
魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。
野田晋平(パライソレコード)
Ep.56 / 29 Jul. 2025
ビーチボーイズのメンバーとして数多くの名曲を生み出したブライアン・ウィルソン。海、サーフィン、車、ボーイ・ミーツ・ガールな初期の陽気さから、音楽史に残る名盤名高い『ペット・サウンズ』などでの憂いを帯びたシンフォニックポップな中期、そしてそれ以降のエヴァーグリーンかついぶし銀なロックなど、ブライアンのソングライティングや音楽的試行錯誤は、現在もな音楽界に多大なる影響を与え続けています。今回はそんなブライアン・ウィルソンが手がけたビーチボーイズの楽曲のカヴァーで送るトリビュート回。
※楽曲のほとんどはブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴの共作という形になっています。

ジムとウィリアムのリード兄弟によって結成された「ジザメリ」ことジーザス・アンド・メリー・チェイン1986年のセカンドアルバム『Darklands』からカットされたタイトル曲12inchシングルに収録された「Surfin’ USA」のカヴァー。陽気なオリジナルの対極を行くジザメリ節なダウナーサウンドで彩られた不健康ヴァージョン!? ちなみにビーチ・ボーイズの代名詞とも言える「Surfin USA」は、チャック・ベリーの「Sweet Little Sixteen」をベースにブライアン・ウィルソン(とマイク・ラヴ)がサーフィンの詞をつけた、いわゆる替え歌。

I Get Around
メロコアの雄グリーン・デイのフロントマン、ビリー・ジョー・アームストロングが、ブライアン・ウィルソンへの追悼の意を込め、ネットに公開した「I Get Around」のカヴァー。ビーチ・ボーイズとして初の全米No.1に輝いた名曲は、そのシンプルさとファストさから、パンク系のアーティストのカヴァーも数多く生み出しました!

California Girls
ヴァン・ヘイレンの初代ヴォーカリストとして陽気な80年代のアメリカを体現したデヴィッド・リー・ロスのソロアルバムより、ビーチ・ボーイズ初期の名曲「California Girls」のカヴァー。水着のおねえちゃん達をはべらすというザ・王道のナンパビデオクリップもまさにこの人のキャラにハマり過ぎている!

Don’t Worry Baby
モッズ~英国ロックの伝説ザ・フーの豪傑ドラマー、キース・ムーンにもビーチボーイズのカヴァーが! 1975年に残した唯一のスタジオアルバムより、初期バラードの名曲「Don’t Worry Baby」。豪華ゲストミュージシャンをバックにそのヘロヘロヴォーカルを響かせるモンドなヴァージョン!? その拙さが逆にキュンときますな。

Wouldn’t It Be Nice
女優のズーイー・デシャネルとSSWのM・ウォードによるデュオ、She & Himがブライアン・ウィルソンに捧げた2022年のアルバム『Melt Away: A Tribute to Brian Wilson』より、ビーチ・ボーイズ傑作『Pet Sounds』のオープニングを飾る「Wouldn’t It Be Nice」のカヴァー。様々な名曲のグッドリサイクラーである2人による、まさに「素敵じゃないか」なナイスヴァージョン!

I Just Wasn’t Meant for These Times
「Grazing in the Grass」などのヒットで知られるアフログルーヴとジャズを掛け合わせた南アフリカ出身の管楽器奏者&コンポーザー、ヒュー・マセケラがその歌声を豪快に披露した1967年のアルバムから、ビーチボーイズ歴史的傑作『Pet Sounds』に収録の「I Just Wasn’t Meant for These Times(駄目な僕)」のカヴァー。おおらかなアフリカングルーヴの上をいく、「(歌は)駄目な僕」を体現するヴォーカル!?

Darlin’
英国の名ソングライター兼プロデューサー、トニー・マコウレイが手がけたガールズグループ、ペーパー・ドールズ1968年のアルバムから、ビーチ・ボーイズ「Darlin’」のカヴァー。デヴィッド・キャシディー、山下達郎まで歌った名曲の中でも、胸キュン度最上級ですね!

Good Vibrations
海、サーフィン、車、ボーイ・ミーツ・ガールな世界観からの脱却を図り、よりインドアなサウンドへとシフトして行った中期ビーチボーイズ。良質な作品をリリースしながらもセールス的にはかつての勢いを失っていくこととなりますが、そんな時期に生まれた「Good Vibrations」は唯一と言っていいほどのヒットを収め、彼らの代表曲ともなり、数々のカヴァーを生むこととなります。こちらはポップ狂人トッド・ラングレンによるヴァージョン。あの幾重にも重なるハーモニーを伝家の宝刀〈多重録音〉でやってのけたカヴァーというかもはや贋作的意図も感じてしまうほどのクオリティ!

Good Vibrations
「神に捧げるティーンエイジ・シンフォニー」の構想の元、ブライアン・ウィルソンが『ペット・サウンズ』の次作として取り組んだ『スマイル』は、ブライアンの精神状態の悪化などから製作が頓挫。「音楽史上最も伝説的な未発表アルバム」として語り継がれていくことになりますが、そんな幻想に終止符を打ったのが2004年にブライアン・ウィルソン名義でリリースされた『スマイル』。当時予定されていた曲たちの再現録音。本作にも収録予定であった「Good Vibrations」はオリジナルの質感を残しつつ、アレンジやヴォーカルがさらに加わった最高のヴァージョンに仕上がっています!
(つづく)
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