Selected Cover Songs 2022
feature #119

Selected Cover Songs 2022

「2022年に聴いたカヴァーで1番好きな曲」。eyeshadowが敬愛する71名の選曲家に、新旧問わず本年もっとも愛聴したカヴァーソングを教えてもらいました。今年もとっておきの曲が集まっています。ごゆっくり、どうぞお楽しみください。

20 Dec. 2022

The Anticipation Illicit Tsuboi
Selected Cover Songs 2022 #01

The Anticipation Illicit Tsuboi

Producer / Engineer
Title

Cissy Strut

Artist
Los Masters
Original
The Meters – Cissy Strut

チリ60’sビートバンドによる3rdシングル。ビートグループからソウルに移行するグループはUKのFleur De Lys等あるが、ファンクに派生していく珍しいパターン。エレキ具合がMetersっぽいというのもあるが、途中のファズ等面白い科学変化を産み、チリの音響と相まって最高の1曲。B面のオリジナルも頑張ってファンクしてるがC級品(笑)

Profile

Producer / Engineer。国内屈指のロック、ヒップホップ系サウンド・エンジニア、サウンド・クリエイターとして活躍するかたわら、ECDやキエるマキュウのステージにて観客をアジったりターンテーブルを破壊したり火をつけたり、度の過ぎたヴァイナル愛によってレア盤を割ってしまったりと、異様なまでの存在感を見せつけるライヴDJとしても有名。
長年に渡ってアンダーグラウンドからオーバーグラウンド、表方から裏方まで多面的に活躍を続ける、国内屈指のレコード・コレクターにして、日本のヒップホップにおける人間国宝のひとり。
Our Covers #007 The Anticipation Illicit Tsuboi

ジョンとポール
Selected Cover Songs 2022 #02

ジョンとポール

宅録ミュージシャン
Title

Guess I’m Dumb

Artist
Louis Philippe
Original
Glen Campbell – Guess I’m Dumb

寝てもルイ、覚めてもルイ。今年この曲を聴き、高校時代から注ぎ続けたビーチ・ボーイズへの愛を、これからは全てルイ・フィリップに捧げようと固く誓いました。

Profile

桑沢デザイン研究所卒。広島県呉市在中。弾き語りを軸にしたパフォーマンスと、様々な思い付きがそれぞれの形になった9枚のアルバム(2006年『1秒=百万年』より『パレルガ・ウント・パラリポーメナ』まで)を発表。2020年アナログ7インチEP『ONGAKU / GOD SAVE THE MEN』を古川麦編曲により誠光社よりリリース。現在は3人編成のユニット「天上の生活」をメインに、趣味でルイ・フィリップの翻訳カバーに挑戦中。
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Our Covers #036 ジョンとポール

heavenless 2100
Selected Cover Songs 2022 #03

heavenless 2100

妄想カセット製作 / Vinyl偏愛家
Title

Sitting in the Park / Snow Blood

Artist
Steve Beresford, David Toop, John Zorn, Tonie Marshall
Original
Billy Stewart – Sitting in the Park

パッと頭に浮かんだのは、The King Of LuxembourgがカバーしたPublic Image Ltd.の「Poptones」だったのですが、今年購入したレコードの中から選び直しました。
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Profile

長崎県在住。2022年『I am Obsessed with…Vol.10.5』Zine+Mix CDを制作。配布中です。
Mixcloud
Our Covers #070 heavenless 2100

鈴木惣一朗
Selected Cover Songs 2022 #04

鈴木惣一朗

ミュージシャン / 音楽プロデューサー
Title

Thousand Knives – Thundercat Remodel

Artist
Thundercat
Original
坂本龍一 – 千のナイフ

サンダーキャット!〈鬼才〉という言葉がこれほど当てはまる音楽家はいない。このトラックは、数あるYMOカバーの中でもベスト。アイデアと愛情に満ち溢れた素晴らしい音楽的解釈。久しぶりに驚いたなぁ。

Profile

1959年、浜松生まれ。音楽家。83年にインストゥルメンタル主体のポップグループ “ワールドスタンダード” を結成。細野晴臣プロデュースでノン・スタンダード・レーベルよりデビュー。『ディスカヴァー・アメリカ』3部作は、デヴィッド・バーンやヴァン・ダイク・パークスから絶賛された。近年では、程壁(チェン・ビー)、南壽あさ子、湯川潮音等、多くのアーティストをプロデュース。執筆活動や書籍も多数。最新作は『色彩音楽』(2020)『エデン』(2021)『UTAU KANADERU』(2022)。
Our Covers #085 鈴木惣一朗

Gakuji “CHABE” Matsuda
Selected Cover Songs 2022 #05

Gakuji “CHABE” Matsuda

LEARNERS / kit gallery
Title

生活の柄

Artist
BRAVE LION
Original
高田渡 – 生活の柄

今年は良いカヴァーが多く非常に迷いました。手前ミソで言うと僕のバンドLEARNERSによるIslay Brothersの「Harvest for the World」や、Taken by TreesによるColin Blunstoneの「Say You Don’t Mind」などなど…しかし1曲となるとコレです。DJ時にも使いまくっている大名曲のレゲエカヴァー。数多存在するこの「生活の柄」カヴァーですが、グっと込み上げながらダンスできる最高のヴァージョンに仕上がっています。

Profile

松田“CHABE”岳二(まつだ “ちゃーべ” がくじ)v 1970年、広島県生まれ。ソロ・プロジェクトのCUBISMO GRAFICO、バンド・スタイルのCUBISMO GRAFICO FIVE、キーボーディスト・堀江博久とのユニット、ニール&イライザ、DJ、リミキサーとして活躍中。また、FRONTIER BACKYARD、LOW IQ 01のライブバンドMASTERLOW等のサポートも務める。2001年には、映画『ウォーターボーイズ』の音楽を手掛け、第25回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。
2010年からは原宿でkit galleryを主宰する傍ら、2015年の夏からは紗羅マリーとのバンドLEARNERSで活発に活動中。同時に様々なアーティストに楽曲を提供している。
kit gallery
LEARNERS
Our Covers #066 Gakuji “CHABE” Matsuda

Ohhki
Selected Cover Songs 2022 #06

Ohhki

SSW / プロデューサー
Title

機関車

Artist
小坂忠
Original
小坂忠 – 機関車

小坂忠の1st『ありがとう』に収録されていたカントリー風「機関車」を4th『HORO』にてソウル/R&Bでセルフカバー。『HORO』ヴァージョンの方がより本来の意味での土壇場感が出ていて心に訴えてくるものがあります。
単純に「目が潰れ〜」の歌詞からの連想ですが勝手な解釈を足すと、汽車で田舎を出る青年のエディプスコンプレックス的な心情を歌っているような気がしてきます。放浪に出るっている感じも相まってるし。夕方によく聞いていました。Rest in peace.

Profile

Isayahh Wuddhaの中の人による変名プロジェクト。京都在住。図太いビートを鳴らして1st album『E.C.H.O』発売中!
これまでに書籍『おしえて チグラーシャ』(発行yetak)の主題歌をプロデュース。80’s ポスト・パンクバンドNON BANDの最新作『NON BAND Ⅱ』(Telegraph Records・Mangalitza Records)のRemixに参加。またKhan Brownとのユニットmess/ageのメンバー。
Lit.link
Our Covers #026 ISAYAHH WUDDHA

軽刈田凡平
Selected Cover Songs 2022 #07

軽刈田凡平

インド音楽ライター
Title

Love Will Tear Us Appart

Artist
Sanoli Chowdhury
Original
Joy Division – Love Will Tear Us Apart

瞑想的な古典音楽か、ひたすら派手なミュージカル映画のイメージが強いインドにも、都市生活の憂鬱を歌ったJoy Divisionをアンビエント的な音像でカバーする時代がやってきた。Sanoli Chowdhuryは、コルカタ出身の女性シンガー。「毎日の繰り返しに疲れ果てて/何をするのも嫌になると/嫌な感情が募るばかりで/気持ちはずっと同じまま」。
憂愁を煮詰めたようなこのカヴァーを、長く退屈な夜の明け方近くに、チャイで割ったラムを飲みながら。遠くで明滅するビルの明かりを眺めて。
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Profile

学生時代に若気の至りの一人旅でインドを訪れ、街にうずまく混沌としたパワーと人々のバイタリティーに衝撃を受ける。音楽好きだったため、「インド人がロックやブルースやヒップホップをやり始めたらすごいことになるだろうなあ」と思ったものの、当時(90年代後半)のインドでは映画音楽以外は非常にマイナーであり、そうした音楽とは出会えないまま終わる。その後もインドに興味を持ち続けたまま時は流れ、2010年代後半、インドのロック、ヒップホップ、電子音楽等のシーンが非常に面白くなってきていることを発見。2017年12月に「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)」名義でブログ「アッチャー・インディア 読んだり聴いたり考えたり」を開設する。 インドのインディー音楽を中心に、インドのカルチャーや、世界中に出没している謎のインド人占い師「ヨギ・シン」について調査して書いています。都内在住。尊敬する人はタイガー・ジェット・シン。
アッチャー・インディア 読んだり聴いたり考えたり
Our Covers #076 軽刈田凡平

Kent Mizushima
Selected Cover Songs 2022 #08

Kent Mizushima

to’morrow music / records
Title

Anything but Ordinary

Artist
Sobs
Original
Avril Lavigne – Anything but Ordinary

2020年に入ってから加速するY2Kカルチャーの再流行はファッションからスタートしたが、現在は音楽シーンでもポップパンクやエモといった2000年代に流行っていたジャンルがティーンの間で浸透し、実際にY2Kカルチャーをテーマにしたフェスティバル〈When We Were Young〉はとんでもないスピードでソールドアウトとなった。Avril Lavigneも再評価されているアーティストの一人で、今年の9月にはハリウッド殿堂入りを果たし、Hollywood Walk of Fameにネームが刻まれた。
そのAvril Lavigneの代表曲の一つ「Anything But Ordinary」をカヴァーしたのが、シンガポールのインディーポップ・バンド、Sobsだ。アジアのインディーシーンの中で最もポップセンスを感じさせるアーティストであるSobsは、ヴォーカルCelineのキャッチーで愛嬌のある歌声を武器にAlvvaysやbeabadoobeeのファンにはたまらないであろう80sテイストの混じったインディーポップを披露した2ndアルバム『Air Guitar』を先日リリースした。アルバムの日本限定ボーナストラックとして最後に収録されている「Anything But Ordinary」はオリジナルを基本的にもオリジナルを再現しつつも、アコギをメインで使用している本家に対して、このカヴァーではノイジーなエレキギターを採用していてよりエモーショナルに響き渡っている。そしてAvril Lavigneにも力負けしてないCelineの歌声はインディーファンだけではなく、全国のポップファンにも届くレベルだと思います。

Profile

音楽イベント「to’morrow / 明日フェス」の主催や洋楽専門のディストロ「to’morrow records」など自身のプロジェクトを中心にインタビューアー、イベント制作者などとしても活動。〈to’morrow music〉という肩書で Tokyo / LAのダブル拠点で日本の音楽シーンに向けて様々な形で毎日発信中。
Twitter
Instaram
to’morrow records
Our Covers #062 Kent Mizushima

酢豆腐
Selected Cover Songs 2022 #09

酢豆腐

月刊和レゲエ / イラストレーター
Title

Pourquoi

Artist
Stella
Original
Carly Simon – Why

カーリー・サイモンの「Why」のズーク・カバーです。前回Our Coversコーナーに登場させていただいた機会にジャパニーズ・レゲエ・カバー10選としてEpoの「Why」をいれさせていただきました。今回はそんな「Why」のカバー曲史にその最新版が登場! という事でこちらを選びました。この曲のリリース前の一時期サンクラでディガーのMIXをあさってるとしょっちゅう出くわしまして、謎の「Why」カバー曲として誰の曲なんだろうと気になる日々がありました(笑) 基本的には過去の誰かのカバー・バージョンだろうと思っていたんですよね。それが、まさか今年の新曲としてリリースされるとは! というのが本当に衝撃でEd Longoがやってるというのも意外でした。ただ、ズークとは言ってもカリビアンな雰囲気として援用した程度という突っ込みどころはありますが(笑) ともかく、そんな感じでリリース前からこの曲にトリコになった一年でした~。それではみなさんよいお年を!

