Sanshiro
Our Covers #091

Sanshiro

DJ / レコードキュレーター

『ポスト ハウス・ミュージック ディスクガイド』というハウス、クラブ・ミュージック視点で世界の音楽を紹介する書籍を2021年にDU BOOKSさんよりリリースしています。今回はその延長線の気分で選びました。

Zombie
Title

Zombie

Artist
Art Ensemble of Chicago
Original
Fela and Afrika 70 - Zombie
シカゴのアヴァン〜フリージャズグループにディスクユニオンのオフィシャルレーベル《DIW》が依頼したグループ初のカヴァーアルバムで、ニューヨークで録音したもの。オリジナルにこだわりカヴァー曲をやってこなかった彼らが、この企画以来、彼ら自身がシリーズ化したいと申し出たそう。「Zombie」はもちろんフェラ・クティのカヴァーで、原曲を意識しながら疾走する、サン・ラでもなく、彼ら独自のスペイシー感を漂わせる世界観でビックリ。イントロのベースからJazz DJが握りこぶしを縦に振る仕草が想像できる。
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Sweetest Taboo (Soca)
Title

Sweetest Taboo (Soca)

Artist
Rebles
Original
Sade - The Sweetest Taboo
ミッドテンポで軽快なドラミングが特徴的なSadeのヒット曲が、陽気で海が似合うカリブ音楽のグループReblesがカヴァー。ソカに見られる特徴的なスネアドラムや、金属音のような打楽器が独特なシンコペーションでソカらしいリズムを構築し、その上に切なく浮遊するストリングスが印象的なイントロ、愛くるしい男性ボーカルの声色がマッチした原曲から多くの進化を遂げたカリビアンディスコとして世界のDJやマニアに人気がある。結果、レコードが原盤は手がつけられないほど高騰してしまい、パンデミック前の2019年に再発された。Spotifyでも聴けるので是非!
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Love Hour
Title

Love Hour

Artist
Oval
Original
Phuture - Acid Tracks
91年〜93年までの2年間のみ活動したUKの3人組シンセ・ポップグループ。その期間に2枚のシングルをリリースしている。本作はセカンドシングルで「Love Hour」はアシッドハウス・クラシックスの中でも最も代表曲とも言えるPhuture「Acid Tracks」の激しいアシッドベースを用いたトラックの上に〈カヴァー〉するように、あどけない彼女たちのボーカルワークや拙いピアノを被せたもの。この奇跡のカヴァーはサンプラー使いのメンバー、Robin Turnerによるもの。
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Adult Education
Title

Adult Education

Artist
Chris Jones
Original
Daryl Hall & John Oates - Adult Education
女優、モデル、歌手と、強烈なビジュアルと才能で個性を放つグレイス・ジョーンズ。本作品は彼女の弟、クリス・ジョーンズの作品で、イスラエルのミュージシャンと現地で残したHall & Oatesの名曲「Adult Education」をカヴァーしたもの。それだけでもツッコミどころ満載だが、ポップな原曲とは違い、ダビーな匂いが立ち込めるディレイ使いが効いたシンセウェーヴで、DJ目線でミッドテンポなダンストラックとして使えるアイテム。本作はイスラエル当時の原盤でしか聴くことができない。
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Eye of the Tiger
Title

Eye of the Tiger

Artist
Perry & Lisa
Original
Survivor - Eye of the Tiger
アメリカのPerry KampとLisa Deannという謎のデュオが1983年に残したカヴァー集。J.J. Caleの「Cocaine」のカヴァー等も含めて、チープなリズムボックスが特徴的な作品で、ロッキーのテーマで有名なSurvivor「Eye of the Tiger」もカヴァーしている。イントロのタメもなく淡々とクラビネットとリズムボックスにシンディー・ローパー似の声が特徴のLisaのボーカルが明らかに浮いていて、その滑稽さがクセになる。
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Let It Be Me
Title

