魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.39 / 22 Jun. 2023
6月梅雨入り。となれば雨をテーマにした曲でこの季節を乗り切ろうではありませんか。というわけで今回は毎年恒例「雨の日ソングのカヴァー曲」特集。憂鬱な雨、恵みの雨、梅雨や雨季のない国など、雨に対する感情は様々なのかもしれませんね。
プラスチックス解散後の中西俊夫がメロンとして活動していた1983年に伝説のカセットマガジン《TRA》シリーズからリリースした初のソロアルバム『homework』に収録のビートルズ「Rain」のカヴァー。ニューウェイヴ〜レゲエなまさにこの時期のメロンと並行するエキゾチックな雰囲気が最高!
Coloured Rain
ボブ・ディラン「Like A Rolling Stone」でのあの印象的なオルガンを弾いたことでも知られるアル・クーパーがブラッド・スウェット・アンド・ティアーズやマイク・ブルームフィールドとのスーパーセッションなどを経てリリースした1968年のファーストソロアルバムより、ステヴィーヴ・ウィンウッド率いた英国バンド、トラフィックの「Coloured Rain」カヴァー。原曲に忠実ですが、クーパーのナイーヴなヴォーカルでポップに仕上がってます!
Have Ever Seen the Rain?
アルゼンチンはブエノスアイレス出身のジャズヴォーカリスト、カレン・ソウサが、レディオヘッド「Creep」やマイケル・ジャクソン「Billie Jean」などを取り上げたカヴァーアルバムより、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(CCR)の名曲「雨を見たかい? (Have Ever Seen the Rain?)」を。あの男臭いシャウト系ヴォーカルが、ソフィスティケートなジャズポップへと。艶っぽいヴォーカルがたまらない!
I Think It’s Gonna Rain Today
フォークデュオ、バド&トラヴィスとして活動したバド・ダシェル1968年のアルバムからタイトル曲でもあるランディ・ニューマン「I Think It’s Gonna Rain Today」。数々のカヴァーを生むこの曲の中でも原曲のビターな感覚を見事に表現した究極の1曲と言えるのではないでしょうか。ピアノではないフォークギターでのアレンジも素晴らしい!
Fire and Rain
「バードランドの子守唄」などジャズ界を代表するシンガーとして20年以上のキャリアを歩んできたクリス・コナーが70年代に入り、ポップスよりなサウンドへとシフトした名盤『Sketches』より、ジェイムス・テイラー「Fire and Rain」のカヴァー。
Walkin’ in the Rain With the One I Love
「愛のテーマ」など甘美なストリングスアレンジを施し、ソウル~ディスコに壮大な音空間を生み出した巨匠バリー・ホワイト躍進のきっかけにもなった、後の奧さんにもなるグロディーン・ジェイムズとその姉妹親戚からなる女性3人組ラブ・アンリミテッドの雨クラシック「恋の雨音」をバリー・ホワイト門下生のソングライター、ダニー・ピアソンが唯一のソロアルバムでカヴァーしたヴァージョン。オリジナルが女性サイドなら、こちらは男性サイドから。メロウ度を増したアレンジでこちらも名曲!
Laughter in the Rain
秋山一将やマライアの笹路正徳などが参加した美人ジャズシンガー仲村裕美1983年のセカンドアルバムより、雨ソングの定番、ニール・セダカ「Laughter in the Rain (雨に微笑みを)」のカヴァー。フュージョン~クロスオーバーなアレンジがシティポップ的な開放感満点!
(つづく)
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Our Covers #020 野田晋平