魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.42 / 4 Oct. 2023
もはやサヴァイバルな酷暑も終わり、ついに秋到来! というわけで今回は〈食欲の秋〉にちなみ、〈食〉をイメージさせる楽曲のカヴァーソングを特集。食欲不振を挽回すべく今年も食べて、食べて、食べまくろう!
きっと誰もが聴いた事のあるこの曲! お昼のテレビ番組『キユーピー3分クッキング』のオープニングテーマとして我々に刷り込まれているこの曲。元々はドイツの作曲家、レオン・イェッセルによるものをアメリカのオルガン奏者ケン・グリフィンがカヴァーしたもの。邦題「おもちゃの兵隊の行進曲」の通り、ノベルティ感覚のあるファニーなアレンジに。日本人なら食欲も増すってワケです!
ケンちゃんのハニーパイ
久保田麻琴と夕焼け楽団、サンディ&サンセッツなどで活動した日本のエイモス・ギャレット、“エイモスけんちゃん” こと井上憲一の1976年のファーストソロアルバムから、ビートルズのカヴァー「Honey Pie」。これぞレイドバックの極みのような、アコースティックかつスウィンギンなアレンジ!
Hot Barbecue
「ホット・バーベキュー!」の掛け声とともにはじまる米ジャズオルガニスト、ブラザー・ジャック・マクダフ1965年の名曲をハービー・ハンコック「Cantelope Island」のカヴァーなどでお馴染みのラテンジャズマスター、プーチョ&ザ・ラテン・ソウル・ブラザーズがプレイした1995年作。オリジナルに忠実ながら、パーカッシヴで陽気度増し!
Green Onions
煮てよし、焼いてよし、かけてよし、な万能食材〈ネギ〉をタイトルにした、ブッカー・Tを筆頭にスティーヴ・クロッパーほか万能プレイヤーたち(後にドナルド・ダック・ダンも加入)による名門《スタックス》のスタジオバンド、ブッカー・T&ザ・MG’sの名曲「Green Onions」をジョニー・サンダースがカヴァーした1983年作。パンクの生ける伝説らしい歪みまくりのギターがたまりませんな!
Mushed Potato Time
パンクの伝説ラモーンズのベースを担ったディー・ディー・ラモーンが突如ラッパーに!? なソロプロジェクト、ディー・ディー・キング1989年アルバムからオープニングを飾るディー・ディー・シャープのオールディーズヒット「Mushed Potato Time」のカヴァー。一貫して脱力なキングさんに苦笑いせざるをえませんが、これはディー・ディー繋がりのダジャレなのか??ということで、もうお愛想で笑ってあげるほかなし!?
Where’s the Beef?
1980年代アメリカのファーストフードチェーン《ウェンディーズ》が広告に使用した「Where’s the Beef?」のフレーズ。おばあちゃんがバンズの大きさを推している競合店のハンバーガーを見て「肉はどこ?」と挑発するCMは話題に。それに後押しされ1984年ナッシュビルのソングライター兼 DJ のコヨーテ・マクラウドが「Where’s the Beef?」のフレーズとCMのおばあちゃんクララ・ペラーをフィーチャーしたのがこの曲。楽曲で相手を挑発し合う、ヒップホップにおける「ビーフ」の語源はここから!
Sukiyaki
永六輔と中村八大の六八コンビ作、坂本九が歌い全米1位も獲得した「上を向いて歩こう」(海外では「Sukiyaki」のタイトル)は全世界に数々のカヴァーを生み出すことになりますが、今回は「ブギウギ・ビューグル・ボーイ」や「ラム&コカコーラ」などのヒットでお馴染み米国姉妹グループ、アンドリューズ・シスターズのヴァージョンを。オリエンタルなアレンジと魅惑のハーモニー。申し分なし!
(つづく)
- Profile
- 魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》主宰。世界中の魅惑サウンドを探し求め、中古レコードをメインに(ほぼ)毎日新入荷を更新中。
http://paraisorecords.com/
Our Covers #020 野田晋平