魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.28 / 9 June 2022
6月梅雨入り。しかし雨だからこそ生まれた名曲の数々があります。今回はそんな雨の名曲(悪天候)のカヴァーを特集。でも世界は広し。梅雨がない地域もあるから雨に対する感情は様々かもしれませんね。
オランダ出身のジャズシンガーとして数々の名盤を残したアン・バートンが日本にて録音した1977年のアルバムからポール・ウィリアムス&ロジャー・ニコルス作、カーペンターズ「雨の日と月曜日は」のカヴァー。この極上のメランコリーたるや! アルバム原題は『Burton for Certain』ですが、邦題は「雨の日と月曜日は」になったほど本作のハイライトとなる名曲です!
I Think It’s Gonna Rain Today
フォークデュオ、バド&トラヴィスとして活動したバド・ダシェルが数々のアーティストが取り上げるランディ・ニューマンの名曲「I Think It’s Gonna Rain Today」を歌った1968年のアルバムからの1曲。ビターかつスモーキーなヴォーカルが起こす化学反応が聴く者をどこか知らないところへ連れて行ってくれる不思議なヴァージョン。
Fire and Rain
ソロジャズシンガーとして50年代より膨大な作品をリリースした巨匠クリス・コナーの70年代は、よりポップス寄りのサウンドになりヒット曲のカヴァーなども含むMORアーティストとして数々の名盤を残すことでも知られますが、こちらの1972年アルバム『Skeches』は、SSW時代の到来を飾ったジェイムス・テイラーの名曲「Fire and Rain」のカヴァーは数ある中でも素晴らしいアレンジです!
Stormy Weather
1933年エセル・ウォーターズよって初録音され、フランク・シナトラ、ビリー・ホリデイ、エタ・ジェイムスなど錚々たるアーティストが取り上げた名曲「Stormy Weather」の元エレクトリック・ライト・オーケストラのジェフ・リンによるカヴァー。1988年にジョージ・ハリスン、トム・ペティ、ボブ・ディラン、ロイ・オービソンとともにトラヴェリング・ウィルベリーズを結成した時期のいぶし銀ヴァージョン。この懐深さ!
Bad Weather
モータウン黄金期を支えたフィーメールグループ、シュプリームスからダイアナ・ロス脱退後の1973年にスティーヴィー・ワンダーの書き下ろしでリリースされたシングル「Bad Weather」のメリサ・マンチェスターによるカヴァー。スティーヴィー節が光るフロアライクなキラーチューン!
12月の雨
大学在学中にデビュー、『お笑いマンガ道場』、『失楽園』など女優業、ワインなどの好事家ほかマルチに活動した川島なお美のデビューアルバム『ハロー!』からユーミンの「12月の雨」のカヴァー。アイドル的なアレンジではあるけど、流行りのシティポップ感もあり!
雨あがりの夜空に
90年代のヤンキー愛読誌『ティーンズロード』で人気だった全国の美人レディース総長5人組のボーカルユニット〈鬼風刃(きふうじん)〉によるRCサクセションの名曲「雨あがりの夜空に」のカヴァー。なんだかおニャン子的にかわいいヴォーカルですが、かなりの武闘派だったらしいです…
(つづく)
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Our Covers #020 野田晋平