Profile

和レゲエ専門のミニコミ『月刊和レゲエ』をやっています。
月刊和レゲエ
Twitter
Our Covers #056 酢豆腐

寺尾ブッタ
Selected Cover Songs 2022 #10

寺尾ブッタ

BIG ROMANTIC ENTERTAINMENT代表
Title

大雨

Artist
deca joins
Original
娃娃(金智娟) – 大雨

昔の台湾のヒット歌謡曲のカバー曲が近年立て続けにリリースされております。台湾の人気インディーバンドdeca joinsがカバーした台湾クラシック「大雨」は、変なイジりもなく淡々とカバーすることで、原曲のメロの良さ、インディバンドならではの突出したセンス、が浮き彫りになった良き塩梅でございました。

Profile

BIG ROMANTIC ENTERTAINMENT代表。東京青山、台北のライヴハウス〈月見ル君想フ〉を運営し、日中台間のライヴの企画・サポートのほか、音楽レーベル《BIG ROMANTIC RECORDS》を運営し、日本、台湾でのプロモーター業、WEBサイト上でアジアの音楽・文化情報を発信。 2020年7月には下北沢にオープンした《大浪漫商店》は、レーベルグッズの展示販売の他に、台湾ソウルフード「魯肉飯」専門スタンドとして営業。台湾のインディーズカルチャーを最新の衣食酒と共に紹介している。
BIG ROMANTIC ENTERTAINMENT(大浪漫娛樂集團)
Our Covers #061 寺尾ブッタ

はせはじむ
Selected Cover Songs 2022 #11

はせはじむ

DJ / プロデューサー / 愛犬家
Title

Teardrop

Artist
José González
Original
Massive Attack – Teardrop

美しく、儚げで、憂いのある2007年作の好カバー、オリジナルは当然Massive Attack。今またよく引っ張り出して聴いています。が、2007年といえばもう15年前! あらら。

Profile

1988年、伝説のCLUB《下北沢ZOO》を皮切りに本格的なDJ活動をスタート。以後、《MIX》《CATALYST》《OTO》《THE ROOM》《Organ-Bar》《CAVE》《328》《SONORA》《KOARA》などで活動を続ける。プロデューサーとして矢舟テツロー、土屋浩美、なかの綾、星野みちるなどを手掛ける。また、ライター、ラジオ・パーソナリティー、アレンジャー、リミキサー、企画プロデュース等、来た仕事は断らない事でも定評がある。最近はYouTube「はせはじむの”LAZY FELLOW”」を毎週アップ中。
はせはじむの”LAZY FELLOW”
Our Covers #068 はせはじむ

Yukitomo Hamasaki
Selected Cover Songs 2022 #12

Yukitomo Hamasaki

mAtter
Title

Paradise

Artist
Karen Smith
Original
Sade – Paradise

今年はよくこのカバーをDJの時にかけました。スラロビのリズムに、オリジナルよりも更にクールに歌う感じ、時世的にも遊びに来てくれた方達とも分かち合いたかった歌詞も、よくかけた理由かもです。

Profile

Independent Sound and Art レーベル、《mAtter》運営。国内外の作家のサウンド・アートやアンビエント作品などをリリースし、また同時に様々なギャラリーなどで展覧会などを企画。 毎月第4木曜にDJ BAR KOARA「THURSDAY KOARA」にてDJ。新しくギャラリー”LOWW”を2023にオープン予定です!
mAtter
Our Covers #074 Yukitomo Hamasaki

薄田育宏
Selected Cover Songs 2022 #13

薄田育宏

Record Buyer
Title

Miraculous Weekend

Artist
Pervenche
Original
Peter Ivers – Miraculous Weekend

サイケ、アシッド・フォークの奇才、ピーター・アイヴァースの曲をアコースティックな趣きでカバーしていて最高です!
マイペースに東京で30年近く活動を続けるインディー・バンドの新作『Quite Small Happiness』より。

Profile

1987年よりレコード店《Woodstock大阪店》で働き始め’94年に渋谷の《Cisco Loud Music店》、’97年に自身のレコ屋《Maximum Joy》を神南にオープン、2004年閉店。2010年からはDisk Unionに勤務。現在はftf.inc.に在籍。
IInstagram
Our Covers #013 薄田育宏

Trance Farmers
Selected Cover Songs 2022 #14

Trance Farmers

Singer
Title

Catch a F-Falling Star

Artist
Morgan Fisher
Original
Frank Sinatra – Catch a Falling Star

it would definitely be this~!
YouTube

Profile

Trance Farmers – chicken wire soul singer.

汗とガソリンとボングの香り漂うローファイ・シンガー。2014年、美しく歪んだバラードからロカビリーまで詰まったデビュー・アルバム『Dixie Crystals』を《Leaving Records》よりリリース。
bandcamp
SoundCloud
Leaving Records
Our Covers #054 Trance Farmers

KND
Selected Cover Songs 2022 #15

KND

ディスクユニオン新宿ラテン・ブラジル館
Title

Como Eu Te Quero (Aoi Sangoshioou)

Artist
NAMIE
Original
松田聖子 – 青い珊瑚礁

日系人と思われる、ナミエなるアーティストがサンパウロの老舗レーベルBRASIDISCに残した85年リリースの12インチ・シングル。
坂本九の名曲「上を向いて歩こう」をシティ・ポップ風に昇華した「Sukiyaki」もすばらしいですが、なんと言っても松田聖子の名曲「青い珊瑚礁」を原曲そっくりに寄せながらも一部ポルトガル語カヴァーした「Como Eu Te Quero (Aoi Sangoshioou)」が画期的!
実は当時のブラジルの日系人コミュニティでは、カラオケ等で松田聖子の楽曲が流行っていたのだとか。ジャケットも昔懐かしいアイドル歌謡を思わせる、昭和レトロな傑作です♪

Profile

ディスクユニオン新宿ラテン・ブラジル館勤務、ブラジル担当。最近は90年代のブラジル盤レコードばかり買っています。不定期で都内《ENJOY↑HOUSE》や《ZUBAR》でDJもさせていただいています。
ディスクユニオン新宿ラテン・ブラジル館
Our Covers #058 KND

Trance Farmers
Selected Cover Songs 2022 #16

Kana Hoshino

Yogi / Baker / 音楽愛好家
Title

I Want to Be Free

Artist
Karen Dixon
Original
Deniece Williams – Free

東京で暮らしていた20代の頃、行き詰まったときにDeniece Williamsの原曲をよく聴いていました。Lover’s Rockにカバーされた「I Want To Be Free」は、大人になってニューヨークに住んでいる今も、窮屈な気持ちになった時に聴くと自由で解放された気持ちにさせてくれる一曲です。

Profile

北海道札幌市出身。東京でファッションデザインを学んだ後、写真家として活動。26歳で渡米し、ニューヨークを拠点に現在はヨガ・メディテーションの指導者としても幅広く活動中。
Instaggram
Spotify
Our Covers #078 Kana Hoshino

本根誠
Selected Cover Songs 2022 #17

本根誠

レコード製造業
Title

My Gift To You

Artist
山下達郎
Original
Alexander O’Neal – My Gift to You

eyeshadowをチェックなさる方々におかれては、クリスマスソング大好き! な人も多かろうと思います。
いまだにSpotifyでぐいぐい聴きまくっているアレキサンダー・オニール、我らがアレックスの1988年発表オリジナル・クリスマス曲を山下達郎が1993年発表のクリスマス・アルバム『Season’s Greetings』でカバー。嬉しい試み。
2022年はコロナにもめげす、久方ぶりのツアーを走破したり(まだ終わってない!)、御年69才にして、11年ぶりのオリジナル・アルバムがチャート一位になったりグレートな活躍ぶり。プーチンの悪口言うだけでなんもしなくて、ますますぐうたらに磨きのかかる俺には、とてもまぶしい存在でした。

Profile

1961年大田区生まれ。WAVE、ヴァージン・メガストアなどCDショップ勤務を経て、1994年《avex inc.》に入社。《cutting edge》にてディレクターとして、ニューヨリカン・ソウル、ECD、東京スカパラダイスオーケストラ、BUDDHA BRAND、シャカゾンビ、Fantastic Plastic Machineなど多くのアーティストを手がける。2005年に独立し《essence inc.》を設立。プロデューサー/マネージャーとしてカーネーション、シーナ&ロケッツ、今野英明などを手がける。また、『200CD ブラック・ミュージック』、『The Extended』ほか音楽書籍の共著、編集も多数。現在、東洋化成でアナログレコードの営業マン。
Our Covers #006 本根誠

EL CINNAMONS
Selected Cover Songs 2022 #18

EL CINNAMONS

シナモン族 / 雑誌制作ユニット
Title

時間よ止まれ

Artist
CRAZY KEN BAND
Original
矢沢永吉 – 時間よ止まれ

10月某日、エル・シナモンズのメンチカツ伊藤とデザイナーのマリアンヌ・マフィーユの3人でハマスカドライブをした帰り道、CRAZY KEN BAND縛りの車内B2Bの何巡目かにマリアンヌがセレクトした「時間よ止まれ」が、2022年のベストカヴァー体験だった。選択肢からカヴァーを無意識に外していたことでの不意打ちの出会い。横山剣というフィルターを通過した「PACIFIC」という言葉の響き。16号線沿いの風景との完璧なマッチング。スターダストのジュークボックスで聴いた原曲の記憶ーー。くだらない話で笑い合う車内に、その光景を懐かしく眺めるような未来からの時間が流れ込み、軽いめまいがした。(トニー李)

Profile

ハマのブガルー歌手・チャーリー宮毛を中心にメンチカツ伊藤、トニ―李の3人からなるユニット。横浜を拠点に “シナモンフィーリング(CINNAMON FEELIN’)”なる感覚を普及 / 追求するべく、これまでに雑誌『EL CINNAMONS』を4冊発行。現在発売中の最新号では広島のイラストレーター、RUMINZを特集している。また、2014年にサマーセレクト『夏の悪魔』を発表。アイコンのイラストは沖真秀によるもの。現在冬眠中。
OFFICE Flaneur
SoundCloud
Our Covers #035 EL CINNAMONS

アルベルト島村
Selected Cover Songs 2022 #19

アルベルト島村

Galapagos Records
Title

Y Hoy Te Vi

Artist
Luciana
Original
Mateo y Trasant – Y Hoy Te Vi

本年度にはコンピレーションアルバムもリリースされたLitto Nebbiaが率いたアルゼンチンの名レーベル《Melopea Discos》。そのリリース量から新しい発見を見つける事も未だに多いです。今年、当店にて紹介した一枚もそんな作品でした。
70年代より活動するアルゼンチン人シンガーLucianaがリリースしていた、アレンジ/ディレクションをLos Músicos Del CentroのIngaramo兄弟が手掛けたカバー曲を中心にした89年作。 中でも哀愁が漂いながら美しい歌声で聞かせるMateo y Trasantのカバー「Y Hoy Te Vi」がひときわうっとりしてしまいます。来年も90年代のCD作品も含めMelopea探索の旅は続きそうです。

Profile

ジャンルに関係なく世界各国のレコードを求めてゆったりと運営中。
galapagos-rec0rds.com
Our Covers #080 アルベルト島村

廣瀬大輔
Selected Cover Songs 2022 #20

廣瀬大輔

ELLA RECORDSスタッフ / DJ / ライター
Title

Nuclear War

Artist
Yesterdays New Quintet feat. Dudley Perkins
Original
Sun Ra – Nuclear War

Kindred Spiritsからのアルバム『Sun Ra Dedication: The Myth Lives On』からの7インチ・カット。Sun Raによるオリジナルは”Fワード”連発の82年作の反核戦争ソング「Nuclear War」。ブレイクビーツ・ジャムにラップ調のコール・アンド・レスポンスなオリジナルに対して、Madlibは逆にSun Raらしいノイズ・エクスペリメンタルな手法でカヴァーという意図してか意図せずかの反転させた個性の対比も面白いです。
They’re talkin’ about nuclear war.
It’s a motherfucker, don’t you know?

