魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。

野田晋平（パライソレコード）
Ep.32 / 15 Oct. 2022

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ほぼ夏バテ状態だった夏も過ぎ、秋の訪れを感じる今日この頃。「〇〇な秋」シーズン到来というわけで、今年は「スポーツの秋」編。スポーツ選手本人による歌唱から、スポーツにちなんだ、あれやこれやのカヴァーソングの数々が集結した体育会系回！？

「燃える闘魂」アントニオ猪木の名を世界に知らしめたモハメド・アリとの「格闘技世界一決定戦」は〈世紀の茶番劇〉と世間から叩かれ、多くの借金をも抱える結果となりましたが、アリ本人からはその健闘を称え自身のテーマソングである「アリ・ボンバイエ」が贈られた。米ファンクの雄マンドリルによるオリジナルも素晴らしいが、猪木版ボンバイエも昭和生まれなら誰もが知る名曲となった！

猪木の愛弟子として「ドラゴン」の愛称で新日本プロレスを支えた藤波辰巳〈世紀の迷曲〉として語り継がれる「マッチョ・ドラゴン」。オリジナルはクラッシュもカヴァーした「Police On My Back」で知られるザ・イコールズに在籍、ソロ後も様々なサウンドとの融合を果たし人気となったエディ・グラント1984年の「Boys In The Street」。エレクトロを増したトラックは完全に原曲越えだが、ドラゴン本人の破壊的歌唱力で差し引きマイナスに。これぞ音楽界の飛龍革命！？

破壊的歌唱力ではこちらに軍配！？ おそらくこのコラム2回目の登場となる元阪神タイガース助っ人外人、トーマス・オマリーによる「六甲おろし」。「イチバンやっ！」が口癖でしたが、その歌唱力はダントツの最下位…。「六甲おろし」は朝ドラでも主人公として取り上げられた古関裕而作！

https://youtu.be/pQ-E8UcOSkg

オマリーみたいな残念極まりない音楽センス(選手)もいれば、素晴らしいセンスの持ち主もいた！ トラはトラでもメジャーリーグ、デトロイト・タイガースのピッチャーとして活躍したデニー・マクレインはオルガンの名手としてレコードもリリースするすんごい人。ヒップでモッドなオルガンググルーヴてんこ盛り！

その独特な「トルネード投法」でメジャーリーグにてノーヒットノーランも成し遂げた野茂英雄の登場時にも使用された元ニューヨーク・ドールズのデヴィッド・ヨハンセンによるバスター・ポインデクスターの「Hit The Road Jack」。オリジナルはもちろんレイ・チャールズ。「野茂～ 野茂～ 野茂～」で大合唱！

スポーツ界においてもっともレコードリリースが多いのが、なぜか相撲界。演歌に歌謡曲などその美声を聴かせる力士はあまたいますが、ハワイ出身の外国人力士として人気を博した高見山はディスコで土俵入り！？ 本名のジェシー・ジェームス・ワイラニ・クハウルアにちなみ「スーパー・ジェシー」の名でシングルやアルバムを多数出しています。そんな高見山の1977年作『ジェシー・オン・ステージ』はカヴァーソングの宝庫。ボビー・ヘブのオールディーズヒット「サニー」も超ファンキーなアレンジとともにその美しいダミ声で魅せてくれます！

山下真司主演、学園スポーツドラマの名作『スクールウォーズ』の主題歌としてあまりにも有名な、麻倉未稀が歌うボニー・タイラー「Holding Out for a Hero」の日本語カヴァー。もうこのイントロがなった時点で昭和の人間は反応してしまいますね。ちなみにわたしが学生時代バイトしていた焼肉屋さんに、このドラマのモデルである泣き虫先生がよくいらっしゃってました。

スポ根映画の金字塔として未だ語り継がれるシルベスター・スタローン『ロッキー』はその音楽にも注目が集まりましたが、こちらは第2作目のテーマを俳優、岩城滉一が日本語歌詞をつけカヴァーしたという大穴盤。元クールスなので音楽素養は十二分にある氏による、こみ上げ系名曲！
https://paraisorecords.com/?pid=150369588

（つづく）