魅惑のオンラインショップ《パライソレコード》がお贈りする、カヴァーソング桃源の世界。

野田晋平（パライソレコード）
Ep.55 / 27 Jun. 2025

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ラブ＆ピースなメッセージにファンクとロックを融合させ、フラワームーヴメントを象徴した初期から、冷静な視点と共にサウンドもクールファンク化していった後期まで、数々の名曲を生み出してきたスライ・ストーン。今回は、2025年6月9日82歳でこの世を去った、スライ・ストーンが残した名曲をカヴァー曲で振り返るトリビュート回です。

ジョーン・ジェット問答無用のロックアンセム「I Love Rock’n Roll」に続く1983年のサードアルバムにも収録された「Everyday People」のカヴァー。本家の熱量を上回るほどファンキーにアレンジされたハンドクラッピンな最強アレンジ。ジョーン姐さんのヴォーカルもゴキゲンです！

北公次、青山孝史、江木俊夫、おりも政夫によるジャニーズ最初期グループ、フォーリーブスによる1972年に発売された、フォーリーブス初のカバーアルバム『スーパープレゼント』より「I Want to Take You Higher」のカヴァー。本作には他にも「Dance to the Music」「Sing a Simple Song」なんかも収録されていて、かなりのスライ推しが伺えます。いずれも王道のヤングソウルアレンジ！

ギャングスタ系ヒップホップが猛威を奮うなか、ポジティヴかつバック・トゥ・ジ・アースなメッセージでポップスシーンに躍り出たアレステッド・デベロップメントのシングル曲にもなった1992年「Everyday People」のフレーズを使用したオマージュ曲。ラヴ＆ピースなバンドコンセプトといい、この両者にはどこか通じるものがありますね。

90年代にはレゲエシーンにおける第一人者として席巻するシャインヘッドは数多くのカヴァーヒットも生み出しますが、こちらは1990年のサードアルバム『The Real Rock』に収録のスライ「Family Affair」のカヴァー。バウンシーなビートがニュージャックスウィング的でもある、ラガスタイル名曲。この90’s感、なんか今いいですよね！

フランスのトップモデルとして活動していたロニーが「If You Want Me to Stay」をカヴァーした1981年のシングル。ウルトラ・ヴォックスのミッジ･ユーロとリッチ･キッズからの盟友ラスティ・イーガン（ヴィサージ）との共同プロデュースによる生々しいグルーヴィーサウンドに耽美極まりない彼女のヴォーカルが映えまくるクラシック。ニューロマンティック～クラブカルチャーの火付け役を担ったラスティワークスとしても外せない1曲！

トークボックスの使い手、オノシュンスケが全曲スライ・ストーンの楽曲をカヴァーしたアルバム『Electro Voice Sings Sly Stone』に収録。「If You Want Me to Stay」のカヴァー。80’sファンクやエレクトロなどのある意味源流とも言えるスライ、クールファンク期の名曲をロボ声でカヴァーとはたまらんですな！

今や世界を代表するバンドの地位を獲得したレッド・ホット・チリ・ペッパーズのブレイク以前、P-ファンク総帥ジョージ・クリントンがプロデュースした1985年のアルバムから、「If You Want Me To Stay」。クールファンク期の名曲を、バンドスタイルでカヴァーしてますが、昨今のメロウなロックサウンドとシンクロするような雰囲気が出てますな。フリーのベースもブリンブリン！

スライ･ストーンが立ち上げたStone Flowerレーベルからリリースされたスライの妹を中心とした３人組リトル・シスター1970年の7吋盤より「Somebody’s Watching You」のカヴァー。本家スライのクールファンク誕生前夜のドンカマファンク傑作！

サニーデイ・サービスの最初の解散時のラストアルバムとなった、2000年リリース、杉並区上高井戸にある宝陽幼稚園で園児を前に行われたライヴの実況録音盤。「アメリカのスライお兄さんが、昔に作った歌をやります～」のMCからはじまる、「Somebody’s Watching You」の日本語詞によるカヴァー。最後は「Lovin You」のフレーズで終わるの最高すぎる！

1983年のアルバム『Ain’t but the One Way』を最後に、音楽シーンからほぼ姿を消していたスライ・ストーンがカムバックを果たした2011年のソロアルバム『I’m Back! Family & Friends』に収録。ジョニー・ウィンターを迎え、原曲を上回るグルーヴとファンキーさでセルフカヴァーした傑作！

ブライアン・ウィルソンが1曲も新曲を書いていない唯一のアルバムとして、ファンには悪名高き1992年作『Summer in Paradise』より「Hot Fun in the Summertime」のカヴァー。これはひょっとしてビーチ・ボーイズのために書かれたのか？ と思うほどに、ビーチ・ボーイズらしいコーラス＆ハーモニーが映える、王道ビーチボーイズサウンドに仕上がっています！

音楽を通して世界に想像、連繋、平和をもたらすことを目的としたプロジェクト「Playing for Change」が送る、あらゆるミュージシャン、著名人、そして子供たちと歌う2016年「Everyday People」のカヴァー。ジャック・ジョンソン、チャド・スミス、ジェイソン・ムラーズ、ヨーヨー・マ、ケヴ・モ、ポーラ・アブドゥル、トロンボーン・ショーティなど。改めて本当に良い曲です！

（つづく）