Profile

ヴィンテージ・レコード・ディーラー&ショップElla Rrecords所属。かつてはDANCE MUSIC RECORDのジャズ・バイヤーとして新譜を供給し、ライターとして“Jazz Next Standard”シリーズや「Jazz Meets Europe」、「500 Club Jazz Classics」、“Jazz The New Chapter”シリーズ等の書誌や多くのライナーノーツ等へ新旧問わずジャズ / クラブ・ミュージックに関する執筆 / 寄稿、またDJ / 選曲活動を行う。
Our Covers #049 廣瀬大輔

1TA
Selected Cover Songs 2022 #21

1TA

Bim One Production
Title

LOVE IN OUTER SPACE

Artist
YOSSY LITTLE NOISE WEAVER
Original
Sun Ra – Love in Outer Space

元BUSH OF GHOSTSのバッタさんの結婚式の20年前くらいの映像でBUSHの皆さんがこのSUN RAの曲をカバーしている映像をたまたま見つけて、それが本当に素晴らしく個人的にyoutube史上一番好きだったんですが、同じく元BUSHのYOSSYさんが2007年の名アルバム『Woven』に収録され時を経て今年2022年に奇跡の7インチカット。これはB面ですが、A面も問答無用の最高カバー曲(デタミネーションズのセルフカバー!)で最強のカップリング。時空を超えて今年一番驚き嬉しかったリリースということで。

Profile

レゲエ/ダブ、リディムセレクター。レーベル《Rewind Dubs》、《Riddim Chango Records》主宰の一人でもあり、ベース・カルチャー発信集合体「BS0」や、サウンドシステムの祭典イベント「TOKYO DUB ATTACK / Dub Cinema」のプロデュースを手掛けている。e-muraとのダブ・ユニット「Bim One Production」名義を中心に数多くの音源作品をリリース中。
Linktree
Our Covers #003 1TA
スペシャル / ダブプレート座談会

DJ YAHMAN
Selected Cover Songs 2022 #22

DJ YAHMAN

Tribal Connection
Title

I Am in Love

Artist
Jennifer Lara
Original
Evelyn “Champagne” King – I’m in Love

自分にとって、この曲は、夜の音。昼間に聴いても耳から先は夜になる。2022年の後半、結構リピート再生しました。オリジナルのEvelyn “Champagne” KingのBPM110台のディスコ・クラシックを20下げて90台でカヴァー。ザ・80’sな電子&生楽器の質感漂うオリジナル曲が、艶やかさに覆われるレゲエ・チューンになっていてもう圧巻。Jennifer Laraの歌声、ステキです。1981年リリース。

Profile

雑食ダンスミュージック〈ジャングル〉を主軸として、ラウンジ・プレイ対応可能な“混ぜる”折衷DJを展開。タイ、ベトナム、中国、韓国でもDJing。《Soul Jazz Records》のジャングル入門編的コンピ『RUMBLE IN THE JUNGLE』などの日本仕様盤CDの解説を執筆、非営利の紙のZine=JUNGLE DOCUMENTシリーズを企画・制作・編著・発行。2009年始動のJUNGLE PARTY Tribal Connectionは渋谷の虎子食堂にて開催中。
Linktree
Our Covers #067 DJ YAHMAN

中村穣二
Selected Cover Songs 2022 #23

中村穣二

画家
Title

Brilliant Corners

Artist
Eugene Chadbourne
Original
Thelonious Monk – Brilliant Corners

今年は独自の道を突き進む鬼才天才ミュージシャンの楽曲を多くを聴いた一年でした。そんな中でもこちらの一曲はジャズの楽曲などをギターソロでカヴァーしたアルバムから。絵を描く時もよく聴くのですが「ちゃんと音は聴こえている。しかし意識は音に引っ張られる事なく筆は進んでいる」という気持ちの良い瞬間が自然と訪れる事があります。そういう時は決まって傑作が生まれるているのか!? というとそうでもなかったりして笑 しかしとにかくシビれる曲(アルバム)です!

Profile

画家。横浜市在住。国内外での個展やグループ展で作品を発表しています。
Our Covers #022 中村穣二

Jimmie Soul
Selected Cover Songs 2022 #24

Jimmie Soul

Radio DJ
Title

The Windows of the World

Artist
David T. Walker
Original
Dionne Warwick – The Windows of the World

侵略反対

Profile

RNC西日本放送 AM1449 FM90.3 毎週木曜日夜11時~11時29分《Jimmie Soul Radio》放送中。木曜の夜、メロウ&グルーヴィーな新旧ソウルミュージックを思い入れたっぷりの解説も交えてご紹介しています。radikoでも視聴可能です。
Our Covers #073 Jimmie Soul

KEN KEN
Selected Cover Songs 2022 #25

KEN KEN

KEN2D SPECIAL / URBAN VOLCANO SOUNDS
Title

Behind the Mask (Mike’s Mix) (Demo)

Artist
Michael Jackson
Original
Yellow Magic Orchestra – Behind the Mask

今年リリースされた40周年記念盤『Michael Jackson Thriller 40』に収録された今まで未発表だった激レアのデモバージョン。
デモバージョンだけにYMOの元曲まんまに少しだけ音を足している様なトラックの上で歌うマイケル。これを聴いたとき思ってしまったのは、これって僕の大好きなレゲエのトースティングスタイルに似てる! あり物のリズムトラックの上で歌う(しゃべる)U-RoyやBig Youth、Dillingerなどを思い浮かべてしまったのは私だけ!? オケとボーカルのバランス含めてdeejay感を感じる。
実際にYMOのBehind The Maskの上でBig YouthやDillingerがトースティングを乗せたらどうなるのか聴いてみたい。

Profile

BEASTIE BOYSと80sダンスホールレゲエから受けた衝撃を独自にREGGAE DUBにトランスフォームしたサウンド(KEN2D SPECIAL)で2008年にPART2STYLEから初のアルバム『Reality Bites』をリリースし、イギリス国営放送BBCの番組など複数で紹介され、UKの有名音楽誌《WIRE》にレビューが載るなど注目を集める。
2013年自らのセルフ・レーベル《Reality Bites Recordings》を立ち上げ7インチ・シングル「I Fought The Law」「APACHE」(通算8枚目)をリリース、パンクとレゲエを最初に繋げたレジェンド!! あのDon LettsにもBBCの番組で即座にプレイされた。2015年、Cocktail Boyzとして《black smorker recods》からmixCD『ENDLESS SUMMER』を、2018年にはPOSSE CUTより『ENDLESS SUMMER2』をリリース。2016年よりDEAVID SOULのhacchiとディスコ・ブギー・バレアリックなクロスオーバーユニットURBAN VOLCANO SOUNDSを始動し、7inch vinyl「そして、カーティスは途方に暮れる/Havana Club」、「sekai wa kimi no mono〜hey young world」feat.ロボ宙、「さめた気分のブギー」と3枚立て続けにリリース。2020年11月にはURBAN VOLCANO SOUNDSの1stアルバム『blue hour』をリリース。
SoundCloud
Our Covers #059 KEN KEN

Akhira Sano
Selected Cover Songs 2022 #26

Akhira Sano

Artist
Title

2nd Movement

Artist
Dylan Henner
Original
Su Tissue – 2nd Movement

The Humble BeeやTaylor Deupreeをはじめ、オーセンティックなアンビエントを多数リリースし、個人的にも普段からよく聴くベルギーのレーベル『Dauw』から、Dylan Hennerが2021年にリリースしたカヴァー集の一曲です。 原曲部分は、ゆったりと6/8拍子(?)でB m7らへんを揺らしながらフレーズのリフレインが続き(金管楽器の音も少し入りつつ)、最後には空間の開けた奥行きのあるアンビエンストラックへと変化していきます。 特に派手な展開等はなく、どちらかと言えば地味な印象を受けますが、芯のあるピアノの音と元曲のモチーフを上手く引き継ぎつつ、できる限りクラシカルな手法で自分の色を出しているところがグッときました。 音楽機材や手法が毎日のようにアップデートされているので、ついつい〈機能からの着想〉で制作を考えてしまいがちですが、こういった音楽を聴くと〈着想からの機能〉という主体的なアプローチが改めて良いものだと感じます。 また、様々な知識を得ることと、ものを作ることを混同させないことが僕自身の好きな制作アプローチなので、Dylan Hennerの本意は分かりませんが、その琴線に触れた(カヴァーという行為自体、知識的でない非常にパーソナルな欲求に近いのかなと感じます)のも何回も繰り返し聴けた理由だと思います。

Profile

1992年新潟県出身。東京在住。アーティスト。形や音の持つ不完全性、不規則性などに焦点を当てた生成・観察・記録、それらの二次的拡張を、ドローイング、グラフィック、インスタレーション、ビデオグラフィ、楽曲制作などを主に用いて表現・制作している。
主な作品に『Penetrating, For Filtration』(Important Records、2019)、『Particle Dialogue – Observation and Recording』(The Trilogy Tapes、2022)、主な個展に『可能性のパースペクティブ』(FAITH、2021)、『mē on -非在を見る-』(TOH、2022)などがある。
@Akhira_Sano (Linktree)
Our Covers #086 Akhira Sano

岡部修三
Selected Cover Songs 2022 #27

岡部修三

建築家
Title

Romance (Remastered 2021)

Artist
Ryuichi Sakamoto
Original
Stephen Foster – Jeannie With the Light Brown Hair

収録するアルバム『Beauty』はベルリンの壁が崩壊した1989年の作品。新しい時代の始まりに対する期待感が高まる、グローバリゼーションという言葉もなかった時代に、〈インターナショナル〉のカウンターとして〈アウターナショナル〉という言葉を使って説明していたエピソードだけでも、個人的に考えさせられることが多い一枚。

その中でも「Romance」は、そうした根本的な思想と原曲に対する解釈、そしていくつかの偶然が重なって生まれた(ということをこのローリングストーン誌のインタビューで知った)作品で、今まさに、もう一度新たな時代の変換期を迎えると言えるタイミングで、改めて考えるべきナショナリティとの距離の取り方、そして、創造に関わる立場でのエスニシティの超えかたについて、あらゆる角度から示唆に富む一曲。

そして、先のインタビューで坂本さんのコメントとして強調されていたけど、とにかくエンジニア、ジェイソン・コルサロによる音がすさまじい。命ある限り創造を続ける坂本さんの姿勢に、改めて背筋が伸びる。

Profile

2004年よりupsetters architects 主宰。「新しい時代のための環境」を目指して、建築的な思考に基づく環境デザインと、ビジョンと事業性の両立のためのストラテジデザインを行う。
2014年よりブランド構築に特化したLED enterprise 代表、グローバル戦略のためのアメリカ法人 New York Design Lab. 代表、2018年より愛媛県砥部町で採れる砥石の可能性を模索する株式会社 白青 代表兼任。2021年より日本デザインコンサルタント協会 (JDCA) 副代表理事。
JCDデザイン賞金賞、グッドデザイン賞、iFデザイン賞など、国内外での受賞歴多数。著書に「upsetters architects 2004-2014,15,16,17」(2018年、upsetters inc.)、共著に「ゼロ年代11人のデザイン作法」(2012年、六耀社)、「アーキテクトプラス“設計周辺”を巻き込む」(2019年、ユウブックス) がある。
upsetters.jp
Our Covers #005 岡部修三

Jolan Lewis
Selected Cover Songs 2022 #28

Jolan Lewis

The Foetals
Title

She’s the One

Artist
Nick Normal
Original
Ramones – She’s the One

『Nicky’s First Rodeo』は今年最もよく聴いた作品の一つです。私はいつもパワーポップが好きですが、時々その中のパワーが本当に嫌になることがあります。ラモーンズは素晴らしいけど、彼らはいつもクリーンなプロダクションでタイトな演奏をしているから、少し冷めてしまいます。もう少しルーズで、スローダウンしたシャッフルのような演奏、「Rock & Roll Part II」や「Instant Karma」のようなデッドなスラップバック、下降するアウトロ…完璧! ニックのバージョンは僕にとってすべてが改善されたものです。
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‘Nicky’s First Rodeo’ has been one of my most listened-to records this year – I’ve always loved Power Pop but sometimes I really don’t like the Power in it. The Ramones are great and everything, but they were always produced so cleanly and played so tight, it always left me a little cold. Everything about Nick’s version is an improvement for me – it’s a little more loosey-goosey, played as a slowed-down shuffle, that ‘Rock & Roll Part II’/’Instant Karma’ deadened slapback, the added descending outro .. perfect!