Let It Be Me

Artist
James Brown and Lyn Collins
Original
Gilbert Bécaud - Let It Be Me
多くの女性ボーカルとデュエットしたファンキー大統領、ジェームス・ブラウン。そのデュエット作品をまとめたものがPolydor系列のUrbanから『Duets』として89年にリリースされている。おすすめはリン・コリンズと歌った「Let It Be Me」。彼はヴィッキー・アンダーソンともこの曲を歌っているが、本作が全く違うのはラテンリズムでカヴァーしている点。二人の圧倒的な歌唱力で掛け合う世界観が涙なしに聴かずにはいられない! 昔、血眼になって探したのにSpotifyで聴けちゃうなんてなんていい時代! DJには『Duets』のサンプラー12"盤がリリースされており音質含めておすすめ。
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りんご追分 (Ringo Oiwake Mandarin Version)
Title

りんご追分 (Ringo Oiwake Mandarin Version)

Artist
珊蒂鈴木
Original
美空ひばり - りんご追分
歌唱も演奏も本当に素晴らしい昭和の大名曲を、サンディー鈴木がカヴァーしたもの。本作は台湾で残した作品で、久保田麻琴、シンガポールのコンポーザーDick Leeがプロデュースしている。「Ringo Oiwake Mandarin Version」としてトロピカルなキーボードワークと90'sフレーバーなキックに彼女の現地語で歌われるボーカル、ラップ、そして子どもたちの声がアフリカ音楽に聴こえるトロピカル・ハウスミュージックに仕上がっている。クラブ映えもバッチリ。
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La Colegiala
Title

La Colegiala

Artist
Los Mamberos
Original
Rodolfo Y Su Tipica - La Colegiala
コロンビア共和国の伝統音楽であり、Walter Leon Aguilar作クラシッククンビアの名曲、「La Colegiala」を謎の3人組がカヴァー。フランス産だが、メンバーの一人José Martiは南米出身Los Calchakisというグループのメンバーでラテン音楽の名手。原曲はコーヒーに合うということで世界的に有名になったはずだが、このカヴァーはメロディーは同じなのに、ダークなクラブとテキーラのショットが似合うキラーエレクトロニクスクンビア。
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At Last I Am Free
Title

At Last I Am Free

Artist
Robert Wyatt
Original
Chic - At Last I Am Free
あの坂本龍一が〈世界一悲しい声を持つ男〉と評した、ブリストル出身で60年代にSoft Machineを結成し多くのファンを持ったRobert Wyattが、ナイル・ロジャースが手掛けたディスコグループのChicのバラード名曲をカヴァー。Chicのオリジナルは当時ディスコのチークタイムで失恋ソングとして使われたりしたそうだが、Robert Wyattが歌うと彼自身の精神世界の歌詞のように聞こえ、全く違う曲にも聴こえてくる。涙を誘う名曲!
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Loving You
Title

Loving You

Artist
Stephen Colebrooke
Original
Stephen Colebrooke - Loving You
西インド諸島のバハマ共和国で多くのアワードを飾ったレジェンドFrank Pennと共に活動したとされるマルチミュージシャンStephen Colebrooke。その彼の作品は再発レーベルNumero Groupが7インチシングルで再発。また、オンライン限定で生演奏が素晴らしい今回の原曲「Loving You」も公開されている。今回紹介したいのは、知人がバハマに旅行にでかけた際に見つけた、複数のシンセサイザーを多重録音した80'sなシンセディスコにアレンジしたセルフカヴァー集で、レコードのデータベースDiscogsにも公開されていない(同じジャケットのものが存在するが中身が違う)度肝を抜く全く新しいシンセディスコ。
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Profile

『ポスト ハウス・ミュージック ディスクガイド』著者。まだ音楽のWebページがほとんどなかった2005年からレコード等を紹介するブログ《Deep Dance Music Page》を書き続けている。世界中の音楽をクラブ・ミュージック視点で、ハウスのようにミックスする世界観を創るべく継続中。DJ24年目。2018年はヨーロッパツアー、2021年はFFKT出演。UK、ドイツ、フランス、オーストラリア等やNTSチャンネル等、海外のレーベルにミックスを提供しておりSoundCloudで公開されている。普段はIT業界で働く一児の父。
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