ディスク・ボイジャー<br>“なんでもかんでもセルフの時代!?”
feature #110

ディスク・ボイジャー
“なんでもかんでもセルフの時代!?”

魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。

野田晋平(パライソレコード)
Ep.31 / 14 Sep. 2022

←Ep.30

セルフィー、セルフうどん、セルフレジ…今や何でもかんでもセルフの時代に突入!? というわけで今回は他者に提供した楽曲を作曲者本人が歌うセルフカヴァーを特集です。自己責任編集!

Title

Sunny’76

Artist
Bobby Hebb
Original
Bobby Hebb – Sunny

永遠のオールディーズ名曲「Sunny」のヒットで知られるボビー・ヘブ。(そんなことはないけど)一発屋的なイメージで見られる彼がアレンジレシピの王道〈ディスコ〉時代に入りカムバック!? 汎用性の高いこのビートで返り咲きを果たした往年のベテラン勢は数知れずですが、ボビー・ヘブのこのヴァージョンは大味でなくメロウな味付けでイイですね!

Title

Egyptian Reggae

Artist
Jonathan Richman
Original
Jonathan Richman – Egyptian Reggae

目と耳を疑うほど数々のセルフカヴァーを連発し、かつ悪びれる様子もないセルフィー王ジョナサン・リッチマン。しかしどのヴァージョンも甲乙つけがたいのかジョナサンのすごいところですが、これは自身最大のヒット曲であるインスト曲をカヴァーしちゃったという行くとこまで行った1996年の迷曲!? 全然レゲエじゃないやん! と突っ込まれすぎたのか、ほんのりレゲエ風味が増しています。

Title

Will You Love Me Tomorrow?

Artist
Carole King
Original
The Shirelles – Will You Love Me Tomorrow?

当時の夫であったジェリー・ゴフィンとの作曲コンビで「ロコモーション」はじめ数々のオールディーズ名曲を生み出していたキャロル・キングがシンガーソングライターとして大成功を収めた1971年の歴史的名盤『つづれおり』は、ある意味セルフカヴァーの宝庫とも言える内容ですが、今回はその中から女性グループ「シュレルズ」1960年のヒット「Will You Love Me Tomorrow?」を。現在に至るまで数え切れないほどのカヴァー曲を生み続けている名曲ですが、彼女の歌う激メランコリックなヴァージョンは絶品ですね。

Title

Do Right Woman, Do Right Man

Artist
Dan Penn
Original
Aretha Franklin – Do Right Woman, Do Right Man

キャロル・キング作「(You Make Me Feel Like) a Natural Woman」も歌ったアレサ・フランクリン。彼女が歌うとどれも名曲、名演となるまさにクイーン・オブ・ソウルな存在ですが、こちらは1967年の名曲「Do Right Woman, Do Right Man」の作者であるダン・ペンが1994年のアルバム『Do Right Man』でセルフカヴァーしたヴァージョン。サザンソウル傑作として語り継がれる自身の1973年作「Nobody’s Fool」でもその渋声を聴かせた彼の沁みる名演です。

Title

All the Young Dudes

Artist
David Bowie
Original
Mott the Hoople – All the Young Dudes

邦題「すべての若き野郎ども」でも知られるモット・ザ・フープルによる1972年のグラムロックアンセム「All the Young Dudes」は当時グラムシーンを牽引したデビッド・ボウイ(ジギー・スターダスト)による提供曲。オフィシャルでのリリースはありませんが、こちらはアルバム『アラジン・セイン』のセッションで録音されたヴァージョン。のちにリリースされる〈30thアニバーサリー・エディション〉などで聴くことができます。

Title

ひとつだけ

Artist
矢野顕子
Original
アグネス・チャン – ひとつだけ

忌野清志郎との感涙デュエットでもおなじみ、今や彼女の代名詞とも言える矢野顕子「ひとりだけ」も実はセルフカヴァーだった!? 初出はアグネス・チャン1979年のアルバム『美しい日々』に収録。歌詞が若干変更になっていますが、まさにオリジナルを超越。アッコさん本人ものちにさらにヴァージョンを変えて再度セルフカヴァーもする名曲です!

Title

It’s BAD

Artist
久保田利伸
Original
田原俊彦 – It’s BAD

人気絶頂のトシちゃんこと田原俊彦が突如としてラップを始めた1985年のシングル「It’s BAD」は久保田利伸が関係者向けに作成したデモテープに収録していた楽曲をトシちゃんに提供した日本ラップ黎明期の名曲。久保田利伸のヴァージョンは正式にレコーディングされず、1987年『夜のヒットスタジオスーパーDELUXE』において、一度だけ披露された。(歌詞は若干違う)

https://youtu.be/tf_dldNoYgk
Title

熱き心に

Artist
大瀧詠一
Original
小林旭 – 熱き心に

稀代のソングライター大瀧詠一の死後、2016年にリリースされた『Debut Again』は大瀧氏が様々な歌手に提供した楽曲をセルフカヴァーした内容で、関係者によるナイアガラ・レコードの遺品整理の過程で新発見に至ったマスターテープが基となっていますが、歌手本人に歌のイメージを伝えるために本人が歌う「仮歌」のレベルとは違う、しっかりとしたスタジオ録音音源ということでオリジナルアルバムとして位置付けられています。「風立ちぬ」「探偵物語」「夏のリビエラ(冬のリビエラ)」「夢で逢えたら」日本ポップス史を飾る名曲の数々。オープニングを飾る小林旭「熱き心」も沁みますな。。

(つづく)

Profile
魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》主宰。世界中の魅惑サウンドを探し求め、中古レコードをメインに(ほぼ)毎日新入荷を更新中。 http://paraisorecords.com/
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