Profile

Jolan Lewis makes records under his own name and as The Foetals, as well as playing guitar and keyboards for Aldous RH, Drugdealer, Sean Nicholas Savage and Francis Lung and occasionally hosting the Attic Demonstration show on NTS Radio, focused on outsider, private press and lo-fi music.
Instagram
bandcamp
Our Covers #064 Jolan Lewis

野田晋平
Selected Cover Songs 2022 #29

野田晋平

パライソレコード主宰
Title

マコとノンコのごきげんいかが1・2・3

Artist
岡雅子
Original
スネークマンショー – 咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3

「うぉ〜〜」と心の中で叫んで(でも顔はクールに)しまうことはレコ屋通いの醍醐味ですが、そんな「うぉ〜〜」をたくさんくれた店が閉店してしまってたことを知った。そんな店でかつて手に入れた「うぉ〜〜」なカヴァー曲。これに針を落とし、その店に行くのとセットだった中華料理屋やその店までの路地などセンチメンタルに浸る。内容は高度経済成長期のバブリー感に溢れてますが…
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Profile

魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》主宰。世界中の魅惑サウンドを探し求め、中古レコードをメインに(ほぼ)毎日新入荷を更新中。
paraisorecords.com/
Our Covers #020 野田晋平
ディスク・ボイジャー

仁林智也
Selected Cover Songs 2022 #30

仁林智也

ボナルーカフェ店主
Title

I Say a Little Prayer

Artist
Calypso Rose
Original
Dionne Warwick – I Say a Little Prayer

バート・バカラック作。ディオンヌ・ワーウィックやアレサ・フランクリンが歌った名曲。僕が良く知ってるのはアレサのバージョンですが。

カリプソ・ローズ。トリニダードのカリプソの女王、現在82歳。この曲は4~5年前だから77歳ぐらいか。ただ歌う。エモーショナルな曲なのに肩の力は抜けている。自分色に染めようとか、生き様を歌に込めようとかはしない。ただ歌うだけで彼女の深みが染み出し心の奥がのぞけるような気にさせてくれる。ひとりの歌手がただ歌っただけの歌を、時を経てひとりの歌手がただ歌ったということ。26歳のアレサと77歳のカリプソ・ローズ。

Profile

2005年より神戸須磨でボナルーカフェを経営。ライブイベントや小型のフェスなど様々な音楽イベントを手がける。
Our Covers #050 仁林智也

山下直樹
Selected Cover Songs 2022 #31

山下直樹

ex下北沢ZOO / SLITS代表
Title

Everybody Wants to Rule the World

Artist
Trevor Horn feat. The Sarm Orchestra and Robbie Williams
Original
Tears for Fears – Everybody Wants to Rule the World

この曲って80年代当時めちゃくちゃ売れてたけど、内容は確かあんな事歌ってたんだよなと、ふと思い出し調べてたら、このトレヴァー・ホーン版が有るのを知りよく聴いた。
「誰もが世界を支配したがる」
何にも世の中変わっていない、いやもうそれは永遠に変わることはないのかもしれない。どんな立場の人間も、生まれた時はみな赤ん坊なのに、いつからそんな人間に変わっていくのだろうか。
そして今も世界のどこかで、その決意の瞬間を迎えた人がどれくらい居るのだろうか。美しくノスタルジックなメロディとは裏腹に、改めてそんな気分にさせられた。

All for freedom and for pleasure
Nothing ever lasts forever
Everybody wants to rule the world

皆さま良いお年を!

Profile

1962年長崎県生まれ。86年、西麻布ピカソでオールジャンル選曲の洗礼を浴び、88年より95年末まで下北ナイトクラブを母体としたクラブ、ZOO及びSLITSにて企画兼代表を務める。その後レーベル、マネージメント業を生業とした後、特に肩書の無い音楽好きとして現在に至る。
Mixcloud
Our Covers #025 山下直樹

NOR-1
Selected Cover Songs 2022 #32

NOR-1

DJ / 編集者
Title

Sun Goddess

Artist
PYRAMID
Original
Ramsey Lewis – Sun Goddess

原曲はポビュラージャズ界のマイルス・デイビス(と私が呼ぶ)、ラムゼイ・ルイス。弟子=モーリス・ホワイトの作曲&プロデュースによる、クロスオーバー〜フュージョンの傑作です。
対するは鳥山雄司 (g)、神保彰 (dr.exCASIOPEA)、和泉宏隆 (key.exT-SQUARE) によるスーパーグループ、PYRAMID。鳥山が「高校時代に戻ってインストやんない?」と2人を誘い、今ならやれるよね、と挑戦したのがこのカバー。おなじみのギターカッティングの裏で一瞬ドラムが倍速になるイントロからして血が騒ぎます。
ラムゼイは今年9月、和泉氏は昨年4月に亡くなりましたが、どちらのバージョンも永遠にプレイされ、聴く人に女神の陽光を注ぎ続けることでしょう。
ちなみにアース・ウインド&ファイアー『灼熱の饗宴』でのライブ・カバーも超名演。さらにちなみに、山下達郎さんの発音によると、この曲は「サン・ガデス」です。

Profile

2011年、小西康陽、Dub Master X、tofubeats、okadadaなどをゲストに迎えた国産音楽イベント「あの日のようにささやいて」を共同主催。2019年刊のディスクガイド『WA B.O.O.G.I.E.』では80年代国産ブギーとフュージョンのレビューを執筆。現在のレギュラーは国内唯一(?)のフュージョン限定パーティ「Fusion Colors」。多様なジャンルからアダルトな音楽を抽出中。
Our Covers #014 NOR-1

Maru
Selected Cover Songs 2022 #33

Maru

DJ / Modern Records代表
Title

What’s Going On

Artist
Pat Satchmo
Original
Marvin Gaye – What’s Going On

今年一番衝撃を受けたのが、今もなお胸を痛める出来事が続いている〈ロシア・ウクライナ紛争〉で、反戦メッセージを込めて各所でヘヴィ・プレイした、《Marvin Gaye名曲 / レゲエカバー》を選んでみました。モッズ リバイバルの重要なサブカルチャーの1つ、🇬🇧スエードヘッズ(Suedeheads)が愛した1972年作品で、ベトナム戦争の嘆きを異国から提示した「What’s Goin’ On」は、今最も大切に感じられる1曲です。

Profile

東京Modsシーンの老舗イヴェント〈WHISKY A GO GO!〉全盛期のD.J.を務めた、Blues Dress在籍時の中心メンバー。身体表現と音楽を融合させた現代アート〈Stringrphy〉のプロ演奏家として、フランス・ドイツ・オーストラリア・インド等の大使館・美術館での演奏活動を経て、数年前クラブシーンに復帰。国内外に3,000以上のフォロワーを持つfacebookページでは、ファッション~映画~アートを密接にリンクさせた、ルーツ・ミュージックの新しい価値観を提案しています。
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MODERN RECORDS 1号店(Club系7inch)
MODERN RECORDS 2号店(LP/CD)
MODERN RECORDS 3号店(Rock系7inch)
Our Covers #063 Maru

TSUTCHIE
Selected Cover Songs 2022 #34

TSUTCHIE

プロデューサー
Title

You Make Me Feel So Good

Artist
Conor Albert
Original
Bobbi Humphrey – You Make Me Feel So Good

《Blue Note》の作品を多くのアーティストがカヴァーするアルバム『Blue Note Re:imagined II』に収録されております。真夜中に聴きたい曲として見つけた一曲で、自分のPodcastでも紹介いたしました。

Profile

ヒップホップ・グループのひとつ<Shakkazombie(シャカゾンビ)>のトラックメイカー、プロデューサーとして3枚のアルバムをリリース。同時に、数多くのアーティストのリミックスやプロデュースを手がけている。近年ではヒップホップに止まらずあらゆるジャンルを横断する音楽プロデューサーとして活躍中。
2002年にファースト・ソロ・アルバムをリリースし、2003年には録音からミキシングまでほぼ一人で制作したセカンド・ソロを発表。2004年にアニメ「サムライチャンプルー」のサウンドトラックを2枚、2015年にはアニメ「GANGSTA.」のサウンドトラックをリリース。最近ではレコーディング、マスタリングエンジニアなども行い、更には2011年より自身のレーベル「SYNC TWICE」を立ち上げ、自身の作品を始め柳田久美子、ランランランズ、TOMMY HONDAなどの音源をリリース。詳細は下記のリンクまで。
LinkCore
Our Covers #028 TSUTCHIE

松本章太郎
Selected Cover Songs 2022 #35

松本章太郎

ココナッツディスク江古田店店長
Title

Thousand Knives – Thundercat Remodel

Artist
Thundercat
Original
坂本龍一 – 千のナイフ

坂本龍一ソロ・ファースト冒頭曲、Yellow Magic Orchestra(YMO)のアルバム『BGM』でも再録されている「千のナイフ」をサンダーキャット(Thundercat)がスローモー・シンセティック・ネオソウルなボーカル・バージョンにリモデル=再構築。なんと言いますか最初から最後まで完璧。マイケル・ジャクソン『スリラー』発売40周年記念CD2枚組エディションに収録された「Behind The Mask」のデモ・テイクと悩みましたが、より好みということでこちらを。トリビュート・アルバムに収録されており、カバー曲というにはやや直球かもですがご容赦くださいませ。

Profile

中古レコードストア《ココナッツディスク江古田店》店長。ジャパニーズ・バレアリック/レフトフィールド・ミュージック・コレクション『Walearic Disc Guide(和レアリック・ディスクガイド)』《ele-king books》執筆監修。『Alameda press』『WA B・O・O・G・I・E』『90年代ディスクガイド邦楽編』等寄稿。中古レコードストア《ココナッツディスク江古田店》店長。ジャパニーズ・バレアリック/レフトフィールド・ミュージック・コレクション『Walearic Disc Guide(和レアリック・ディスクガイド)』《ele-king books》執筆監修。『Alameda press』『WA B・O・O・G・I・E』『90年代ディスクガイド邦楽編』等寄稿。
Our Covers #083 松本章太郎

ROCKDOWN
Selected Cover Songs 2022 #36

ROCKDOWN

音楽愛好家 / DJ
Title

There’s Nothing Like This

Artist
Ash Walker
Original
Omar – There’s Nothing Like This

Don Lettsが監修したコンピレーション『Late Night Tales』に収録されているAsh WalkerによるのOmarのカバー。Ash Walkerというアーティストは初めて知ったのだが、Omarのスウィート・クラシックを空間的でダビーにカバーしている。Don Lettsの息子Jet Lettsの友人のようです。 本コンピ自体アーシーな現行のダブ・ナンバーが中心なのだが、このAsh Walkerを含め収録曲の半数以上が本コンピのエクスクルーシブというDon Lettsにしか成し得なかったひとつの作品と言ってよい内容。 またソウル・ディスコ系クラシックのひとくせもふたくせもあるダビー・テイストなカバーを多数収録しており、挙げていくとAaron Neville「Hercules」、Stevie Wonder「All I Do」、War「Slipping Into Darkness」、Althea & Donna「Uptown Top Ranking」のカバー等。Joy Division「Love Will Tear Us Apart」のダブ・カバーといった変わり種も。John HoltによるLou Rawlsカバー「You’ll Never Find Another Love Like Mine」はなんとMad ProfessorによるNewダブ・バージョン。コンピの解説みたいになってしまいましたが聴きどころ満載のなんとも凄いコンピですね。

Profile

音楽愛好家、DJ。和物ディスクガイド「和レアリックディスクガイド」での執筆、Mastered Hisnoiseからのミックステープリリース、ココナッツディスク江古田の和レアリックシリーズへのミックス提供等行っている。その他、不定期にDJ活動中。
Our Covers #040 ROCKDOWN

ハナカタマサキ
Selected Cover Songs 2022 #37

ハナカタマサキ

作曲家
Title

A Love Supreme

Artist
岡田拓郎
Original
John Coltrane – A Love Supreme

ゲストプレイヤーの即興演奏を岡田さんがコラージュ、エディットしてその上にまた即興演奏を重ねるという驚きの手法で制作された作品。ひたすら気持ちいい音の棲み分け感と、想像しただけで気が遠くなるような編集量と形にしてしまう熱量に圧倒されました。

Profile

作詞・作曲、ほぼ全ての楽器の演奏、プログラミングから録音までを一人で行い、独自のポップミュージックをつくり出す音楽家。玩具などを使用したミニマルから、エレクトロニカ、フォーク、フルオーケストレーションまで多彩なサウンドを纏った楽曲を制作している。猫が好き。
Twitter
MASAKI HANAKATA
Our Covers #030 ハナカタマサキ

馬場正道
Selected Cover Songs 2022 #38

馬場正道

渉猟家
Title

Something

Artist
눈동자 (Lee Seung Jae)
Original
The Beatles – Something

韓国へ行った時、長谷川陽平さんに教わって買ったレコード。歪んだ異世界へと連れて行ってくれるような「Something」のカヴァー。知らないレコードばかり、文字も全く読めない。まだまだ知らないレコードがたくさんあることに興奮しました。

