魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.11 / 15 Jan. 2021
「笑う角には福来る」。しょっぱい2020年に別れを告げて、今年はウシシといきたいところですが、まだまだ予断を許さないといった2021年の幕開けです。年末には笑って越せますようにという願いも込めて本年最初のディスク・ボイジャーはお笑い芸人によるカヴァー曲特集。
近年はメディアでキレようものなら、炎上なり叩かれたれたりする世で、キレ芸なるものがマイルド化あるいは消滅化しそうな様相ですが、そうなれば最期のキレ芸として爪痕を残したのはカンニング竹山ということになるのでしょうか。中島氏存命時代の2004年にリリースされた和レアグルーヴの最高峰、左とん平「ヘイ・ユー・ブルース」のカヴァー。バンバンバザールによるあまりにもクールなジャジートラックの上でとにかく終始キレてます笑
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カモナ・ペーパー
キレ芸といえばこの人も!? 漫才ブームの中でも破壊的なキャラで一世を風靡したのりおよしお1981年のシングル。B面「カモナ・ペーパー」ではベンE.キング「Stand By Me」をレゲエアレンジし、お腹ピーピーな歌詞へと思いっきり改悪したパロディソング。ひょっとして「ベン E」と「便意」かけてる?? ジェイムスブラウンばりのシャウトで歌うのはなんと上方よしおの方!
ゴーストブスターズ
のりおよしおと同じく『オレたちひょうきん族』でその人気を不動のものした元祖プッツン芸人片岡鶴太郎1984年のシングル。ご察しの通りレイパーカーJr.の歌う大ヒット映画『ゴーストバスターズ』の主題歌カヴァー。これぞ今なら炎上必至といったひどすぎる歌詞ですが、作詞は秋元康大先生。SNSのない世でよかったですね…
ケンタイキ
1990年初頭世界中に吹き荒れたM.C.ハマー旋風。「そういやお前似てない?」ってことで始めたかどうかはわかりませんが、コント赤信号の小宮孝泰が突然M.C.コミヤを名乗りリリースした1991年のミニアルバムより「Can’t Touch This」のカヴァー。「Can’t Touch This」と「倦怠期です」で海をまたいで韻を踏んだある種画期的なラップ!? プロデュースはヒカシューの三田超人。その後本家M.C.ハマーがハマーに改名したことでM.C.コミヤもただのコミヤに戻ってしまった…
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ギザギザハートの子守唄
ものまねタレントそして欽ちゃんファミリーと元祖バラドル的な存在で現在も活動する松居直美1984年のシングル曲。チェッカーズのデビュー曲でありながらヒットしなかったものを彼女が良い曲なのにもったいないとカヴァーしたそうですが、それもヒットせず。結局2枚目のシングル「涙のリクエスト」の大ヒットにより相乗効果で本隊の方はめでたくヒットしたそうです。松居版はニューウェイヴ調にもろ歌謡曲的歌唱というアンバランスが良いですね!
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ドリフの早口言葉
コロナが奪ったお笑いレジェンド志村けん。新たなお笑いを次々を生み出した革命児にして、お茶の間にソウルミュージックを持ち込んだ偉大なるミュージックセレクターでもありました。テディペンタグラス「Do Me」を使った「ヒゲダンスのテーマ」も有名ですが、ムシ声アレンジした「ドリフの早口言葉」はウィルソンピケット「Don’t Knock My Door」を拝借。動画リンクは元ネタの方を貼っています!
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Rap Miyo-Chan (Original Mix)
加藤茶が世界の一発屋として知られるスキャット・マン・ジョンに便乗しパロッた1996年のミニアルバムより「みよちゃん」のセルフカヴァー。その実態はカヴァーというかリメイクですが…トラックはEast End×Yuriの「Da.Yo.Ne」のパロディです。さすが加トちゃんドラマーだけあってリズム感バッチリのラップ。エンディングではノーティー・バイ・ネイチャー「Hip Hop Hooray」のフレイズが飛び出します!?
タモリのワークソング
最後はお笑いビッグスリー、タモさん1981年のシングルより、ナットアダレーによるジャズスタンダード「Work Song」のカヴァーを。ハナモゲラ語ならぬ空耳な日本語単語の羅列で英語詞のように聞かせるタモさん的な洒落が効いたヴォーカルソング。B面の「久美ちゃん My Love」もスタン・ゲッツのカヴァー!
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(つづく)
- Profile
- 魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》主宰。世界中の魅惑サウンドを探し求め、中古レコードをメインに(ほぼ)毎日新入荷を更新中。
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Our Covers #020 野田晋平