EyeTube / Pick Up 10 Songs
feature #152

EyeTube / Pick Up 10 Songs

eyeshadowは9月26日で4周年を迎えました。いつもありがとうございます。

武田洋 (eyeshadow)
Artwork: Hiroshi Iguchi
26 Sep. 2023

YouTubeにあるカヴァー曲を毎日紹介するコーナー〈EyeTube〉。掲載数は今日で1,535曲になりました。闇雲にカヴァーならなんでもOKというのではなく、あくまで聴いて気に入った曲の中から選ぶスタンスでやっているので、そろそろ探すのもキツくなるかなと思いつつも、まだ当分はいけそうです。

これらの曲の中には何度も聴いてきて思い入れがあったり、個人的に大好きなカヴァー曲も多数含まれています。そこで4周年を機に振り返りを兼ねて、これまでピックアップした全曲の中から不朽の名カヴァーを厳選してご紹介したいと思います。題して〈EyeTube / Pick Up 10 Songs〉。

圧倒的なアイディアとアレンジによる本歌取りでオリジナルを超えてしまった奇跡のようなカヴァーから、原曲があってこそ光り輝くカヴァーまで。もしもまだ聴いたことのない曲があればこの機会にぜひ。

BadBadNotGood – To You [Andy Shauf]

〈深夜のミックス〉をテーマに名コンピレーションを連発してきた「Late Night Tales」シリーズ。毎回、選曲者自身の制作によるカヴァー曲が目玉で、2017年に出た『Late Night Tales: BADBADNOTGOOD』に収録されていたのがこの曲。オリジナルはカナダのSSW、アンディー・シャウフ。原曲も相当素晴らしいが、BBNGのアレンジはそれをも凌ぐ最高傑作。よくぞカヴァーしてくれました。

Flo & Eddie – Prisoner of Love [Russ Columbo]

タートルズの創設メンバーだった2人が紆余曲折を経てジャマイカでレゲエアルバムを制作。ラス・コロンボのバラードを清涼感のあるリゾート系ラヴァーズロックへと昇華させた珠玉の名カヴァー。レスリー・バトラーのピアノが奏でる、出だし10秒のイントロの美しさから打ちのめされること必至。

Ghost – Come Back Again [Suzanne Vega]

タイトルは違うがスザンヌ・ヴェガ「Tom’s Diner」のカヴァー。なんといってもアシッドなトラックが秀逸。このリディムに何の親和性もない「Tom’s Diner」を当ててくるセンスたるや。プリンス『Purple Rain』のジャケットデザインをパクったレーベルデザインからして確信犯の《Acid Rain》から。

Shy FX – Carnival Culture [UK Apache]

UKアパッチとのコンビでヒットしたラガジャングル・クラシックをブラスバンド風味でカヴァーするという奇想天外なアイディアと力技には脱帽せざるを得ない。アルバム『Raggamuffin SoundTape』3曲めのインタールード的な色合いの曲でたった1分2秒ながらも、やっていることは革新的でオリジナル。

John Roseboro & Mei Semones – Waters of March [Antonio Carlos Jobim]

ブルックリンの若いシンガーがデュエットしたのはアントニオ・カルロス・ジョビンのボサノヴァ大名曲「三月の水」。2人の声がなにしろ可愛い。これを聴いて頬がゆるまない音楽好きはいないのではなかろうか。飾り気のないハーモニーには歌う喜びが溢れ出ている。若いって良いなあという言葉はこういう時にこそ使いたい。

O’Donel Levy – Love Story [Francis Lai & His Orchestra]

ご存知『ある愛の詩』のテーマ曲。数多のジャズフファンクのアルバムに入っている名曲カヴァーのあの安直な雰囲気を漂わせつつも、品よく美しくまとめたナイスアレンジ、かつ淋しいメロディにふさわしい出来栄え。48年後の2019年、流麗なギターソロはScHoolboy Qのメロウチューン「W.Y.G.D.T.N.S.」のトラックとしてよみがえり、存分に使われている

Wilbert Longmire – Love’s Holiday [Earth, Wind & Fire]

アース・ウィンド・アンド・ファイアーの原曲と甲乙つけ難い名カヴァー。スローダウンした甘美なメロディに、これ以上なくマッチしたウィルバート・ロングマイアーのソフトな歌声。絶品すぎて何度もリピートしてしまう。納得のボブ・ジェームス・プロデュース作品。

The Residents – Kaw-Liga [Hank Williams]

原曲を歌ったのはアメリカの伝説的シンガー、ハンク・ウィリアムズ。ザ・レジデンツは、この名曲をカヴァーする際にハンクの2番目の妻ビリー・ジーンに敬意を表し、ベースラインをマイケル・ジャクソン「Billy Jean」に変更するという粋なマッシュ・アップをしてみせた。

I. Roy & The Heptones – I’m in the Mood for Love [Frances Langford]

初期レゲエのカヴァーソング最高峰。へプトーンズのリードボーカル、リロイ・シブルズの美しい声には気品が匂い立ち、I・ロイのトークオーヴァーもジェントルで心地良さ満点。バックはボリス・ガーディナー率いるザ・ナウ・ジェネレーション。全てがパーフェクト。

Sinéad O’Connor – Chiquitita [ABBA]

悲しみに満ちた少女へ希望を与えるABBAのヒット曲「Chiquitita」を、シネイド・オコナーがワンランク上の切なさで包み込んだナイスカヴァー。1998年に出身地のアイルランドで起きたオマー爆破事件の被害者救済アルバム『Across the Bridge of Hope』にこの曲を選択したのは慧眼。

以上、〈EyeTube〉はInstagramのストーリーズ他、XThreadsにも365日投稿中です。よろしければチェックいただけますと幸いです。

5周年に向けて、今後ともeyeshadowをどうぞよろしくお願い申し上げます。

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