JAM
Our Covers #033

JAM

音楽ライター / DJ / レコード会社A&R
I Get High (On Your Memory)
Title

I Get High (On Your Memory)

Artist
Shiellie Jacobs
Original
Freda Payne
それが新たな意匠をまとったカヴァーなのか、それとも単なるコピーに過ぎないのか。再演するアーティストの心意気が果たしてどこにあるのかによって音楽的な評価も二分されるとは思うが、どうであれ再演であること自体に興奮材料が宿っていることに変わりはない。このShiellie Jacobs版”I Get High”はオリジネーターのFreda Payneのテイクを忠実すぎるほどに再演してみせた80年のカヴァーというよりはコピーに近い愛おしい45s。
The Only Time You Love Me Is When You’re Losing Me
Title

The Only Time You Love Me Is When You’re Losing Me

Artist
Gladys Knight & The Pips
Original
The Originals
先の”I Get High”をソングライトしたPam Sawyerが最も手を組むことの多かったClay McMurrayと共に1970年にThe Originalsのアルバム『Naturally Together』用に書き下ろした名曲の壮絶カヴァー。The Originalsも凄いが、グラディスの解釈も凄く、全く新たな価値観を与えてしまっている辺りにグラディスの表現者としての破格さを見る。
I’m Gonna Make You Love Me
Title

I’m Gonna Make You Love Me

Artist
The Brothers Of Hope
Original
The Temptations & The Supremes
《モータウン》流れで、ノーマン・ハリス(g)、アール・ヤング(drs)をメンバーに擁する、フィリーのMFSBの前身とも言うべきバンドがインストでカヴァーしたThe Temptations & The Supremesの名曲。ソリッドなリズムで、原曲のキャッチーさにレア・グルーヴ方面から品のよい苦みを加えた切れ味最高な一品。
I Don’t Need Nobody Else
Title

I Don’t Need Nobody Else

Artist
Eddie Kendricks
Original
Lou Courtney
その”I’m Gonna Make You Love Me”でテンプスのリード・パートを歌っていたEddie Kendricksがソロ後期の81年にアルバム『Love Keys』で取り上げたLou Courtneyのカヴァー。原曲のハードボイルドな感じとは一線を画する中性的なハイ・テナーで歌われるモダン・ソウル・クラシック。なお、この曲にはNorman Connersがアルバム『Take It To The Limit』でカヴァーしたテイクもある。こちらはAl Johnsonがリード。こちらも、逸品。
Our Day Is Here
Title

Our Day Is Here

Artist
Jimmy Beaumont & The Skyliners
Original
J.P. Robinson
Eddie Kendricksのアルバムはマスルショールズ録音でありつつも、The Controllersなどマイアミの《TK》関連のアーティストのサポートも受けた作品集で、《TK》繋がりのモダン・ソウルという意味でこの名カヴァーも紹介しておこう。オリジナルはJ.P. Robinsonが《TK》傘下のBlue Candleで歌っていた名曲だが、その”Our Day Is Here”を名曲たらしめたあらゆるエッセンスに磨きをかけ、モダン・ソウルとして更に大化けさせてしまった名45sである。強烈。
What A Man
Title

What A Man

Artist
Laura Lee
Original
Linda Lyndell
Laura Leeが《Hot Wax》でデトロイト録音を始める前、Dave Crawfordのプロデュースでフロリダ録音によるシングルを《Cottillion》に2枚残していて、その1枚目に収められたのがLinda Lyndellが68年に《VOLT》でリリースしていた”What A Man”のカヴァーだった。後にSalt’n Peppa & En Vogueによって広く知られることになるこの曲はトラックは原曲が勝るが、こと歌に関してはLaura嬢の炸裂する歌心に打ちひしがれるばかり。
Reapect Youself
Title

Reapect Youself

Artist
Freddie Terrell & The Soul Expedition Band
Original
The Staple Singers
《VOLT》の話で《STAX》に触れることになったので、《STAX》でThe Staple Singersが放った大ヒット曲のインスト・カヴァー作品を。再演するのはレア・グルーヴの文脈で知られるようになったアトランタのバンドだが、デビュー・シングルはニューヨークの《SHOUT》にある。その内の1曲が”Respect Yourself”のカヴァーで、堅硬でいて荒々しいサウンドは原曲の魅力を圧倒的に高めるもので、Mavis Staplesがもしこのオケで歌ってくれたらと想像するだけでビビる。
Anyway The Wind Blows
Title

Anyway The Wind Blows

Artist
Erma Coffee
Original
Syl Johnson
《STAX》流れで同じくメンフィスの《HIレコード》の名カヴァー作を。演じ手のErma嬢は同レーベルのAnn Peeblesに次ぐ女性シンガーとして期待を寄せられた人で、これはレーベル・メイトのSyl Johnsonの名曲をオケもそのままに物悲しく歌い上げて曲そのものの魅力をSyl本人以上に引き出した名演。泣きます。
Fallin’ In Love
Title

Fallin’ In Love

Artist
New Birth
Original
Hamilton, Joe Frank And Reynolds
最後の2曲は個人的に集め続けているAORのソウル・カヴァー曲を2作。まず1曲目はNew Birthがアルバム『Love Potion』で取り上げたHamilton, Joe Frank And Reynoldsの名曲。リードを取るのは無論Leslie Wilsonで、彼のエモーショナルな緩急自在なヴォーカルが原曲とまるで違った風景を描き出すまさに究極のカヴァー作品。
I Just Wanna Stop
Title

I Just Wanna Stop

Artist
Angela Bofill
Original
Gino Vannelli
殿はAngela Bofillが取り上げたGino Vannelliが78年に放った超美麗なるカヴァー。プロデュースはNorman Connersで、Angela嬢の歌声がより映えるよう、ドラマティックなアレンジを施している辺りは流石の匠仕事である。なお、この曲にはThe Jimmy Castor Bunchの恐るべきカヴァーもある。「Cottillion 45004」としてシングルにもなっているので、気になった方は追いかけてください。
Profile

一時たりとも浮気もせず、横目も振らず、ヴァイナルを愛好しておよそ45年、これまでもこれからもブラック・ミュージック一筋な音楽ライター/DJ/レコード会社A&R。著書『Chasin' The 80s Classics』《スペースシャワー・ブックス》。

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