅惑サウンドを探し求め、中古レコードをメインに(ほぼ)毎日新入荷を更新中。
paraisorecords.com/
Our Covers #020 野田晋平
ディスク・ボイジャー

Rei Taguchi
Selected Cover Songs 2024 #50

Rei Taguchi

Cutting & Mastering Enginner / DJ
Title

Toba Toba (Mamma Mia)

Artist
Salma & Sabina
Original
ABBA – Mamma Mia

ABBAのヒンディー語カバーのアルバムより。踊れます!

Profile

カッティングエンジニアとしてWolfpack Mastercut Studios、マスタリングエンジニアとしてSaidera Mastering & Recordingに所属。元レコード・バイヤー。Torei名義でDJとしても活動し、2023年にBLACK SMOKER RECORDSからMix CDをリリース。
SoundCloud
Our Covers #057 Torei

NOOLIO
Selected Cover Songs 2024 #51

NOOLIO

ARRROUND Wicked Sound Maker
Title

Cuando Estoy Contigo

Artist
Alvaro S. S. & His Jamming Sessions
Original
Armando Manzanero – Cuando Estoy Contigo

ラテンのムードとロックステディのリディム。歌謡感も極上で、これはEGO-WRAPPIN’「A Love Song」〜鶴岡龍「KIMINOKO」ラインの名曲を発見した! と密かに興奮し10回以上リピートした後に、ボレロ名曲のカヴァーだということを知りました。ベーシストÁlvaro Sosa率いるメキシコのスカ / ロックステディ・バンドの2024年作アルバム『Vol.2』に収録。
ちなみに同アルバムにはChet Bakerの名唱・名演で知られる「Everything Happens to Me」のサックス咽び泣きジャジー・ロックステディ・カヴァーも収められていて、そちらも最高です。

Profile

2018年に自身の新レーベル《ARRROUND Wicked Sound Maker》を始動。レゲエをベースに古今東西の音楽をMIX UP、時空を超えたロマンを街角で鳴らしてNICE MOOD創り。吉祥寺bar Cheekyでのレギュラーパーティー〈SIDE.C〉を主宰、レーベルからは自身の「SIDE.C Classics」シリーズを始め、ピーチ岩崎、Daddy-Kan、Ayu-Chan-Ching、EL-QUANGOのMIXCD、LP見開きジャケットサイズの木製フレーム〈AWSM Frame〉など様々なフォーマットでリリース。2021年には10inch Vinyl 「AMAI HIT KOUCHIE E.P」(KEN KEN, ICHIHASHI DUBWISE, asuka ando)をリリースし完売。asuka ando、DJサモハンキンポーとのオンラインラジオプログラム〈SEX ON THE RADIO〉も活発に配信中。
arrround.thebase.in
Our Covers #010 NOOLIO

長谷川正樹
Selected Cover Songs 2024 #52

長谷川正樹

VIEW / RECORD SHOP VIEW
Title

Last Train Home

Artist
Thiiird Place
Original
Pat Metheny Group – Last Train Home

ライヴで聴いて度肝を抜かれ、2024年に満を持してのアナログ化。心に訴えかけるような旋律、列車を模したリズムなども含めて楽曲タイトルを表現した演奏・アレンジ、メッセージも彼等流に咀嚼され、原曲以上にドラマティックな仕上がり。〈アフロ・ジャズ・ソウル〉とも称されているバンドですが、ここではRoland Kirkを彷彿させるような慈愛に溢れた響きにも胸打たれます。ちなみに同盤にはPharoah Sanders「The Healing Song」のカヴァーも収録されており、こちらも原曲のスリリングで高揚感に満ちた展開を自分たちの色へ染め抜いた名演。これらのカヴァー曲のみ配信はなし。レコードを手に入れて針を落としましょう。The Voices Of East Harlem、Gil Scott-Heron、Gary Bartzらと並べたい名作。

Profile

2020年にオープンしたオンライン・レコード・ショップ《RECORD SHOP VIEW》主宰。国内外の様々なレコード(記録媒体)を通じて、あらゆるVIEW(視点・視野・景色・考察)が広がる出逢い・発見・感動のきっかけを。ほぼ毎日、新入荷のレコードを更新中。
viewrecordshop.com
Instagram
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Our Covers #079 長谷川正樹

宮本剛志
Selected Cover Songs 2024 #53

宮本剛志

ライター
Title

Blackbird

Artist
Quiet Colors (Joanna Kucharczyk & Marcelo Woloski)
Original
The Beatles – Blackbird

