上西暢
Our Covers #077

上西暢

ciruelo records

2021年から奈良でシルエロレコードというオンライン・レコード・ショップをしています。特にジャンル・年代関係なく個人的に好きなカバーを選びました。サイトではこういう感じのレコードを扱ってますので、もしなにか引っかかるものがあれば是非一度覗いてみてください。

Indian War Whoop
Title

Indian War Whoop

Artist
The Holy Modal Rounders
Original
Hoyt "Floyd" Ming and His Pep-Steppers - Indian War Whoop
USサイケ / ストレンジ・フォークの代名詞的デュオ、ホーリー・モーダル・ラウンダーズの67年サード・アルバムに収録された、1928年録音のフォーク / カントリー作品、ホイト・ミン「Indian War Whoop」のカバー。アメリカの奇人ハリー・スミス編集の名コンピ『Anthology Of American Folk Music Vol.2』にも収められた原曲もかなりミニマルでトリッピーですが、このカバーで聴けるLSDの影響によって拡大解釈した演奏はもはや笑えるほどにブッ飛んでおり完全にアッチの世界に行っちゃってます。
Tennessee Waltz
Title

Tennessee Waltz

Artist
秋本奈緒美
Original
Pee Wee King - Tennessee Waltz
元ジャズ・シンガーで女優・タレントの秋本奈緒美の82年作『One Night Stand』に収録された、パティ・ペイジで有名なカントリー・ソング「Tennessee Waltz」のカバー。現在世界的に再評価著しい清水靖晃、濱瀬元彦、オノ・セイゲン、笹路正徳などの先鋭的なメンツが関わっていれば普通になるわけもなく、一音ずつズタズタに切り刻んであとから張り付けたような秋本奈緒美のヴォーカルや実験的でバレアリックなトラックなど、マッドで緻密なアレンジに仕上がってます。
Love Me Tender
Title

Love Me Tender

Artist
Arthur Nakane
Original
Elvis Presley - Love Me Tender
ロサンゼルスを拠点に近年も精力的に活動している日系アメリカ人ミュージシャン、アーサー・ナカネの81年自主製作盤に収録されたエルヴィス・プレスリー「Love Me Tender」のカバー。リズム・ボックスやシンセサイザー、空間系エフェクトを多用したギターなどの多重録音によって完全に個人の宇宙を創り出していて、米再発名門レーベル《NUMERO》から2012年にリリースされたリズム・ボックス・オブスキュア・ソウルのコンピ『Personal Space』なんかが好きな人はドツボだと思います。この自主盤特有の誰に向けるわけでもなくただただ自分のために音楽を演奏してる感じがたまりません。
Donovan's Colours
Title

Donovan's Colours

Artist
Van Dyke Parks
Original
Donovan - Colours
ブライアン・ウィルソンの盟友で細野晴臣にも絶大な影響を与えた音の魔術師ヴァン・ダイク・パークスが67年にリリースした奇跡の1stアルバム『Song Cycle』に収録されている、UKのSSWドノヴァンの名曲のインスト・カバー。ドラッギーなほどに桃源郷的な響きのアレンジはあまりにも危険で魅力的! 一度ハマると帰ってこれなくなること必至です。
Hey Jude
Title

Hey Jude

Artist
Don Ellis
Original
The Beatles - Hey Jude
〈変拍子狂い〉として知られるジャズ・トランペッター / コンダクター、ドン・エリスの1970年夏に行ったフィルモア・ウエストでの狂熱のライブ盤に収められたビートルズ「Hey Jude」。3分に渡る奇っ怪な音色にエフェクトされたアヴァンなトランペット・ソロのイントロからサイケデリックなビッグ・バンドの中盤を経てラストにはきっちり変拍子もぶち込んでくるドン・エリスの本領が発揮された最高の奇天烈カバーです。
Loving You
Title

