魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.37 / 27 Apr. 2023
厳しい寒さを超え、いよいよ春の到来。気分が高揚していくこの季節に寄せた名曲はたくさんありますが、同時にそれはカヴァー曲も多く存在するということでもあります。というわけで今回は〈春〉にちなんだ特集。その名もズバリなタイトルから、春について歌った歌。そして春から連想した曲まで!
「襟裳の春は 何もない春です」北国の春を歌った岡本おさみ作詞、吉田拓郎作曲の普及の名曲を待ってましたのT字路sがカヴァーした2015年アルバム『Tの讃歌』からの1曲。たまりませんな!
April Come She Will
邦題「4月になれば彼女は」。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』でも使用されたサイモン&ガーファンクル不朽の名曲。4月に出会った彼女がだんだん変わってゆき、秋には自分の元を去ってしまうという春めいた4月とは裏腹の悲しい曲ですが、こちらは詳細不明エレ・ガント? なるアーティスト(バンド?)が2022年にデジタルリリースしたカヴァー曲。原曲同様のメランコリーな弾き語りが沁みます。
Spring Rain
電気グルーヴ「シャングリラ」のネタとしてもおなじみ、アルゼンチン出身のピアニスト、プロデューサーとしてイージー・リスニング界で活躍したシルヴェッティーがサルソウルに残した名曲「Spring Rain」をイタリアのサウンドプロジェクト、Nine 2 Sixがグラウンドビート化した1991年作。そろそろこの手の音もリヴァイヴァル来るか!?
梅は咲いたか
端唄や俗曲、民謡などの歌い手として 知られる柳家小春と、異才エンジニアAMEPHONEを中心に結成された attcによる2014年、幕末の頃、江戸市中で流行した小曲〈端唄(はうた)〉「梅は咲いたか」のカヴァー。三味線とレゲエの奇想天外な掛け合わせ。昨今の民謡再評価を先駆けていた名曲!
My Boy Lollipop
「梅は咲いたか、桜はまだかいな」ということで、リタ・チャオとのコンビ、リタ&サクラとしても活躍したシンガポールの歌姫Sakura(櫻花)によるミリー・スモール「My Boy Lollipop」のカヴァー。ガレージファンにも人気のSakura。とにかくカヴァー曲の多い人!
It’s A Shame (My Sister)
新学期! ということでジャングル・ブラザーズ、デ・ラ・ソウル、ア・トライブ・コールド・クエストらヒップホップシーンにおけるニュースクール勢の妹分的存在としても知られる英国出身のラッパー、モニー・ラヴがスピナーズのソウル名曲「It’s A Shame」のフレーズを拝借した1990年作。どちらかというとニュージャックスウィングっぽいですが、春なので、ひっくるめてNEWということで!
We Travel The Spaceways #1
今年もやってきた「春のパン祭り」ということで、日本における革新的音楽家でありスティールパン奏者の第一人者でもあるヤン富田の大作 『Music For Astro Age』よりサン・ラ「We Travel The Spaceways #1」のカヴァー。パンのアレンジが宇宙的!?
(つづく)
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Our Covers #020 野田晋平