
ギターとカヴァーの美味しい関係。ギターにピントを合わせれば、あの曲もこの曲も味わいがガラリと変わる。ギタリストのワダマコトがカリプソ愛を香辛料にして熱く調理します。
ワダマコト
Ep.13 / 1 Aug. 2022
1950年前後、トリニダードからカリプソニアンたちがロンドンに渡って残された名曲の数々が面白いのは、様々な音楽が融合されたこと。西アフリカからの移民ミュージシャンとの接点はハイライフの進化にも大きな影響を及ぼした。そんなミクスチャのなかでもジャズからの刺激を顕著に表したのがロード・キチナーが歌った「Be Bop Calypso」だ。チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、マイルス・デイヴィスらジャズマンの名前も歌詞に散りばめられ、ビ・バップ風なスキャットも盛り込まれる。キチナーがロンドンで新しいジャズの流れに興味津々だった様子が活き活きと描かれているようで、とてもユニークな一曲だ。
これをジャマイカン・カリプソ風味に料理したのがロード・フリー。アメリカ映画『Bop Girl Goes Calypso』の中でバンド演奏しているシーンがある。
同曲と言ってよいかどうか、同様のテーマでメロディはマイナー調に歌ったのはヤング・タイガーことジョージ・ブラウン。
英国パテ社の映像アーカイブの中に1947年の面白いニュース映像がある。ロンドンのカリビアン・クラブのシーン。1:00あたりからカリプソを歌うシーン(フィッツロイ・コールマンなのか?詳細不明)。続いて、衣装からしてどうみてもカリプソ楽団なのだが、ジャイヴを演奏して客を躍らせている。こういう感じで、現場ではカリプソもジャズもジャイヴもブギウギもゴチャ混ぜに愉しまれていたのだろう。音楽の折衷はごく自然な成り行きだったのだ。
(つづく)
- Profile
- カリプソ狂。結成20年を迎えるライヴバンド、カセットコンロスを率いるギタリスト / シンガー。ソロ活動ではWADA MAMBO名義でもアルバムをリリース。ブルース~ジャンプ&ジャイヴ経由カリプソ。BLUES & SOUL誌の連載ほか、音楽についての執筆業も。妻x1、クロネコx1、シロネコx2、と共に暮らしています。
音楽活動のない日は、東横線の綱島駅と大倉山駅が最寄りの、音楽と雑貨の店ピカントにいます。
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Our Covers #043 ワダマコト
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