Snarky Puppyのメンバーとして知られるアルゼンチン出身の打楽器奏者、Marcelo Woloski。SSWとしてのソロ作も発表する彼が、新たに結成したのがポーランド出身の歌手、ピアニストであるJoanna Kucharczykとのデュオ、Quiet Colorsだ。自作曲が並ぶ中で唯一収録されたカバー曲、The Beatlesの「Blackbird」には、ささやかな日々の暮らしを肯定してくれるような包容力を感じる。

Profile

1985年生まれ。アルゼンチン音楽を中心としたライター。
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Our Covers #075 宮本剛志

JAM
Selected Cover Songs 2024 #54

JAM

音楽ライター / DJ / レコード会社A&R
Title

Special Occasion

Artist
Millie Jackson
Original
Dorothy Moore – Special Occasion

Dororhy Moore作品として知られるSam Dees作のこの曲は彼女と同じく78年にBill BrandonもPreludeからシングルをリリースしているので、本当のオリジナルがどちらなのかは特定しづらいが、仕上がりは甲乙付け難く、どちらもオリジナルの風格を纏う。更に3年後の82年に、風格という意味では上記2曲に伯仲するカバーも生まれている。改めてMillie Jacksonというシンガーの底知れぬ魅力を痛感させられる名品である。

Profile

一時たりとも浮気もせず、横目も振らず、ヴァイナルを愛好しておよそ45年、これまでもこれからもブラック・ミュージック一筋な音楽ライター/DJ/レコード会社A&R。著書『Chasin’ The 80s Classics』《スペースシャワー・ブックス》。
Our Covers #033 JAM

伊藤一樹
Selected Cover Songs 2024 #55

伊藤一樹

演芸&レコード愛好家
Title

ボヘミアン・ラプソディ

Artist
氷川きよし
Original
Queen – Bohemian Rhapsody

今年の八月、氷川きよし歌手復帰コンサートへ。演歌ありポップスありで素晴らしいステージのアンコール一曲目がこの曲。湯川れい子の邦訳により母国語でダイレクトに伝わる歌詞、ロック・ミュージックの持つダイナミズムが、性や音楽ジャンルの壁を超越した氷川きよしの存在によって最上級に引き出され、改めてこの曲の偉大さに感じ入りました。オリジナルのクイーンを生で聴くことはもうできないけど、この曲を現代でも生バンド・生歌で聴ける喜びったらなかったね。オイラぁ、フレディもキーちゃんも大好きさ。

Profile

1985年東京都東村山市出身。演芸&レコード愛好家。ジャズ・ギタリストを志し音大へ進学も、練習不足により挫折。その後、書店勤務を経て、現在はディスクユニオンにて勤務。出身地の影響からか、ドリフで笑いに目覚める。月数回の寄席通いとレコード購入が休日の楽しみ。演芸レコードの魅力を伝えるべく、2019年12月に『落語レコードの世界 ジャケットで楽しむ寄席演芸』(DU BOOKS)を刊行。
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Our Covers #029 伊藤一樹
レコード盤★盤

ハナカタマサキ
Selected Cover Songs 2024 #56

ハナカタマサキ

作曲家
Title

Carry on Wayward Son

Artist
Yngwie Malmsteen
Original
KANSAS – Carry on Wayward Son

イングヴェイが大好きで高校生の頃にこの曲を雑誌『ヤングギター』に掲載されている譜面を見てひたすら練習していました。当時ヤングギターの企画で「完コピ大賞」という企画があってこの曲を演奏してテープレコーダーに録音して応募しました。(結果は落選でしたが…)
今年はたくさんイングヴェイを聴きました。いつの時代のイングヴェイも最高だと思いました。

Profile

作詞・作曲、ほぼ全ての楽器の演奏、プログラミングから録音までを一人で行い、独自のポップミュージックをつくり出す音楽家。玩具などを使用したミニマルから、エレクトロニカ、フォーク、フルオーケストレーションまで多彩なサウンドを纏った楽曲を制作している。猫が好き。
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MASAKI HANAKATA
Our Covers #030 ハナカタマサキ

KEN KEN
Selected Cover Songs 2024 #57

KEN KEN

KEN2D SPECIAL / URBAN VOLCANO SOUNDS
Title

Jet’m

Artist
Einstürzende Neubauten
Original
Serge Gainsbourg and Jane Birkin – Je T’Aime… Moi Non Plus

