ディスク・ボイジャー“アルバム丸ごとカヴァー編”

feature #028

ディスク・ボイジャー
“アルバム丸ごとカヴァー編”

Column

魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。

野田晋平（パライソレコード）
Ep.9 / 03 Nov. 2020

←Ep.8

愛ゆえのカヴァーですが、その愛情が行き過ぎてアルバム丸ごとをカヴァーしてしまったというワンアーティストによる名盤迷盤の数々。独自の解釈？完コピ？はたまた改悪！？みんな大好きなあの名曲たちが新たに生まれ変わる！

Title

The Velvet Underground and Nico

Artist

Beck

Original

The Velvet Underground and Nico『The Velvet Underground and Nico』

今や世界を代表するアーティストとなったベックが2009年頃？に立ち上げた1日のレコーディング期間で名盤を丸ごとカヴァーするという驚きの企画。その第1弾として選ばれたのが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの通称『バナナ』ファースト。ベック最初期のドロドロした感じが戻ってきた！？「ヘロイン」でのジャンクぶりが18禁ばりに強烈！
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Title

The Ram Project

Artist

Dave Depper

Original

Paul and Linda McCartney『Ram』

ポートランドのマルチアーティスト、デイヴ・デッパーがポール・マッカートニー1971年不朽の名盤『Ram』を丸ごとカヴァーしたというとんでもない企画アルバム。コーラスの女性（彼女？）以外のすべてのヴォーカルと楽器を一人でこなした多重録音という徹底ぶり。カヴァーというか完コピを目指したのか？いやいやほんと愛に溢れてます。
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Title

Sgt Pepper’s

Artist

Big Daddy

Original

The Beatles‎『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』

オモシロ音楽秘宝館レーベル《Rhino》に所属するネオロカビリーバンド、ビッグ・ダディはファーストよりちょこちょこ名曲を独自のロカビリー感で捏造してきましたが、ついにその欲求が爆発したのか1992年作では音楽史における最高傑作の呼び声高いビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を全曲カヴァーするという悪行を成し遂げます。緻密に練りこまれたこの名盤をなんともシンプルなR&Rクラシックにマッシュアップするというなんでやねん盤。もう台無し笑！
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Title

Remain in Light

Artist

Angélique Kidjo

Original

Talking heads『Remain in Light』

グラミー賞にも度々ノミネートされるアフリカベナン共和国出身のシンガー、アンジェリーク・キジョーがトーキング・ヘッズ1980年の名盤『Remain In Light』をまんまアルバムごとカヴァーしたという2018年の衝撃作。トニー・アレンはじめアリシア・キーズ、クエスト・ラヴなど迎え、アフリカンリズムを大胆に取り入れたことでニューウェイヴ期のエポックメイキングとなった本作をアフロサイドから見事に回答した傑作。本場感ある！

Title

Talking Book

Artist

Macy Gray

Original

Stevie Wonder『Talking Book』

グラミー賞なども受賞するR&Bの代名詞とも言えるメイシー・グレイがスティーヴィー・ワンダー神がかり期三部作の第1弾1972年『Talking Book』をカヴァーした2012年のアルバム。ネオクラシックソウル風なアレンジにメイシーのハスキーヴォイス。悪いわけがないですね！
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Title

Playing Hide and Seek with the Ghosts of Dawn

Artist

The Flaming Lips

Original

King Crimson『In the Court of the Crimson King』

圧倒的パフォーマンスとマイワールド感でオルタナシーンにおいて異彩を放ち続けるフレーミング・リップスが数々のゲストを迎えキング・クリムゾンの名盤『クリムゾンキングの宮殿』をカヴァーしたアルバム。プログレッシヴな展開にネオサイケデリアを注入した「21世紀の精神異常者」からして完全に振り切ってる…いやはや天晴れです！
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（つづく）