魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.10 / 15 Dec. 2020
カヴァー曲を通して音楽の楽しみ方を提案するこちらのサイト「eyeshadow」に真打登場! と言えばやはりクリスマスソングでしょう。カヴァー曲の宝庫にして毎年新しいものが更新され続ける特異なジャンル。ゆえに語り尽くされた感もありますが…どっこいこのコーナー流に迫るちょっと脇道それたクリスマスをお届けします。色々ありすぎた2020年。最後の特集!
「白覆面の魔王」こと伝説の覆面レスラー、デストロイヤーが歌うクリスマスアルバムより定番ソング「ジングル・ベル」のカヴァー。デキシー調のアレンジにココロウキウキっなんて思ってたら、2番からはなんとカタコト日本語の奇襲攻撃!? アウト・オブ・チューンな4の字固めでもうギブアップやっ!!
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Christmas Wish
グッドタイムミュージックの至宝バンドNRBQが生み出した「Christmas Wish」は今もなお音楽ファンにより語り継がれるクリスマスソングの名曲ですが、そんなグッドタイムフィーリンサウンドの流れをくむ女優のズーイー・デシャネルとSSWのM・ウォードによるデュオ、She & Himは2011年のアルバム「A Very She & Him Christmas」で「Christmas Wish」をカヴァー。原曲よりもメランコリックかつドリーミンなアレンジが最高です!
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Christmas Wrapping
スーサイド(アラン・ヴェガ)にサヴァンナ・バンドのオーガスタ・ダーネルが手がけたクリスティーナやジェイムス・ホワイトなどが参加したNO WAVE〜ミュータントディスコの総本山ニューヨーク「ZE RECORDS」からリリースの1981年名作クリスマスアルバムにも収録されたNEW WAVEバンド、ウェイトレスのヒット曲「Christmas Wrapping」を「Wannabe」で大ブレイクしたイギリスのアイドルグループ、スパイス・ガールズがカヴァーした1998年バージョン。オリジナルがかなりキャッチーなためこういったアイドルポップスにはやはりすごくはまりますね。今や大セレブのヴィクトリア・ベッカムもスパイス・ガールズではメインでないのですな。
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Don’t Believe in Christmas
いつの時代でもいるアンチクリスマス派。さしずめガレージ界ではこの人たちでしょうか…チャック・ベリーの「Too Much Monkey Business」をさらに凶悪なロッキンビートに乗せて歌う「Don’t Believe in Christmas」の連呼。こういうヤツらに限ってある日突然タガが外れたようにクリスマスを全力で楽しみだすというのが世の常ではあるが。
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Here Comes Santa Claus
えっ! ディランがクリスマスアルバム!? と賛否両論話題となった2009年リリース34枚目のスタジオアルバムから、ど定番「Here Comes Santa Claus」を。「声ガラガラ」「調子ハズレ」など、どちらかと言うと「否」に意見が傾く問題作ですが、「時代は変わる」ならディランも変わる? 印税はすべて慈善団体に寄付されるという「変わらぬ」らしさも実は含んでたりします。
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Santa Claus is Comin’ to Town
「声ガラガラ」「調子ハズレ」と言えばこの人のほうが一枚も二枚も上手!?
ライ・クーダーやタジ・マハールなどにも影響を与えたバハマのブルーズ怪人ジョセフ・スペンスさん。ギター奏法もヴォーカルも脱臼してるとなればやっぱりカヴァーセンスも脱臼してるっ!サンタが街までやってきたはいいが、蛇行走行で切符切られたみたいな大迷曲…
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Silent Night
さて最後は仕切り直してキレイなクリスマスソングを。ジェントルヴォイス&ジェントルサウンドの代名詞ケニー・ランキンがクリスマスソングを歌った1999年のアルバムから「Silent Night」を。やはりと言うかさすがと言うか悪かろうはずがない珠玉のアレンジ。この1年あったいろんな苦労も浄化してくれるような聖なるカヴァーです。みなさま、来年も良いミュージックライフを!
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(つづく)
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- 魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》主宰。世界中の魅惑サウンドを探し求め、中古レコードをメインに(ほぼ)毎日新入荷を更新中。
http://paraisorecords.com/
Our Covers #020 野田晋平