Profile

鷹の台《KIKI RECORD》代表。池袋2丁目スナック《馬場》店主。 池袋2丁目72-6 光洋ビル1F。
Our Covers #044 馬場正道

伊藤尚毅
Selected Cover Songs 2022 #39

伊藤尚毅

SSW
Title

When The Saints Go Marchin’ In

Artist
Donna Hightower
Original
黒人霊歌 – When The Saints Go Marching In

ホームサウナがあるように、ホームレコ屋をみなさんもお持ちだろうか。自分にとっては、宇都宮市の街中にある《snokey records》と日光市の外れにある《used records shop NOW》がそれにあたる。
《snokey records》はレコード屋の後ろにバー&ライブスペースがあるお店で、真夜中、お酒片手に好きなDJのプレイを楽しみつつ、ほろ酔い気分でひたすらにレコードを掘ることができる素敵なお店だ。そして、《used records shop NOW》は元々、日光市下今市駅前で営業していたお店で、駅前の再開発により、街の外れに場所を変えて営業再開したお店だ。
コロナの時期、店の基礎づくりから全て店主が行ったこのレコードショップは、いつ行っても決して広くない店内に所狭しと段ボールが積み上げられている。さらにその段ボールの上にも乱雑にレコードが積み上げられていて、その中にハッとするようなレコードがあったりして、もう宝探し状態。その大量の在庫から手を真っ黒にしながらレコードを探し、「レコードを掘る(Dig)ってこういうことか!」と気づかされたのもこのお店。
店主のヤギサワさんは、見た目は栃木訛りのある田舎のおっちゃんだが、本当に素晴らしい写真を撮る写真家でもあり、コロナ前までは世界中を旅していた。
フレンチ〜ジャズ〜ソウル〜和モノと守備範囲も広く、自分の気に入っているレコードは何十枚もストックしていて、多くの人に聴いてほしいという理由から、仲良くなったお客さんに配っている。Gladys Knight & The Pipsの「Midnight Train to Georgia」を大音量でかけて、「これ最高だから持っていきな!」と問答無用にお客さんに渡している場面を何回みたことか。
今回紹介するレコードは、そんな《NOW》の店主ヤギサワさんからおすすめされた7インチ。いつものごとく、「伊藤くん、これいいよ。こないだ入ってきて聴いてみたら最高だった。ジャケはアレだけど、間奏のスキャットが最高!」と大音量で聴かせてもらった。大したレア盤でもなく、ヤフオクでも100円で売っているレコード。でも、そんなレコードにこんなにすごい曲が入っているなんて!この人のおすすめに外れなしと思わせる店主がいるレコ屋こそが、ホームレコ屋ですよね。
ちなみにホームサウナは、宇都宮市にある銭湯「宝湯」。井戸水かけ流しのやわらかい水風呂が最高。

ー歌詞カードよりー
ドンナ・ハイタワーはベルギー、フォニオール・レコード会社専属のダイナマイト・シンガーです。「ミス・ツイスター」のニック・ネームを持ち、爆発的なパンチのきいた歌声の持主で、この頃めきめき人気を高めています。
A面の「聖者の行進」は皆様もよく御承知のディキシー・マーチ。B面の「恋人は海の彼方に」は原曲はスコットランド民謡で、海に出掛けた恋人を案ずる恋の歌です。A面B面とも大変パンチのきいたリズムで歌われます。

Profile

日本のロック/フォークミュージックの歴史を真っ向から継承する、94年生まれ、栃木県出身のSSW。16年に出した自主制作音源『Bon Voyage~盆旅行記~』がじわじわと評判を呼び、雑誌POPEYEの特集「あたらしい音楽」やミュージック・マガジンの特集「日本音楽の新世代」に取り上げられたりと今最も注目されているミュージシャンの1人。
岩出拓十郎(本日休演)プロデュースによる、待望の全国流通アルバム「伊藤尚毅の世界」が絶賛発売中。
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Branco Label
Selected Cover Songs 2022 #40

Branco Label

レーベル運営
Title

In the Labyrinth of the Mind

Artist
A.R. & Machines
Original
A.R. & Machines – In the Labyrinth of the Mind

チョイスはセルフカヴァーでもOKとのことで、17年に録音され今年リリースされたライブ盤『71/17 Another Green Journey (Live At Elbphilharmonie Hamburg)』収録の45年越しのセルフカヴァー曲を。

A.R.ことAchim Reichelは時代に合わせて音楽性を変えていくタイプのアーティスト。60年代にはドイツのビートルズとも言えるThe Rattlesのメンバーとして活躍、実際にビートルズのドイツ公演では前座も務めている。60年代末には時代に合わせてWonderlandというサイケデリックロックバンド、そして70年には時のクラウトロックの代表バンドの一つと言えるA.R. & Machinesで活動開始。しかし75年でパタリと本バンドの活動はやめて、一転してシンガーとしてのソロ活動を開始。他にもプロデュースしたバンドの多くもその時代ごとの様々なスタイルに合わせたり、80年代にはニューウェイブサウンドに寄っていったりといった具合。

しかしそういった経歴の中で、A.R. & Machinesの音楽だけは流行りの音楽の模倣というわけではなく、むしろシーンの先駆者として独自に音楽性を模索~発見して始まったと言える。A.R.の特徴と言えるロングタイムディレイを生かしたエコーギターは、よく比較されるシュートディレイ中心のAsh Raのそれとはかなり違っていて、反復を執拗に繰り返すミニマルミュージックというよりは、フレーズを徐々に変容させていく輪唱ギターともいえる独自の手法。ギターとテープデッキをいじっている時にたまたま発見して面白く感じ、自分の作品に取り入れたという経緯がある。71年リリースの1stの『Die Grüne Reise』が録音された70年と言えば、Kraftwerkは1stを出したばかりで、NEU!はまだ結成もされていないような時期。Ash Raがエコーギターの作品を出すのは75年、近い音楽性としてよく語られる同じドイツのアーティストであるGünter SchickertはAsh Raより早く74年にエコーギターの作品を出しているが、それでもA.R.のほうがかなり早い。そういった時系列から考えても、A.R. & Machinesはドイツでクラウトロックというムーブメントが起き始めた最初期に、実験的なロックの誕生のシンクロニシティに意図せず巻き込まれた形であり、他のクラウトロックバンドを模倣したわけではない。余談だが、日本でクラウトロックが紹介される際の代表格バンドはCanやNEU!などが筆頭とされ、A.R.はその他大勢の中に紛れ込まされることが多いが、それはおそらく90年代に出版され日本で最初に大々的にクラウトロックを紹介した書籍『ジャーマンロック集成』での扱いがそうであったことの名残で、海外でクラウトロックが紹介される際にはA.R.もCanらと並び評されることが多いようだ。

Achim Reichelは本LP収録の17年のライブ公演以後は、歌手活動での作品のベスト盤ボックスを出したくらいで純粋な新作は出していないようだ。つまり50年を越える音楽歴の最後になるかもしれないライブ、そしてリリースに、わずか4年程しかやっていなかったバンドを選び、復活させた。その心中は定かではないが、時代に合わせて様々にスタイルを変えてきた彼が、唯一純粋に自分の中から生み出したオリジナルな音楽がA.R. & Machinesのみだったからこそなのかもしれない。実際に、A.R. & Machinesの作品は流行り廃りで消えていくことなく、むしろ多くの再評価を得て時を超えて世界中の人々に愛され続けている。特に、強烈なインパクトをもつ過激なサウンドの1st LP『Die Grüne Reise』、コニープランクとの合流で音響派サウンドを20年先取りした2nd LP『Echo』、そして全人類のなかでも最高傑作の音楽かもしれない奇跡の演奏が収録された4th LP『A.R.4』などは、筆舌にしがたい音楽史の功績であり、本人としても今となってはそれに自覚的であったのかもしれない。

今回チョイスしたライブ公演ラスト曲「In The Labyrinth Of The Mind」のオリジナルは、2nd LP「Echo」のA面の組曲からの一節。壮大にエコーするストリングスサウンドはオリジナルからのサンプリングで新たな装いで編曲され、Achimのギターと本公演のバックメンバーたちの演奏によって現代らしいサウンドに彩られていく。演奏の最後にはエコーがかかっていないAchimのギターサウンドのみが響き、本LPは幕を閉じる。そこに50年以上続けてきたAchimの音楽人生の締めくくりを重ねて聴いたとき、「本当にお疲れ様でした」と、心中でつぶやいた。もちろんまだまだ音楽活動を続けられるのかもしれないが、A.R. & Machinesとしての活動はこれが本当に最後であろうことを思うと、その素晴らしき功績からそう思わざるを得なかった。

Profile

Branco Label (ブランコレーベル)。音楽好きで、主にsyrup16g、チャゲアス、尾崎豊、ラルク等のJロック/ポップを愛聴する傍ら、‘70年代の世界各地のロック/フォークの埋もれた名盤の探索を嗜む。特に南米とドイツ、日本国内の作品を好む。その趣味の延長で再発専門レーベル・ブランコレーベルを運営。国内外の埋もれた名盤を地道に再発し続ける。’20年には新進気鋭のインディーレーベル「レコードの目」との共著で『和ンダーグラウンドレコードガイドブック』という著書を上梓。
Branco Label
Our Covers #031 Branco Label

1an
Selected Cover Songs 2022 #41

1an

DJ
Title

Award Tour (We Gettin’ Down)

Artist
Soul Supreme
Original
A Tribe Called Quest – Award Tour

原曲の良さを引き立てるカバー曲を連発していたSSによる真骨頂。ドラマー、J-Zoneによるブレイクもタイト。DJ時に良くプレイしました。自分のミックスCDへの音源について相談に乗ってくれたのも嬉しかったです。

Profile

1an(ラン)。千葉柏のDopeイベント、〈SHEETS OF SOUND〉出身。ミックスではSureな2枚使い、スクラッチを披露する。近年は7インチDJにハマり中。2022年にはミックスCD『BEERSTORY2』『STRICTRY COVERS』を発表。また、スクラッチ界の伝説、D-STYLESに卓球で勝った事がある。
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showgunn
Selected Cover Songs 2022 #42

showgunn

MOUSOU PAGER
Title

Rock Steady

Artist
Jaribu Afrobeat Arkestra x Tina
Original
Aretha Franklin – Rock Steady

全く個人的な話ですが、今年になりようやくレコードを手軽に聴ける環境ができ、しばらく自分の生活になかった「シングル単位で音楽を聴く」という習慣ができとても楽しい一年でした。そんな中でこの曲はリリースされるのを楽しみに待って購入したという点でも思い入れの深い今年の曲になりました。めちゃくちゃかっこいいです。

Profile

1980年生まれ。MOUSOU PAGERというグループでラップを担当しています。たまにDJもします。お気軽にお誘いください。 MOUSOU PAGER 1stアルバム『BEYOND THE OLD SCIENCE』発売中!
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Our Covers #051 showgunn

大石始
Selected Cover Songs 2022 #43

大石始

ライター
Title

Artist
ALKDO
Original
鈴木常吉 – 石

2020年にこの世を去った鈴木常吉の名曲を、TURTLE ISLANDのメンバーによるトラッドパンクバンドがカヴァー。原曲の持つ切々とした情感はそのままに、よりダイナミックかつ村祭り調にリアレンジ。この曲が入ったALKDOの『自在遊睦時代到来』は2022年にリリースされたアルバムのなかでも印象深い作品でした。

Profile

文筆家。主な著作に「盆踊りの戦後史」(筑摩書房)、「奥東京人に会いに行く」(晶文社)、「ニッポンのマツリズム」(アルテスパブリッシング)、「ニッポン大音頭時代」(河出書房新社)など。最新刊は2022年11月の「南洋のソングライン 幻の屋久島古謡を追って」(キルティブックス)。現在の連載は雑誌「東京人」の「まちの記憶、音の風景」。
Our Covers #001 大石始

ミノワゲンタ
Selected Cover Songs 2022 #44

ミノワゲンタ

GLOCAL RECORDS
Title

Close to Me

Artist
Chico Mann
Original
The Cure – Close to Me

アフロビート・バンドAntibalasのギタリストMarcos “Marquitos” Garcia率いるChico MannがThe Cureの「Close to Me」をカバー。原曲のキャッチーさを残しながら、パーカッションも絡めたチープな打ち込みとシンセでラテンテイストにカバー!