Loving You

Artist
Roland Kirk
Original
Minnie Riperton - Lovin' You
ミニー・リパートンのメロウ最高峰名曲を盲目の奇才ジャズ・ミュージシャン、ローランド・カークがカバーした75年作。エレピがたゆたい鳥のさえずりも聴こえる原曲にふさわしい穏やかなアレンジのなか、サビで聴けるカークならではのフルートを吹きながら歌う、歌と楽器演奏の境目があいまいになる瞬間の素晴らしさに涙腺崩壊します。個人的には今際の際に聴きたい一曲。
Dream Baby Dream
Title

Dream Baby Dream

Artist
Sam Gendel
Original
Suicide - Dream Baby Dream
実はエルヴィス・プレスリーとほぼ同世代といえる1938年生まれのアラン・ヴェガとマーティン・レヴによるNYのノーウェイヴ・ユニット、スーサイドの79年にリリースされた名曲を、そのエフェクトがかった独特の音色のサックスで知られ様々なジャンルを横断しながら活動する現代最重要ミュージシャンの一人と言ってもいいサム・ゲンデルがカバーした2020年作の7インチ・オンリー盤。あの濃密な狂気に満ちた楽曲を完全に自分の世界にしているのはさすがとしかいいようがないです。これからの作品も本当に楽しみです。
Do Wah Diddy Diddy
Title

Do Wah Diddy Diddy

Artist
King Uszniewicz
Original
Manfred Mann - Do Wah Diddy Diddy
タモリ倶楽部の「勝ち抜き歌ヘタ合戦」でも取り上げられたアウトサイダー・ロックン・ローラー、キング・ユスネビッチによるマンフレッド・マン「Do Wah Diddy Diddy」カバー。ズレズレのキング・ユスネビッチのヴォーカルとサックス、グチャグチャのバックの演奏・コーラスが混沌を生み出す、ある意味フリージャズ越えの破壊力を持った天然アヴァンギャルドなフリーク・トラッシュ・ロックンロール。サイコーです。
Speeding Morcycle
Title

Speeding Morcycle

Artist
Yo La Tengo
Original
Daniel Johnston - Speeding Morcycle
USインディー・ロックの良心ヨ・ラ・テンゴが1990年にリリースした4枚目のアルバム『Fakebook』に収録された、アメリカが生んだ奇跡のシンガー・ソング・ライター、ダニエル・ジョンストンの超名曲「Speeding Morcycle」のカバー。ダニエル・ジョンストンの少年のようなピュアさ無邪気さゆえに歌・演奏・録音ともかなりローファイな原曲からメロディの良さをストレートに引き出したシンプルで綺麗なアレンジが素晴らしいです。世の中にこの曲の良さを知ってもらおうという思いが感じられる、原曲に対する愛と優しさに溢れた最高のカバー。泣ける!
Trois Gymnopédies
Title

Trois Gymnopédies

Artist
Erik Satie, Reinbert de Leeuw
Original
Erik Satie - First Gymnopédie
クラシック音楽の演奏を普通カバーとは言いませんが、その曲をどう解釈するかということではカバーと一緒? ということでこちらを。オランダの奇才ピアニスト、ラインハルト・デ・レーウが76年に録音したエリック・サティ集『Early Pianoworks, Volume Two』に収録の「ジムノペディ」。世の中にある数多のサティ作品とは明らかに異質な、エリック・サティのアンビエント性を最大限に引き出した一音一音が長い余韻を伴うデ・レーウのゆったりとした演奏が本当に素晴らしく、スピーカーで大きい音で聴くと甘美で柔らかな音色のピアノが空間に溶けていく至福の時間が味わえます。「ジムノペディ」のフェイバリットに挙げる人も多い名演中の名演。
Profile

2021年にオープンした奈良のオンライン・レコード・ショップ。アヴァンギャルドなものからメロウな音楽までジャンルレスにレコード扱っています。
ciruelorecords.com

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