NOR-1
Our Covers #014

NOR-1

DJ / 編集者

世界的ブームを経て「掘り尽くされた」とも言われるシティポップ/和モノですが、以下に挙げたシティポップ他の素敵なカバーで反論します。TKと渋谷系に覆われて見えづらい、80年代の延長としての90年代国産音源、的セレクト。結果、ほとんどCDになりました。レコードしか聴かない方は、こちらへ。

我的愛人(Plastic Love)
Title

我的愛人(Plastic Love)

Artist
梅艶芳(Anita Mui)
Original
竹内まりや - Plastic Love
Release 1991。シティポップ世界的流行の象徴となったこの曲、竹内まりやが自宅ダイニングで文字通り“上手に打ち込んだ”16ビートがシティポップの象徴になる、ということ自体、ブギーを通過した今回のブームを象徴している気がします。カバー多すぎでもはやお腹いっぱい感もありますが、こちらは香港の女優/歌手による北京語ヴァージョン。テンポはより遅く歌の情緒も深め、ストリングスも盛られたクワイエットストーム感すら漂う好カバー。
いきなり国産じゃなくてすいません。
Down Town
Title

Down Town

Artist
ザ・キングトーンズ
Original
Sugar Babe - Down Town
Release 1995。元はキングトーンズが若手の曲を歌うという企画盤のために山下達郎と伊藤銀次がさくっと作った曲。企画自体が無くなり自分たちで演った結果、シティポップを代表するアンセムになってしまった。20年後に実現したこの録音を聴くと、この曲にも別の歴史があったのかもなー、と考えてしまったりします。リズムボックスにカッティングギターというアレンジは、おそらくリトル・ビーバーあたりが参照元。レイドバックした良いバージョンです。
BOMBER
Title

BOMBER

Artist
少年隊
Original
山下達郎 - BOMBER
Release 1990。「短冊」とも呼ばれる8cmシングルCD。横に2枚並べると7インチ盤とほぼ同サイズ、というあたりも几帳面な、日本独自のフォーマットです。達郎ブレイクのきっかけとなったディスコブギーが、船山基紀先生の手で当時の最新モードにアレンジされています。
少年隊は楽曲とダンスにおいて80sジャニーズグループの一つの完成形ではないかと考えてますが、’90年に両面山下達郎曲のシングルを出すというのが、攻めてるというか痛快。
Merry Go Round
Title

Merry Go Round

Artist
Philip Baily
Original
山下達郎 - Merry Go Round
Release 1991。サザンなどドメスティックな曲を海外アーチストが英語でカバーする、という企画がバブル期には多くありました。そんな一枚『Tatsuro Songs From L.A.2』から、なんとフィリップ・ベイリーが歌うこの曲を。原曲は伊藤広規&青山純が凄すぎる達郎屈指のヘビーファンク~ブギーですが、ガラッと変わって四つ打ち、ハウスです。正直、一時期のボサノバカバーくらいアレなものが多いこの手の企画ですが、少女隊、KANなどを手がけた小林信吾によるチャレンジングな逸品。
Ride On Time
Title

Ride On Time

Artist
五木ひろし
Original
山下達郎 - Ride On Time
Release 2010。上とは真逆のアプローチと言っていいでしょう。達郎本人の歌唱も年齢につれコブシが増してますが、本職によるダシの効いた歌唱はまた格別。とはいえ軽妙さが持ち味の方でもあるので「北酒場」や、たとえば「冬のリビエラ」と並べてもしっくりくるポップス演歌に仕上がってます。この手の曲で大事なのは、最初は爆笑しながらも、聴いているうちに「やっぱいい曲」と思わせてしまう力を内包しているかどうか。その意味でこの曲も「本物」です。
A Night To Remember (Into The Night Mix)
Title

A Night To Remember (Into The Night Mix)