Profile

2003年よりレーベル《RUDIMENTS》を始動。国内外で活動するアーティスト達の作品をリリース。2011年5月、原宿にレコード店《GLOCAL RECORDS》をオープン。ブレイクビーツ、テクノ、ハウス、レゲエ、ワールド、ジャズなどジャンルレスに幅広く取り扱う提案型スタイルのレコード・ショップを展開。
glocalrecords.com
Our Covers #045 ミノワゲンタ

德茂悠
Selected Cover Songs 2022 #45

德茂悠

Wool & The Pants
Title

White Sand

Artist
Dirty Beaches
Original
Xavier Cugat – Jungle Drums

ウォン・カーウァイ監督作『欲望の翼』のエンディング曲「Jungle Drums」をまんまサンプリングして鼻唄を乗せた、エキゾチックなロッカバラード。痺れます。

Profile

東京を拠点に活動する3人組バンド、Wool & The Pantsのボーカル / ギター。2019年にワシントンD.C.のレコードレーベル、PPU(Peoples Potential Unlimited)より『Wool In The Pool (12″)』をリリース。
Our Covers #024 德茂悠

NAKAM
Selected Cover Songs 2022 #46

NAKAM

FunTricks Records
Title

ゆめで逢いましょう

Artist
鶴岡龍
Original
asuka ando – ゆめで逢いましょう

とろけるようなボコーダー・ヴォイスが癖になり聴きまくった一曲です。今年はBARなどでDJする機会も増えて現場でもよくかけた一曲。asuka andoの「ゆめで逢いましょう」のムーディ~でロマンチックな極上カバー。

Profile

時代、カテゴリーに左右されないユニーク商品をレコードにまつわるetcでアレコレ、紹介しています。大阪中津のレコード屋です。
funtricksrecords.stores.jp
Our Covers #081 NAKAM

Chris Campbell
Selected Cover Songs 2022 #47

Chris Campbell

Pinoy Grooves
Title

Love on Your Mind ~Aloha Tropical Version~

Artist
Stardish feat. Uela
Original
Sharon Cuneta – Love on Your Mind

STARDISHは、@atsushi_sano@katokunnlee_の日本人デュオ。ピノイのシンガー、ウエラ(チリーティーズ)と組んで、ピノイのモダン・ソウルの素晴らしい一片を披露しています。1982年のアルバム『Sixteen』に収録されているシャロン・クネタの「Love on Your Mind」の素敵なヴァージョン。また彼らによるニュー・ミンストレルズ「Smile」のカバーも要チェックです。
Version (YouTube)
Original (YouTube)
stardishdrop (Instagram)
stardishTV (YouTube)
uela (Instagram)

STARDISH are Japanese Duo @atsushi_sano and @katokunnlee_. Here they team up with Pinay singer Uela (from the band Chillitees) for a superb slice of Pinoy Modern Soul. A lovely version of Sharon Cuneta’s “Love On Your Mind” originally from the 1982 album “Sixteen”. Also check out their cover of The New Minstrels “Smile”

Profile

フィリピンの音楽遺産を深く掘り下げるウェブサイト&レーベル《Pinoy Grooves (ピノイ・グルーヴス)》。主催者のChris Campbellは、《Worldwide FM》「Sonrisita’s Artform Radio」、《NTSラジオ》「Vex Ruffin’s Manila Times」、《Manila Community Radio》、《UNKNWN Manila podcast》、《SOASラジオ》の「Madera Verde」、《Totally Wired Radio》などにゲスト出演しているほか、《Soho Radio》の「Mono Loco Mixtape & The Night Jazz Flight」にもレギュラーで出演中。
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Chris Campbell (Pinoy Grooves) Interview
eyeshadow × Pinoy Grooves Covers Mix

NOOLIO
Selected Cover Songs 2022 #48

NOOLIO

ARRROUND Wicked Sound Maker
Title

These Eyes

Artist
Jackie Mittoo
Original
Guess Who – These Eyes

81年《BLACK ROOTS》と《ROUGH TRADE》の共同でリリースされた12インチ・オンリーのこの盤、実は持っていなかったのですが、まずYouTubeで聴きまくり、NM盤をdiscogsで入手してからは、DJでもたくさんプレイしたし、MIXCD『SIDE.C CLASSICS Vol.5』にも入れたし、海で山で車の中で、本当によく聴きました。Early 80sのゆったりタイトに締まったリディムとスペイシーなエフェクトにジャッキー節炸裂のオルガン…これは「Oboe」をも凌ぐジャッキーのベスト・チューンなんじゃないか!? と、この歳になって最高の曲(レコード)に出会えた喜びもあいまって、瞬く間に自分内殿堂入り。
そして、この曲がGUESS WHOのカヴァー曲で、ジャマイカではスタワンのALTON ELLISやROLAND ALPHONSOのインスト・テイクがあったり、あのU-ROY 「Tom Drunk」のリディムにも繋がるんですよね〜なんて #レゲエおじさん トークを、代田橋のスタンド喫茶でダニー・トレホ似のマスターとしたのも、2022年のささやかな良い思い出。

Profile

2018年に自身の新レーベル《ARRROUND Wicked Sound Maker》を始動。レゲエをベースに古今東西の音楽をMIX UP、時空を超えたロマンを街角で鳴らしてNICE MOOD創り。吉祥寺bar Cheekyでのレギュラーパーティー〈SIDE.C〉を主宰、レーベルからは自身の「SIDE.C Classics」シリーズを始め、ピーチ岩崎、Daddy-Kan、Ayu-Chan-Ching、EL-QUANGOのMIXCD、LP見開きジャケットサイズの木製フレーム〈AWSM Frame〉など様々なフォーマットでリリース。2021年には10inch Vinyl 「AMAI HIT KOUCHIE E.P」(KEN KEN, ICHIHASHI DUBWISE, asuka ando)をリリースし完売。asuka ando、DJサモハンキンポーとのオンラインラジオプログラム〈SEX ON THE RADIO〉も活発に配信中。
arrround.thebase.in
Our Covers #010 NOOLIO

小渕晃
Selected Cover Songs 2022 #49

小渕晃

ライター / エディター / 選曲家
Title

A Night in New York

Artist
土岐麻子
Original
Elbow Bones and the Racketeers – A Night in New York

今年も古今東西あまたのカヴァーを楽しみましたが、1曲となったらコレ。松原みき「真夜中のドア」を始めシティ・ポップな人気曲を数多く生んだソングライター / プロデューサーとして今また脚光を浴びる林哲司さん。その氏が、影響を受けた洋楽曲をセレクトしたコンピ『melody of memory – City Pop of Tetsuji Hayashi Selection』が昨年末に出ました。本編も当然いいのですが、ボートラとして新たに録音された、この「A Night in New York」のカヴァーが驚異的な仕上がりなのです。原曲はご存知、Elbow Bones and the Racketeersによるビッグ・バンド・ジャズ+ディスコな大人気曲にして、80年代前半の日本の歌謡曲にも大変な影響を与えたアンセム。それを船山基紀さんアレンジで、原曲に忠実にカヴァーしているのですが、いかなる魔法かこの国ならではのシティ・ポップ〜歌謡曲に聞こえてしまうのが本当にオドロキ。土岐さんの歌声も、そしてプロデューサー・林哲司さんの手腕もまさにマジカル! 最初思わず、10回ほど立て続けに聴きました。これ以上にハッピーなカヴァーを僕は知りません。

Profile

TOWER RECORDSアルバイト、当サイトの主に拾ってもらってのCISCO勤務を経て、月刊誌『bmr(ブラック・ミュージック・リヴュー)』編集〜編集長。現在はCity SoulとHIPHOP仕事など。編著書『シティ・ソウル ディスクガイド』『HIP HOP definitive 1974-2017』他。
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Our Covers #018 小渕晃
小渕晃 Interview

TOP DOCA
Selected Cover Songs 2022 #50

TOP DOCA

こだまレコード
Title

I Want to Dance

Artist
高津直由
Original
Milo and the Kings – I Want to Dance

2006年公開のドキュメンタリー映画、『Ruffn’ Tuff』の挿入曲でリリースが待望されていた名曲がついに出ました。Vo.はデタミ高津さんでバックはジャマイカのレジェンド達が布陣を固めるナイスカバーに仕上がっている。オリジナルはカリブ海で最も優れたバンドの1つとして認められている Milo and the Kings、Vo.は Rudolph “Diggie” Thomasで〈Road March〉を受賞している。このバンドの20周年を祝福したアルバム『March of the Continents』に収録されてるが中々な入手困難盤なので、今回のカバーリリースはとても喜ばしい。

Profile

1996年結成スカバンド、ミュールトレインのドラマー。現在は東京から静岡に移り同じくスカバンド、サイドバーンズのドラマーを兼任。〈スカシャッフル with Sound System〉を運営し、セレクターとしても地元富士市を中心に活動。
2015年《こだまレコード》を立ち上げ、ジャマイカンオールディーズを日本語でカバーをモットーに7インチ、12インチアルバムをリリース。またジャマイカ盤のカラーヴァイナル100枚を集めたレコード原寸大を掲載したビニ本の刊行や、スタワンディスコを意識した新レーベル”DISCO 45”を謳う《TOP DISCO RECORDS》も立ち上げる。
こだまレコード
Our Covers #065 TOP DOCA

Shoko & The Akilla
Selected Cover Songs 2022 #51

Shoko & The Akilla

ミュージシャン
Title

My Blue Heaven

Artist
Smashing Pumpkins
Original
Gene Austin – My Blue Heaven

師走の澄んだ青空の下で聴きたくなった。

※Shoko & The Akillaからのお知らせ
【リリース情報】
今年8月に先行配信リリースしたオリジナル曲「なつの夜風」と、Antonio Carlos Jobin作曲の「Desafinado」をカヴァーした2曲を7インチでリリース! 是非チェックお願いします!

Profile

2016年10月に結成した湘南出身のShoko(Vo)とAkilla(Gt)によるデュオ。それぞれが幼い頃から音楽好きな両親や兄妹の影響を受けて、ブルースやスカ、レゲエ、ソウルなどのブラックミュージックに親しむ。
2018年10月、初の音源となる2枚の7inch 、『Country Road』 と 『憧れの場所』 をリリースし、瞬く間に完売。2020年3月、自身のレーベル『PAPILLON』を立ち上げ、待望のオリジナル楽曲『側にいれば』を7inchと配信シングルとしてリリース。また2020年8月にはファーストアルバム『Shoko & The Akilla』をリリースし話題を呼んでいる。
これまで自分たちの耳で聴いてきた音楽をベースに、ジャンルという枠に縛られない音楽を作り続けている。
Our Covers #047 Shoko & The Akilla

長谷川正樹
Selected Cover Songs 2022 #52

長谷川正樹

VIEW / RECORD SHOP VIEW
Title

FUCK YOU

Artist
OCHA∞ME
Original
Lily Allen – Fuck You

DIVINEの常套句〈FUCK YOU VERY MUCH〉へのリスペクトも含む、歴史的アンチレイシズム・ソング。2022年はグラストンベリーのステージでもOLIVIA RODRIGOがLILY ALLEN本人を招いて披露し、改めて物議を醸したこの曲が日本でカヴァーされ7インチでカット。この曲に出会うこと、口ずさみ誰かと合唱すること、様々な場所で共有されることの意味。音楽を聴いて圧倒的な音像やソング・ライティング / アレンジ、表現スタイルに感動するのはもちろんだけれど、その先で自分の心に響くのはやはりメッセージ・ソングだなぁ、と。7インチの裏面が笠木忍「ハートがまっぷたつ」のカヴァーというのも痺れました。期待のレーベル《COMPLEX》から。

Profile

2020年にオープンしたオンライン・レコード・ショップ《RECORD SHOP VIEW》主宰。国内外の様々なレコード(記録媒体)を通じて、あらゆるVIEW(視点・視野・景色・考察)が広がる出逢い・発見・感動のきっかけを。ほぼ毎日、新入荷のレコードを更新中。
viewrecordshop.com
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Our Covers #079 長谷川正樹

イハラカンタロウ
Selected Cover Songs 2022 #53

イハラカンタロウ

ミュージシャン
Title

There’ll Never Be

Artist
The Isley Brothers (feat. El Debarge & Earth, Wind & Fire)
Original
Switch – There’ll Never Be

大好きなSwitchの名曲をアイズレー・ブラザーズがカバーして新譜へ収録、2022年の個人的大事件でした。アレンジは原曲に近い形でして、名曲は40年と経っても色褪せないことを改めて実感しました(原曲は1978年リリース)。
松尾潔さんがラジオ番組で仰っていましたが、Switchの楽曲には昨今のシティ・ポップに通ずるものがあると思います。こちらの楽曲含め、本当に色褪せない良い楽曲が多いのです。

※イハラカンタロウさんからのお知らせ
【リリース情報】
70年代からのソウル〜AORマナーを踏襲したメロウなフィーリングにグルーヴィーなサウンドで注目のイハラカンタロウ最新シングルは、煌びやかなメロディと爽やかなコーラスが心地良い極上フリーソウルナンバー!

