創発的な音響美を形成するスペインのEl Cometa De Madrid（マドリッドの彗星）シリーズにおける、Erik Satieと高度な電子音アレンジメントが接合する逸品。永続する夢想的な音韻に埋没していくような感覚。極上です。

Satieカヴァー続きとなりますが、こちらはヤン富田によるスティールパン・カヴァーを収録。本盤でしか聴けない良質の楽曲を多数収録した、ジャパニーズ・モンド・ミュージックの傑作コンピ。愛聴の一枚です。

ジャズのスタンダードナンバーの超低速カヴァー。エレガントなサウンドに絶妙なバランスで同居するストレンジ感が唯一無二。残響具合も相まり危うさすら感じます（最高の褒め言葉です）。

ユンタ、絃想、ラサと3枚の自主制作盤を残すギタリスト、小林たけしの79年制作アルバムからの一曲で、日本古謡の幻想的アレンジが素晴らしいBサイドの幕開けが本曲。琉球音階に乗り穏やかで美しい音風景の広がるB2「ユンタ四章」も心奪われる良曲です。

武満徹がギター演奏のために書き下ろした世界の12の歌に収められたオープニング曲。佐藤紀雄の熟達した弦の響きが古雅な調べを奏でるタイムレスに良いアルバムです。LP盤の『12の歌・地球は歌っている』ですと、荘村清志作が認知されていると思いますが、個人的には本作推し。

Rajieことシンガーの相馬淳子が在籍したガールズ・フォークグループ、Pony Tailの唯一のアルバムからの一曲で、イギリスのシンガーソングライターLesley Duncanの名曲に日本語の訳詞をつけた秀逸カヴァーが本曲です。他にもユーミンや小田和正の楽曲カヴァーを交えながら、情感豊かな二人のコーラス・ワークを聴かせるソフト・ロック快作です。

ブラジル・バイーアの偉大な音楽家Dorival Caymmiを父に持つカイミ家の長女、Nana Caymmiの3rdアルバムからオープニングを飾る言わずと知れたMilton Nascimento名曲カヴァー。原曲の素晴らしさも去ることながら、深く包み込まれるようなNanaのヴォーカルの魅力が傑出した一曲かと。他にもNujabes feat. Shing02「Luv(Sic.) Pt.3」ネタとしても著名なIvan Lins作の珠玉のナンバーB2 「Tens (Calmaria)」をはじめ、粒揃いのアルバムです。

管の響きが端正で小気味良いチェンバー・ジャズ風アレンジの「Eleanor Rigby」を収録。本作はブラジル音楽界のマエストロ、Egberto Gismontiが主催するECM傘下のレーベル《Carmo》の10作目を記念して制作された編集盤で、ジャケにもクレジットされた名手達が本作の為にアレンジした楽曲が連なります。充実のコンテポラリー・アルバムです。

20年以上前、学生時代に通ったアパレルショップのBGMがやたらと格好良く聞こえて、これがクラブミュージック？ ディスコ？ なのか！？ と興奮した記憶が蘇るCheryl lynn「Got to Be Real」のカヴァーを収録。80年代ブラジリアン・ロックのアイコン的バンドの一つ、Blitzの女性コーラスとしても知られるFernanda Abreuの傑作ダンスビート人気作1stより。

38歳という若さで夭逝した若き才能、セルビア出身の音楽家、Subaの遺作となる1999年のフューチャー・ブラジリアンサウンド集からの一曲。センスフルなダブ・ワークが効いたAntonio Carlos Jobimのダウンテンポ・カヴァーを収録しています。浮遊感のあるエレクトロニック・サウンド相まる非常に心地の良いアレンジです。