もしかしたらカバーというか引用と言うのかもしれませんが!? 2024年の今年初めて聴いて衝撃だったのでこちらにしました! 1981年のリリースで、しかも1分24秒しかないんですが強烈に残りました。。

Profile

BEASTIE BOYSと80sダンスホールレゲエから受けた衝撃を独自にREGGAE DUBにトランスフォームしたサウンド(KEN2D SPECIAL)で2008年にPART2STYLEから初のアルバム『Reality Bites』をリリースし、イギリス国営放送BBCの番組など複数で紹介され、UKの有名音楽誌《WIRE》にレビューが載るなど注目を集める。
2013年自らのセルフ・レーベル《Reality Bites Recordings》を立ち上げ7インチ・シングル「I Fought The Law」「APACHE」(通算8枚目)をリリース、パンクとレゲエを最初に繋げたレジェンド!! あのDon LettsにもBBCの番組で即座にプレイされた。2015年、Cocktail Boyzとして《black smorker recods》からmixCD『ENDLESS SUMMER』を、2018年にはPOSSE CUTより『ENDLESS SUMMER2』をリリース。2016年よりDEAVID SOULのhacchiとディスコ・ブギー・バレアリックなクロスオーバーユニットURBAN VOLCANO SOUNDSを始動し、7inch vinyl「そして、カーティスは途方に暮れる/Havana Club」、「sekai wa kimi no mono〜hey young world」feat.ロボ宙、「さめた気分のブギー」と3枚立て続けにリリース。2020年11月にはURBAN VOLCANO SOUNDSの1stアルバム『blue hour』をリリース。
SoundCloud
Our Covers #059 KEN KEN

仁林智也
Selected Cover Songs 2024 #58

仁林智也

ボナルーカフェ店主
Title

Lotta Love

Artist
Helado Negro
Original
Neil Young – Lotta Love

原曲と全く違う世界観を描くカヴァー曲に唸らされることがあります。原曲のニール・ヤングの方はアコースティックギターのストロークに〈La La La woo〉とスキャットから始まりフォークロック調です。一方、78年に大ヒットしたニコレット・ラーソンが歌うバージョンはグルーヴィーなサックスのイントロからAOR風のアレンジが施されています。
面白いのは全く同じ歌詞でメロディも同じなのに、見え方が大きく異なるところ。ニール・ヤングは分断された社会にメッセージを投げかけているよう。いがみ合う世界を変えるには溢れる愛が必要だと。ニコレット・ラーソンは都会の男女のすれ違いを歌っているかのよう。アレンジメントと歌唱法でここまで意味すらも変えてしまう曲はあまりないような気がします。
今回セレクトしたのはラテンチルポップ系のアーティスト、エラド・ネグロが2020年にリリースした「Lotta Love」。このバージョンがすごく心地よくて今年良く聴きました。イントロはエレキギターでニール・ヤングのスキャットのフレーズをなぞっています。しかしフォーキーな感じはなくアーバンな雰囲気。これは2020年なのでコロナ禍の世界を歌っているのでしょうか?

Profile

2005年より神戸須磨でボナルーカフェを経営。ライブイベントや小型のフェスなど様々な音楽イベントを手がける。
Our Covers #050 仁林智也

Magictouch(DUPER GINGER)
Selected Cover Songs 2024 #59

Magictouch(DUPER GINGER)

レコード愛好家 / DJ
Title

トラジ

Artist
原信夫とシャープス&フラッツ
Original
トラジ(朝鮮民謡)

河出書房さんから『世界の旅』というタイトルで発売された〈本+レコード〉全20冊のセット商品。リサイクルショップでレコードを探している人なら一度は遭遇したことがあるかも知れません。企画モノ感が強く購買意欲が湧かない外観なので、スルーしていた方が大半であろうと思われますが、付録レコード20枚中1枚だけ大当たりがあります。
それが中国・朝鮮編に付属しているこちらのレコード。B面に原信夫とシャープス&フラッツによる朝鮮2大民謡「トラジ」と「アリラン」のカバーが収録。どちらも良いのですがオススメは「トラジ」で、メロウなジャズ・アレンジの「トラジ」が実に緻密なオーケストレーションで演奏されています。ド渋なウッドベースとピアノから始まり、郷愁感に満ち溢れたサックス、フルートのユニゾンや、George Benson「Face It Boy It’s Over」ばりのギターソロ、終盤の迫力あるホーンセクションなど、原信夫さんのビッグバンド・スコアの妙を体感することができます。
これをサンプリングして咽び泣くヒップホップを作ろうと10年ぐらい秘蔵し何度も針を落としましたが、曲を聴いては毎度満足してしまい、もう作らない気がするのでぜひどなたかこのネタで1曲いかがでしょうか? 3拍子なのでヒップホップのビートはやや作りにくいものの、チョップの腕に覚えがある方には大変オススメです。

