魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.43 / 6 Nov. 2023
すっかり秋めいてきました。そんなわけで前回の〈食欲の秋〉に続く第2弾〈芸術の秋〉をテーマに、昨年もやりました〈映画の中の名カヴァーシーン〉のパート2。聴き慣れた名曲もストーリーの流れで聴くと、また違った味わいがありますね。そんな劇中の名シーンとともにどうぞ!
2003年公開。陣内孝則が監督を務めたTH eROCKERSの自伝的青春映画『ROCKERS』より中村俊介、玉木宏、岡田義徳、佐藤隆太、塚本高史という今や第一線級の俳優陣によるルースターズ「恋をしようよ」の演奏シーン。ヴォーカルは中村俊介、実際の演奏は花田裕之らルースターズメンバーによるロックンロール・ジプシーズ!
Tequila
1989年に公開されたアキ・カウリスマキ監督のコメディ・ロードムービー。極寒の地シベリアからアメリカNYへ渡ったバンド、レニングラード・カウボーイズが諸事情によりメキシコへと行くことになることから始まる米国縦断音楽旅行。メキシコ近くの南部で演奏する「テキーラ」のシーンはお客さんのノリも相まった映画ハイライトのひとつ!
It’s a Long Way to the Top
ジャック・ブラック主演2003年の音楽コメディ映画『スクール・オブ・ロック』。厳格な進学校に入り込んだ、売れないミュージシャンがニセ教師に扮しクラス内でバンドを結成するという万人が大好きな王道のストーリー。エンドロールで演奏されるAC/DC「It’s a Long Way to the Top」のシーンは映画の終わり方としてなかなかに斬新でしたね。演奏達者なスクール・オブ・ロックの面々ですが、指導を行なったのはジム・オルークなんだとか!
Trancemission
人気絶頂にありながら自ら命をたったジョイ・ディビジョンのヴォーカル、イアン・カーティスの生涯を描いた2007年映画『コントロール』。劇中のライブシーンは、バンドマンから転身しまだ無名の俳優であったサム・ライリーほか出演者たちにより実際に演奏されたことも話題となりました。イアン・カーティスのナイーヴとエモーショナルが混在するキャラクターが憑依したようなサム・ライリーのパフォーマンスは圧巻です!
Flight of the Bumblebee
オーストラリアのピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた1996年映画『シャイン』より、まさに映画のハイライトと言える本作でアカデミー主演男優賞も獲得した俳優ジェフリー・ラッシュによるリムスキー-コルサコフ「熊蜂の飛行」の演奏シーン。14歳までピアノを習っていたというジェフリー・ラッシュの演技も鳥肌モンですが、演奏自体はデイヴィッド・ヘルフゴット自身が行なっているようです。
私の青空 (MY BLUE HEAVEN)
フォークシンガー高田渡の日常を追った2004年のドキュメンタリーフィルムの傑作『タカダワタル的』の最後を締め括る、下北沢ザ・スズナリでのライブから、スタンダード「私の青空」のカヴァー。二村定一、エノケン(榎本健一)らの歌唱でおなじみの日本語ヴァージョン。映画そのものを表すような歌詞も素晴らしい名演です!
(つづく)
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Our Covers #020 野田晋平