Profile

1992年7月9日生まれ。埼玉県川越市出身。
作詞作曲からアレンジ、歌唱、演奏、ミックス、マスタリングまで手がけるミュージシャン。都内でのライヴ活動を中心にキャリアを積み2018年に1st EP『CORAL』を発表、聴き心地の良い歌声やメロディ、洗練されたアレンジやコードワークといったソングライティング能力の高さで徐々に注目を集めると、2020年4月に1stアルバム『C』、同年12月にはアルバムからの7インチシングル「gypsy/rhapsody」、そして2022年2月には最新7インチシングル「I Love You/You Are Right」をリリースし各方面から高い評価を受ける。またギタリスト、ミックス&マスタリングエンジニアなど他アーティストの作品への参加など幅広い活動を行なっている。
Our Covers #084 イハラカンタロウ

ワダマコト
Selected Cover Songs 2022 #54

ワダマコト

ギタリスト / シンガー
Title

Toma Cinco

Artist
Grupo Baquedanus
Original
Dave Brubeck Quartet – Take Five

《DISCOS PAPKIN》の雨宮くんが「《EL PALMAS》レーベルのヴェネズエラのリイシューが凄いです」と。勧められるままにフムフムと。なんとも一括りでは語れない、雑多で野卑な音が次々とリイシューされている。なかでも、コンピレーション『Color De Trópico Vol. 3』に収録されているGrupo Baquedanusの「Toma Cinco」は、今年何度も繰り返し聴いた一曲。「Take Five」のカヴァーなのだが凄まじい。ベースとエレピがユニゾンでリフを反復し、その上でサックスが吠える。熱を帯びてゆくにつれ、ブロウは歪みを増してゆく。ラテンでジャズでホンカーで…なんなら、ミーターズやネヴィル・ブラザーズと同じ景色まで連想してしまったですよ。
いやぁ、凄まじく濃厚。そして、ヴェネズエラの音楽シーンのミステリアスな魅力と魔力が自分の中で増してゆくのです。
YouTube

Profile

カリプソ狂。結成20年を迎えるライヴバンド、カセットコンロスを率いるギタリスト / シンガー。ソロ活動ではWADA MAMBO名義でもアルバムをリリース。ブルース~ジャンプ&ジャイヴ経由カリプソ。BLUES & SOUL誌の連載ほか、音楽についての執筆業も。妻x1、クロネコx1、シロネコx2、と共に暮らしています。
音楽活動のない日は、東横線の綱島駅と大倉山駅が最寄りの、音楽と雑貨の店ピカントにいます。
con-los.com
wadamambo.com
ppdp.jp
piquant.jp
Our Covers #043 ワダマコト
GUITAR GRILL

風祭堅太
Selected Cover Songs 2022 #55

風祭堅太

DJ
Title

Some Guys Have All the Luck

Artist
The Shakers
Original
The Persuaders – Some Guys Have All the Luck

買ってから随分経ってカバー曲だと知りました。最近またDJのとき良くかけてます。ロバート・パーマーやロッド・スチュワートなど様々なアーティストが演ってる様ですが、このバンドのバージョンが秀逸だと思います。

Profile

ここ最近では、ダウンテンポ〜エレクトロニカ〜ポストロックを中心にセレクトした『IDYILLCALLY RUSTIC MIX』、標高 高めのワールドミュージックをテーマとした 『ALTITUDE IMPROVING MIX』等のMIX作品や、オリジナル音源『MARGINAL COLLECTIVE E.P』、同シリーズの第三弾をリリース。ROJO REGALO『MOONLIGHTIST E.P』にREMIXを提供するなど制作活動も活発化。
Our Covers #017 風祭堅太

TORSO
Selected Cover Songs 2022 #56

TORSO

Husband and Wife
Title

Black Monk Theme, Part I

Artist
The Fall
Original
The Monks – I Hate You

The FallのMark E Smithが離婚したばかりの嫁(元メンバーBrix Smith)に向けてカバーしたらしい。オリジナルも超超最高! 大嫌いなアイツに捧げます!

Profile

GROUPのサックスプレーヤーとしての活動を主に、その他様々なバンドのサポートとして活動中のKENJI(Flute,Sax etc)とORIE(Cello,Voice,etc)の夫婦からなるユニットTORSO。 自主レーベルOZATO RECORD立ち上げと同時に、第一弾としてTORSOの1stアルバム『SetOut』を2019年9月10日にアナログでリリース。エンジニアにJoe Talia氏、マスタリングはLachlan Carrick氏、ジャケットのイラストレーションは中原昌也氏が手がける。
HP
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Bandcamp
Our Covers #041 TORSO

Hiroshi Iguchi
Selected Cover Songs 2022 #60

Hiroshi Iguchi

METAL CLUB
Title

Thousand Knives

Artist
Kolumbo
Original
坂本龍一 – 千のナイフ

坂本龍一のトリビュートアルバムに収録されたThundercatによるきめ細やかなファンクネスが話題でしたが、自分のプレイリストにはトロピカルなコチラが入っていました。省略されがちな毛沢東の詩の朗読部分こそ痺れる要素なのになぁと思いつつ、昼間にシャッフルで流れてくると嬉しい1曲。ベタに”The Beach Boys – Kokomo”のMVのようなシチュエーションや、トレーダーヴィックスでマイタイを飲みながら楽しみたいです♬

Profile

黒田大介(kickin)、D.L a.k.a. BOBO JAMES(Buddha Brand)、ロジャー・ヤマハ、近藤幸二郎(BLACK BELT JONES DC)、井口弘史を中心として2008年より不定期開催しているHeavy Metal Disco『METAL CLUB』。D.L亡き後も、準レギュラーとしてプレイしていた盟友クボタタケシが意思を継ぐカタチで参加している。
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Our Covers #034 Hiroshi Iguchi

ICHI-LOW
Selected Cover Songs 2022 #57

ICHI-LOW

Caribbean Dandy / A-KLASS RECORDINGS
Title

WONDERWALL

Artist
STICKO
Original
Oasis – Wonderwall

レーベル第一弾の曲なので言わずもがな一番聴いた。カバーやるならこれって決めてた曲だし、アーティストだし、アレンジだし、全ての想いと仲間の協力のおかげでリリースできた思い入れのあるカバー曲。

Profile

Selector / Producer / Label Founder。91年名古屋でキャリアスタート。翌92年上京。《DJ Bar Inkstick》で本格的にSelector活動を始める。その後、各地でレゲエを軸に自分の琴線に触れる音楽をPlay。 2001年〈Caribbean Dandy〉を結成。レゲエを中心としたカリブ海近郊のREBELMUSICにまつわる世界観を現代東京的に解釈しPlayする、ワンアンドオンリーなオリジナルトーキョーロッカーズスタイリー。〈FUJI ROCK FESTIVAL〉や〈Rototom Sunsplash〉にも出演。 最近は7inchレコードによるラウンジプレーに定評があり、各地でラウンジセレクションを披露している。2022年自身のレーベル《A-KLASS RECORDINGS》を立ち上げる。

松永良平
Selected Cover Songs 2022 #58

松永良平

ライター / 編集
Title

LOVE IN OUTER SPACE

Artist
YOSSY LITTLE NOISE WEAVER
Original
Sun Ra – Love in Outer Space

セカンド・アルバム『WOVEN』(2007)収録曲ですが、今年7インチ化されました(人気曲「SWEET NIGHT DEW」のカップリングで)。届いた夜に下北沢でのDJでかけて、宇宙的なエキゾチカとして素晴らしいなとあらためて感動しました。この7インチのセンターホールは絶対に宇宙につながってます。

Profile

1968年、熊本県生まれ。雑誌/ウェブを中心に記事執筆、インタビュー、CDライナーノーツ執筆など。著書『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』『20世紀グレーテスト・ヒッツ』、『コイズミシングル』(小泉今日子ベスト・アルバム『コイズミクロニクル』付属本)、編著『音楽マンガガイドブック』、翻訳書にテリー・サザーン『レッド・ダート・マリファナ』、ブライアン・ウィルソン『ブライアン・ウィルソン』自伝。編集担当書に朝妻一郎『ヒットこそすべて』、小野瀬雅生『小野瀬雅生のギタリスト大喰らい』、『ロック画報/カクバリズム特集号』など。
Our Covers #021 松永良平
松永良平 Interview

木暮晋也
Selected Cover Songs 2022 #59

木暮晋也

ヒックスヴィル / ギタリスト / ソングライター
Title

Yuki-ya-konko (2021 mix)

Artist
swing slowl
Original
尋常小学唱歌 – 雪

越美晴+細野晴臣。2人の音楽が見事に溶け合う唯一のアルバム『Swing Slow』に収録。ドリーミーでエキゾチックな風合い。雪が降ったら出かけよう。

Profile

WOW WOW HIPPIES、ROTEN HATSを経て1994年ヒックスヴィル結成。ギタリストとしてFISHMANS、オリジナル・ラブなどに参加。楽曲提供、プロデュースや舞台音楽なども手がける。最新作はインストによる木暮晋也バンドの1stアルバム『EZ LISTENING』。
木暮晋也 Web
ヒックスヴィル Web
Our Covers #071 木暮晋也

Tetsunori Tawaraya
Selected Cover Songs 2022 #61

Tetsunori Tawaraya

ミュージシャン / アーティスト
Title

I Can Tell

Artist
Dr. Feelgood
Original
Bo Diddley – I Can Tell

Wilko Johnsonの訃報が届いたのは今年であった。パンクバンドの中でもピックと同じくらい巧みに指弾きをするギターリストはそんなに多くない。自分の知る中ではDr. FeelgoodのWilko Johnsonか、FeederzのFrank Discussionくらいである。 Dr. FeelgoodよりもGang of Fourに先にハマった自分としては、ずっと謎だったAndy Gillの奇抜なギタープレイはWilko氏の直系であることを後から知る事となる。今年Wilko氏が亡くなってしまい、改めて映像を見返すと、いかに稀有な存在であったかがわかる。RIP。

Profile

俵谷 哲典はノイズパンクバンド2up(アップアップ)のギターリスト、ヴォーカリストとしても知られる日本人ミュージシャン、アーティストである。宮城県に生まれ、現在は東京都を拠点としている。90年代後半にカリフォルニア州サンディエゴにて人々やミュージシャンのポートレートを描き始め、意欲的にSF/実験的なグラフィックノベルを制作した。2upと並行して、2007年までサンディエゴを拠点としてバンドDmonstrations(デモンストレーションズ)の活動を行う。グロテスクかつ色彩豊かな世界観が世代を超えて評価されている。Colour Code、Hollow Press、Le Dernier Criからシルクスクリーンやリソグラフを用いて、アートブックが出版されている。その他、Brain Dead、Element、NTS Radio、RVCA、Volcomとのコラボレーションを発表するなど、多分野において活動している。
Our Covers #019 Tetsunori Tawaraya

Magictouch(DUPER GINGER)
Selected Cover Songs 2022 #62

Magictouch(DUPER GINGER)

レコード愛好家 / DJ
Title

シャイニングスター

Artist
竹渕慶
Original
魔王魂&森田交一 – シャイニングスター

今年も和モノのレコードを沢山買い沢山聞きましたが、実際何を一番聴いたのかと言われればこれ。2017年にリリースされた原曲は、無料DL且つ無料で様々な用途に使用できる楽曲という背景もあり数々のYouTuberたちがBGMに使用。YouTube育ちの我が子たちが大好きな曲なのはもちろん、一緒に聴いている親も好きになる典型的パターンによって私のフェイバリットにもなっていた訳です。 そんな「シャイニングスター」を、歌ってみたYouTuberの元祖Goose Houseの竹渕慶さんが今年の1月に自身のチャンネルでカバー。原曲のキラキラJ-POP感とはまた一味違う暖かみのあるアコースティック・アレンジでメロウにカバーしており作業用BGMとして随分重宝させて頂きました。これ、もっとピッチ落としてヒップホップやR&Bのアレンジにしたらすごい良いじゃないかと思うんですよね。誰か是非お願いします。