Profile

1978年生まれ。CD / レコード・ショップ勤務を経て現在は某ミュージシャンの会社に所属。暇さえあれば大小様々のリユースショップでレコードをディグ。ときに解体屋から廃品回収の方々ともレコードの為に密接にお付き合い。今の所は趣味の範囲。和モノのブレイクを多数サンプリングしてメガミックスした『KYOSOKU』シリーズが成果物。ディグしたレコードはその都度Instagramに掲載中。
SoundCloud
Instagram
Our Covers #072 Magictouch(DUPER GINGER)

本根誠
Selected Cover Songs 2024 #60

本根誠

レコード製造業
Title

Whatcha Gonna Do With My Lovin’ (DEF MIX)

Artist
Inner City
Original
Stephanie Mills – What Cha Gonna Do With My Lovin’

昔から、そんなにかける機会はないのにレコードバッグにいつもいるフランキー・ナックルズのローテンポなリミックスもの。ある日YouTubeで立て続けに諸作聴き続けていたら、コメント欄に「これ、完璧なChicago Steppersじゃん!」という書き込みを発見。 早速、〈Chicago Steppers〉で検索を続けると、、。女子はロングドレス、男子はダブルの背広で夕陽の中、シルキィにゆったり踊り戯れる動画が出てきたぞ!長年〈DEF MIX〉だからハウス文化を支えるものと思い込んでいたが、〈Chicago Steppers〉なるシルキィ文化があるのか! どなたか詳しい方いたら教えてください。この世界で踊りたい!

Profile

1961年大田区生まれ。WAVE、ヴァージン・メガストアなどCDショップ勤務を経て、1994年《avex inc.》に入社。《cutting edge》にてディレクターとして、ニューヨリカン・ソウル、ECD、東京スカパラダイスオーケストラ、BUDDHA BRAND、シャカゾンビなど多くのアーティストを手がける。東洋化成にてのアナログレコードの営業マンを経て2023年avexに復帰。身につけたアナログ製造・営業のお手前でavexのVINYLを開拓中。『200CD ブラック・ミュージック』、『The Extended』ほか音楽書籍の共著、編集も多数。
Our Covers #006 本根誠

Tetsunori Tawaraya
Selected Cover Songs 2024 #61

Tetsunori Tawaraya

ミュージシャン / アーティスト
Title

Baby’s on Fire

Artist
The Creepers
Original
Brian Eno – Baby’s on Fire

今年はSteve AlbiniがBig Blackのドラムプログラミングで使用していたRolandの名機TR-606を使用する機会があり、改めて聞いていたところこの曲がJBのカバーであることを発見しました。聞き比べるとなんとなくここがこうなって、、フムフム、とギリギリ分かるが、言われないとBig Blackにしか聞こえない笑、、というのがいい塩梅でした。

Profile

俵谷 哲典はノイズパンクバンド2up(アップアップ)のギターリスト、ヴォーカリストとしても知られる日本人ミュージシャン、アーティストである。宮城県に生まれ、現在は東京都を拠点としている。90年代後半にカリフォルニア州サンディエゴにて人々やミュージシャンのポートレートを描き始め、意欲的にSF/実験的なグラフィックノベルを制作した。2upと並行して、2007年までサンディエゴを拠点としてバンドDmonstrations(デモンストレーションズ)の活動を行う。グロテスクかつ色彩豊かな世界観が世代を超えて評価されている。Colour Code、Hollow Press、Le Dernier Criからシルクスクリーンやリソグラフを用いて、アートブックが出版されている。その他、Brain Dead、Element、NTS Radio、RVCA、Volcomとのコラボレーションを発表するなど、多分野において活動している。
Our Covers #019 Tetsunori Tawaraya

TORSO
Selected Cover Songs 2024 #62

TORSO

Husband and Wife
Title

Get Off

Artist
Mission of Burma
Original
Metz – Get Off

個人的に大好きなギタリスト、Roger Millerのノイズギター炸裂のグッドカバー! 燃える! スプリットシングルになっているMetzによるMission of Burmaのカバーも素晴らしい!