Artist
田原俊彦
Original
Shalamar - A Night To Remember
Release 1997。グループとしてのジャニーズ完成形が少年隊なら、ソロ完成形はやはりトシちゃんでしょう。レイフ・ギャレットの「NEW YORK CITY NIGHTS」カバーを提案したり、久保田利伸に直談判して「It’s BAD」をもらったりと(いずれも本人談)、ダンスも込みで自分に合う曲がわかっている彼なので、この曲も本人セレクトという希望的推測です。ちょっと「抱きしめてTONIGHT」も彷彿とさせる、ユーロ風味な好カバー、ラップも入るこちらのリミックスが光る短冊です。
Destiny
Title

Destiny

Artist
Cindy
Original
中山美穂 - Destiny
Release 1990。ニュージャックスウィングを完全に消化した傑作。原曲なに? と思われるかもですが、中山美穂89年の『Hide’n’Seek』収録曲の、作曲者によるセルフカバーです。Cindyは80-90年代に活動した女性シンガーで、山下達郎のコーラスや、角松敏生を継ぐように中山美穂のプロデュースを努めた才女。当山ひとみや国分友里恵と並び立つ存在ながら今ひとつ影が薄いのは、1st以外CDオンリーであることと無関係ではない気がします。こういうのがあるから「レコードじゃないと」というこだわりは無意味。もちろん初アナログ化してくれるなら狂喜しますが。
既に鬼籍に入ってしまった彼女、一度でいいからキュートな歌声を生で聴いてみたかった。。
Moonlight Surfer
Title

Moonlight Surfer

Artist
かとうれいこ
Original
石川セリ - Moonlight Surfer
Release 1991。かとうれいこがグラビアをやっていたのは全て歌のためだった、というのは元イエローキャブ社長・野田義治氏の談。どこまで本人の意志かは不明ですが、南佳孝「モンロー・ウォーク」や、石川セリのこのシティポップ名曲をシングルに選ぶあたり、本当に好きだったんだろうなー、という印象です。桑名晴子のカバーがすでにレゲエですが、91年という時代もあり、ラバーズロック感漂う好演。
Try Me
Title

Try Me

Artist
宮沢りえ
Original
Suzi Kim - Try Me
Release 1990。『サンタフェ』前夜、1990年の宮沢りえ2ndアルバム『Chepop』は、びっくりするほどの名盤です。私はDJで3曲かけますが、この曲がSuzi Kimによる伝説のグラウンドビートのカバーと気付いたのはしばらく経ってから。日本語詞というのもありますが、イメージ的に全く結びつかなかったのも大きい。太いキックと隙間多めな鍵盤コード弾きの上にウィスパーボイスが乗る、聴けばわかる名曲です。“Movement98歌謡”の短冊「心から好き」も、日本のグラウンドビート名作。
※投稿後、こちらが先に発表されていることがわかりました。Suzi Kimの方がカバーだった!
差し替えようかとも思いましたが、時空がねじ曲がりあらかじめカバーしたものと解釈し、このままといたします。ご指摘いただいたMura-Tさん、ありがとうございました!
Perfumed Garden
Title

Perfumed Garden

Artist
Chieko Beauty
Original
Rah Band - Perfumed Garden
Release 1991。シティポップからは遠く離れてしまいますが、最後はみんな大好きRAH Bandのカバー。ヤン富田プロデュースのコンピだけに収録されたレゲエバージョンで、チエコ・ビューティーの日本語詞が乗る最高のラバーズロックです。砂原良徳の「Clouds Across The Moon」が95年。早すぎてこの再評価自体が再評価を待っている感じがヤンさんらしくもありますが、タイマーがセットされていたのは今。こういうのこそ7インチで初レコード化とか、どうでしょう? Mad Professorによるダブまであるので、B面の心配は無用です。
Profile

2011年、小西康陽、Dub Master X、tofubeats、okadadaなどをゲストに迎えた国産音楽イベント「あの日のようにささやいて」を共同主催。2019年刊のディスクガイド『WA B.O.O.G.I.E.』では80年代国産ブギーとフュージョンのレビューを執筆。現在のレギュラーパーティは「Magnificent Disco」「Fusion Colors」「首都高SOUL」。多様なジャンルからアダルトな音楽を抽出中。

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