Profile

1978年生まれ。CD / レコード・ショップ勤務を経て現在は某ミュージシャンの会社に所属。暇さえあれば大小様々のリユースショップでレコードをディグ。ときに解体屋から廃品回収の方々ともレコードの為に密接にお付き合い。今の所は趣味の範囲。和モノのブレイクを多数サンプリングしてメガミックスした『KYOSOKU』シリーズが成果物。ディグしたレコードはその都度Instagramに掲載中。
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Our Covers #072 Magictouch(DUPER GINGER)

MACKA-CHIN
Selected Cover Songs 2022 #63

MACKA-CHIN

MC / プロデューサー / DJ / ビジュアルクリエイター
Title

JUST THE TWO OF US

Artist
FANFARE CIOCARLIA
Original
Grover Washington, Jr. and Bill Withers – Just the Two of Us

クンビア、モーラムなどワールドミュージックが世界で盛り上がる中 バルカンものも物凄く盛り上がりを見せてるけどその立役者的なFANFARE CIOCARTLIAのナイスカバー ほとんどがあまぁ〜いカバーでくるこの楽曲がバルカンブラスでめっちゃアッパーになっちゃって踊れちゃう弾けちゃう歌えちゃうの三拍子揃ってます クラブも元気を取り戻してる中アッパーチューンは必然ですかね!サイコー

Profile

東京都足立区出身。ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンドのメンバーとして活動し、ラッパーとしてはもちろん、アーティストへの楽曲プロデュースやトラック制作などもこなすアウトプット・ディレクター。ソロ活動ではトラックからラップまで全て1人で創るスタイルでジャンルの壁を越え、ヒップホップにとどまらず他のジャンル界からも話題になる作品を発表し続けている。2018年からはTOKYO FMにて音楽番組《KING OF DIGGIN’》のパーソナリティも務めるなど、色んな意味で目が離せないMCであり、プロデューサーであり、DJであり、ビジュアルクリエイターである。
MACKA-CHIN Interview
MACKA-CHINの「黄昏のビギン」裏話

伊藤一樹
Selected Cover Songs 2022 #64

伊藤一樹

演芸&レコード愛好家
Title

恋のホワン・ホワン

Artist
三遊亭円丈
Original
Nick Lowe – Cruel to Be Kind

2019年より準備を進めてきた『円丈落語全集3』。残念ながら志半ば、円丈師匠は2021年に亡くなられてしまった。しかし2022年、ご遺族の方などの協力を得て、遂に刊行できました。小売業一日八時間労働の合間での編集作業で頭と体はホワンホワン。だけど刷り上がった完成品を見たら嬉しくてハートがホワン。やっぱり円丈師匠は歌声より作品が素敵。君にはお手上げ!

Profile

1985年東京都東村山市出身。演芸&レコード愛好家。ジャズ・ギタリストを志し音大へ進学も、練習不足により挫折。その後、書店勤務を経て、現在はディスクユニオンにて勤務。出身地の影響からか、ドリフで笑いに目覚める。月数回の寄席通いとレコード購入が休日の楽しみ。演芸レコードの魅力を伝えるべく、2019年12月に『落語レコードの世界 ジャケットで楽しむ寄席演芸』(DU BOOKS)を刊行。
Twitter
Our Covers #029 伊藤一樹
レコード盤★盤

NTsKi
Selected Cover Songs 2022 #65

NTsKi

SSW / プロデューサー
Title

Merry Christmas Mr. Lawrence

Artist
Holly Waxwing
Original
坂本龍一 – メリー・クリスマス ミスターローレンス

Holly Waxwingが2015年にLAのレーベル《CASCINE》からリリースしたEP『Peach Winks』をSoundcloudで見つけて以来、彼の大ファンです。そのHolly Waxwingが、ピアノソロコンサート「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022」を行ったのも記憶に新しい坂本龍一のカヴァーをロンドンのレーベル《PC Music》からリリースすることに(驚き)。「Merry Christmas Mr. Lawrence」はさまざまなアーティストによってカヴァーされている曲ですが、Holly Waxwingはどういう風にカヴァーするのだろうとリリース前からどきどき。オリジナルの雰囲気を保ちつつも、Holly Waxwingらしい妖精が舞い降りてきたかのような心地の良い「Merry Christmas Mr. Lawrence」でした。クリスマスはこれを聴いて過ごしたいと思います。

Profile

京都出身のアーティスト、ミュージシャン。イギリス在住時に音楽制作を始め、帰国後2017年から本格的に活動を開始。優しくもどこか不気味さの漂うボーカルと多様な音楽性が混在するトラックを制作しシームレスに活動。自身の楽曲のアートワークやMVにおけるスタイリング、ディレクション、編集までを自ら担当するだけでなく、展示では空間演出やBGM制作も手がける。2021年には《美術手帖》が選ぶ2020年代を切り開くニューカマー・アーティストに選出された。国内外の著名アーティストからの注目度も高く、《EM Records》からリリースした7FOとのコラボ楽曲が坂本慎太郎の選ぶ年間ベストに選出されたほか、セルフ・プロデュース作以外では、Giant Claw、CVN、食品まつり a.k.a foodman、田我流やKMなどの作品に参加、《TAR》や《Orange Milk》を含む海外レーベルからもリリースがある。その他に、落合陽一氏が統括ディレクターを務めSXSW2019に出展した経済産業省主催日本館や、ヴァーチャル・シンガーte’resa、オーストラリアのバッグ・ブランドへの楽曲提供などがある。2021年8月6日、デビュー・アルバム『Orca』を米オハイオのレーベル《Orange Milk》/《EM Records》よりリリースし、BandcampのAlbum Of The Dayに選出されたほか、Apple Music Japanのエレクトロニック・アルバム・チャートにて3位を記録するなど好評を得る。
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Our Covers #038 NTsKi

Seki Takashi
Selected Cover Songs 2022 #66

Seki Takashi

作曲家
Title

One for My Baby (One for the Road)

Artist
the seaman and the tattered sail
Original
Harold Arlen / Johnny Mercer – One For My Baby (And One More for the Road)

作詞Johnny Mercer、作曲Harold Arlenによる映画『青空に踊る』のために書かれた曲。劇中ではFred Astaireが歌っているが、Frank Sinatraが歌っていることが有名な曲です。普段はアンビエント作品をリリースしているBill SeamanとCraig Tatteresallによるカヴァーとなってます。
今作はポップソングをコンセプトとしたアルバムとなっており、Disc1には様々なポップソングの断片を用いた長尺なアンビエントトラックが収録され、Disc2にはボーカルをのせたカヴァーが収録されてます。ボーカルはBill Seaman自身が務め、初の歌唱した作品です。トラックはいつもの2人の作品のようにテープの回転を遅くしたようなドローン調のシンセ、ストリングス、ギター、ピアノが入ってくるアンビエントなトラックになってます。そこに渋いBill Seamanのボーカルがのっかり秀逸なカヴァーとなってます。
bandcamp

Profile

1990年生まれ。作曲家。東京都を拠点に活動。《ACR》《Onmyodo Casette》《taalem》《MiMi Records》など様々なレーベルから作品をリリース。「Pitchfork」「Tiny Mix Tapes」などで取り上げられる。《Lontano Series(ROHS!)》から2019年『Faded Clothes』、2021年『Olfactus』をリリース。
tumblr

マイケルJフォクス
Selected Cover Songs 2022 #67

マイケルJフォクス

DJ
Title

Don’t Be Afraid

Artist
East Coast Love Affair
Original
Sky’s the Limit – Don’t Be Afraid

「今年一番聴いていたよ」と、先日Spotifyが教えてくれました。ATHENS OF THE NORTHのハウスバンド、 EAST COAST LOVE AFFAIRによるカヴァーシリーズの第一弾シングル。2020年のリリースでしたが今年どこかで耳にして7inchを探して買いました。原曲については全然知りませんでしたが、スぺイシーでサイケデリックな空気感と、陶酔感高めのグルーヴは大きい音で鳴らすといい具合です。

Profile

グルーヴミュージックをテーマとした渋谷OTO「Night Rhythm 」、オールラウンド日本語音源パーティー渋谷東間屋「EACH TIME」、クボタタケシとのツーマンで毎月開催している渋谷オルガンバー「number」など都内を中心に活動。
SoundCloud
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カントリー田村
Selected Cover Songs 2022 #68

カントリー田村

DJ
Title

Absurda Confidencia

Artist
Carlos Eduardo
Original
Wham! – Careless Whisper

西城秀樹は「抱きしめてジルバ」、郷ひろみは原曲カタカナ表記の「ケアレスウィスパー」。ヤングマンとゴールドフィンガーなお二人がそれぞれ詞を変えて同時代にカバーしちゃう程の哀愁と情熱を更に燃やしたロマンティックサルサカバー! ジャケの雰囲気のみで試聴し、イントロの瞬間思わずガッツポーズしてしまった事、忘れません。
他の曲が気になりアーティスト名で検索するも、出てくるのはサッカー選手のみ。でした。
YouTube

Profile

都内でイロモノ選曲活動やってます!

JAM
Selected Cover Songs 2022 #69

JAM

音楽ライター / DJ / レコード会社A&R
Title

One in a Million

Artist
The Independent Movement
Original
George Chandler – One in a Million

シカゴ直送のモダン・ソウルの名盤として名高いインデペンデント・ムーヴメント78年のアルバム『Slippin’ Away』は実のところレパートリーの殆どはイギリスの作家によるもので、中でもアルバムの白眉とされるこの曲はアトランタ生まれながらイタリア~UKでキャリアを重ねたジョージ・チャンドラーがオリジナル。一つも珍しくないのに長らく出会えなかったそんな彼のシングルを手に入れられたのは自分ごととして今年最大のトピックでした。

Profile

一時たりとも浮気もせず、横目も振らず、ヴァイナルを愛好しておよそ45年、これまでもこれからもブラック・ミュージック一筋な音楽ライター/DJ/レコード会社A&R。著書『Chasin’ The 80s Classics』《スペースシャワー・ブックス》。
Our Covers #033 JAM

asuka ando
Selected Cover Songs 2022 #70

asuka ando

Lovers Rock Reggae Singer
Title

Should I Take You Home

Artist
Bobby Oroza
Original
Sunny & the Sunliners – Should I Take You Home

来日公演にて、Bobbyとご一緒できた2022年。音源ではもちろん、最前列で目をハートにしたギャル達に紛れて聴くことができて幸せでした!

Profile

メロウすぎるにもほどがある© Lovers Rock Reggae Singer。
これまでのリリースはオリジナル・ソロ・アルバム2枚、『mellowmoood』(2015年)『あまいひとくち』(2018年)の他、さまざまなアーティストからラヴ・コールを受けコラボ & 客演の7インチなどなど。2023年にはようやく3rdアルバムがリリースされそう!
Linkfly
Our Covers #016 asuka ando

荏開津広
Selected Cover Songs 2022 #71

荏開津広

執筆 / DJ
Title

ジャージのチョージ

Artist
Narisk & Chouji
Original
??? – ???

音楽で伝えたいことは究極的には一言、I LOVE YOUである、というような古典的なものの言い方は大変説得力がありますが、21世紀はそういう言い方がいかに一面的かということが露わにされた時代かと思います。親しい、もしくは本当に気心が通じていると思っている人間同士でも、あることがきっかけにまったくコミュニケーションが不可能になってしまう、そういう事態がいつでもどこでもありうるのだということ。そもそも分かり合えるとは…そういう時代に、ますますレゲエやクンビアやヒップホップのような音楽の役割が重要になっていくと感じます。オリジナルは内緒で。でも、eyeshadowのファンの方ならわかると思います。
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執筆 / DJ / 京都精華大学、立教大学非常勤講師。ポンピドゥー・センター発の実験映像祭オールピスト京都ディレクター 。東京の黎明期のクラブ、「P.PICASSO」「ZOO」「MIX」「YELLOW」などでレジデントDJを、以後主にストリート・カルチャーの領域で国内外にて活動。翻訳『ヤーディ』、共訳書に『サウンド・アート』(《フィルムアート社》、2010年)。初期の日本のヒップホップについての単行本『東京ブロンクスHIPHOP』執筆中。
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