Profile

GROUPのサックスプレーヤーとしての活動を主に、その他様々なバンドのサポートとして活動中のKENJI(Flute,Sax etc)とORIE(Cello,Voice,etc)の夫婦からなるユニットTORSO。 自主レーベルOZATO RECORD立ち上げと同時に、第一弾としてTORSOの1stアルバム『SetOut』を2019年9月10日にアナログでリリース。エンジニアにJoe Talia氏、マスタリングはLachlan Carrick氏、ジャケットのイラストレーションは中原昌也氏が手がける。
HP
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YouTube
Bandcamp
Our Covers #041 TORSO

木暮晋也
Selected Cover Songs 2024 #63

木暮晋也

ヒックスヴィル / ギタリスト / ソングライター
Title

Spaceship Races

Artist
Tom Northcott
Original
Carole King – Spaceship Races

Goffin/King作、キャロル・キング1stソロ『Writer』収録曲のカバー。シンプルでゴリゴリな原曲に対しカラフルなチェンバーアレンジが眩しい。サイケなソフトロックって謎の中毒性あるなとこの冬再確認。

Profile

WOW WOW HIPPIES、ROTEN HATSを経て1994年ヒックスヴィル結成。ギタリストとしてFISHMANS、オリジナル・ラブなどに参加。楽曲提供、プロデュースや舞台音楽なども手がける。最新作はインストによる木暮晋也バンドの1stアルバム『EZ LISTENING』。
木暮晋也 Web
ヒックスヴィル Web
Our Covers #071 木暮晋也

asuka ando
Selected Cover Songs 2024 #64

asuka ando

Lovers Rock Reggae Singer
Title

Inside My Love

Artist
ACO
Original
Minnie Riperton – Inside My Love

「Will you come inside me?」な2024でした♡

-LIVE INFO-
2025.1.10. 【Prince Fatty & Horseman Japan Tour】at Bridge (新宿)
2025.1.13. 【Prince Fatty & Horseman Japan Tour】at Socore Factory (大阪)
2025.1.26. 【新春ダンスホール】in グランドサロン十三 (大阪)

Profile

メロウすぎるにもほどがある© Lovers Rock Reggae Singer。これまでのリリースはオリジナル・ソロ・アルバム2枚、『mellowmoood』(2015年)『あまいひとくち』(2018年)。2024年、6年ぶり3作目となるアルバム『DOUBLE HAPPINESS』がLP / カセットテープ、配信でリリース。その他、さまざまなアーティストからラヴ・コールを受けコラボ & 客演の7インチなどなど。
また、多感な時期を過ごした90年代前半、時を経て当時のR&B・HIP HOP愛がぶり返し現れた’心のB-Girl’こと 「LIL’ BOOTY」によるMIX CD『Mary’s Joint Vol.2』絶賛発売中! あらゆる〈好き〉を形にし続けている。
Linkfly
Our Covers #016 asuka ando

山下直樹
Selected Cover Songs 2024 #65

山下直樹

ex下北沢ZOO / SLITS代表
Title

Dream Baby Dream

Artist
Neneh Cherry & The Thing
Original
Suicide – Dream Baby Dream

友達用に3年連続で作ったMIXの最後の曲に使うか使わないか、何度も何度も繋げて聴いて試して悩んだ挙句、ボツにしたそのちょっと後に観に行った映画『CIVIL WAR』で、大音量で鳴り響くSuicideにシンクロし驚く。このカバーも秀逸で良いんだけど、如何せん長いんだよなと思いながら併せてよく聴いた。いつかこういう曲を上手に混ぜられる日が来ますように。
2025年が〈CIVIL WAR〉の様な世界になりませんように。「Dream Baby Dream」皆様良い新年を!

Profile

1962年長崎県生まれ。86年、西麻布ピカソでオールジャンル選曲の洗礼を浴び、88年より95年末まで下北ナイトクラブを母体としたクラブ、ZOO及びSLITSにて企画兼代表を務める。その後レーベル、マネージメント業を生業とした後、特に肩書の無い音楽好きとして現在に至る。
Mixcloud
Our Covers #025 山下直樹

Our Covers

カマタヒロシ
Our Covers #099

カマタヒロシ

DJ / BONUS BEATS CHANNEL
Yo. Shinoyama
Our Covers #098

Yo. Shinoyama

Searchin' music store
内田大樹
Our Covers #097

内田大樹

rotary店主
Iñigo Pastor
Our Covers #096

Iñigo Pastor

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Yusef Lateef – Michelle [The Beatles]
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