EL CINNAMONS
Our Covers #035

EL CINNAMONS

シナモン族 / 雑誌制作ユニット

“シナモンフィーリング”なる感覚を追求するユニット、EL CINNAMONSが選ぶ「シナモンなカヴァー曲」。と、その前に……そもそも“シナモン感覚”ってなんだ? それは「妖しくチープな空気を形成している諸要素と出会った瞬間に感じる懐かしくも新鮮な異国情緒、気の遠くなるような心地よさ。また、心地よさとは対極のトラブル感やアンラッキー感」のこと。え、ますますわからない? 聴けば(効けば)きっとFEELするはず!

※C=チャーリー宮毛、M=メンチカツ伊藤、T=トニー李

If I Had a Hammer
Title

If I Had a Hammer

Artist
Bobby Jay and the Hawks
Original
Peter, Paul and Mary - If I Had a Hammer
60年代、ヤングアメリカンを熱狂させたNEW DANCE BEATブーム。この “ワトゥーシ” (※)もその一つ。アルバム全曲アメリカンヒットチャートを賑わしたポピュラーソングのワトゥーシ仕立て。しかしバンドがビートを奏でるのが上手い。ギターリフが“シナモンフィーリング”を刺激してくる。これじゃダンスの輪に加わってしまう。バタ臭インスト極ヤンビート。【C】

※Watusi
Light My Fire
Title

Light My Fire

Artist
El Chicano
Original
The Doors - Light My Fire
うだる真夏の昼下りプールから戻りまだ鼻に籠る塩素の匂いのまま室外機がジリジリと唸りを上げるクーラーの効いたアパートでガールフレンドと愛を確かめ合い、心地よい眠りに入ろうとしたその瞬間の25秒! ベッドから這い出てもう一度針を落としても25秒。これも真夏の幻想かとテンションのあがった若気のよな “本牧音”(※) 。【C】

※チャーリー宮毛が住んでいた本牧のアパートにあった、異国から聴こえてくるような妖しい音のするチープなステレオデッキの謎の音質感。
I Make a Fool of Myself
Title

I Make a Fool of Myself

Artist
Ray Terrace
Original
Frankie Valli - I Make a Fool Of Myself
フランキー・ヴァリのオリジナルを知らずにこの曲に陶酔してしまってから35回の夏が過ぎて行った。トロピカルな発色のドレスを纏った熱帯魚たちが群れ泳ぐ水槽を見つめているよな陶酔感。ブラウンの肌を持ったアーティストが魔法の粉をふりかけたからかな。心奪われるラテンブガルー風味。【C】
Subway Joe
Title

Subway Joe

Artist
チャーリー宮毛 & El Latin Swingers
Original
Joe Battan - Subway Joe
自身のアルバムより。オリジナルの味わいはまさにあの頃のニューヨーク。車両内でチャイニーズ娘に絡んだつもりがカンフーキックを喰らう羽目になったチンピラジョー。どっしりとしたテンポはミッド60sのニューヨークの匂い、風景、ノイズすべてがブレンドされた怪傑作。ウチらのは京急快速テンポかね?【C】
Stardust
Title

Stardust

Artist
弘田美枝子
Original
Hoagy Carmichael - Stardust
東京五輪の年に建てられた浜田山の団地に住んでいた頃、土産こけしに囲まれながらよく聴いたナンバー。まるでプラネタリウムにいるような浮遊感あふれる歌唱にゾッコン。東神奈川の米軍施設ノースピア(瑞穂埠頭)の入口にある超ヨコハマで深夜族なバー、その名も「スターダスト」で一杯やりたくなるぜ、ブラザー。【M】
Sunny
Title

Sunny

Artist
Joe Torres
Original
Bobby Hebb - Sunny
ボビー・ヘブのオリジナルはもちろん、勝新やJBなどのカヴァーも大好きですが、無性に聴きたくなるのはこのバージョン。目立ったアレンジもなく淡々とラテン調にカヴァーするイナタさに “シナモンフィーリング” を感じる。逗葉道路をダットサン・サニーで流しながら聴けたら最高!【M】
Bad Luck
Title

Bad Luck

Artist
Louie Ramirez
Original
Harold Melvin and The Blue Notes - Bad Luck
“シナモンフィーリング” には「Unlucky」や「Bad Luck」といった、所謂 “ついてねぇ”感覚も大切な要素として含まれている。それは有産階級に対するルサンチマンなんて意味合いではなく、もっとマヌケで楽観的なイメージ。このカヴァーは底抜けに明るくディスコしながら「バッドラック」と唄う、あべこべで素晴らしい一曲。【M】
Me and Mrs.Johnes
Title

Me and Mrs.Johnes

Artist
ジェームス藤木 & The Dukes
Original
Billy Paul - Me And Mrs.Johnes
クールスのギタリストであるジェームス藤木さんがシンガーに徹し、ソウルやR&Bの名曲をカヴァーしたライブアルバムから、ルードでメロウな魅力がたまらない一曲。2019年発売の自伝には「デュークスはうまいバンドだったよ。ラテンなんかやらせてみても抜群だったからね」という証言も。ジェームスさんのラテンカヴァー、聴いてみたい!【T】
Look For a Star
Title

Look For a Star

Artist
Mona Fong
Original
Garry Mills - Look For a Star
“シナモンフィーリング” から自分なりに見つけだしたエッセンスが「気の遠くなるような心地よさ」。1950年代に香港などで活躍した人気歌手、モナ・フォン(方逸華)が歌うスタンダードナンバーからは、そうした要素が濃密に感じられる。心地よさの中にあるほんの少しの不安。音楽に求めているのはそんな瞬間との出会いかもしれない。【T】
By the Time I Get to Phoenix
Title

By the Time I Get to Phoenix

Artist
Ronnie Butler and the Ramblers
Original
Johnny Rivers - By the Time I Get to Phoenix
最後はバハマのシンガー率いるカリプソ・グループによるカヴァー(邦題は「恋はフェニックス」)。チャーリー宮毛に教えられてからというもの、この曲の虜に。ロニー・バトラーの歌声から滲みでる色気。ロマンあふれる演奏、アレンジ。そして儚さ。いつか自分が生きてきた時間を回想する場面が訪れたとして、こんな曲が流れていたらどんなに甘美だろう。【T】
Profile

ハマのブガルー歌手・チャーリー宮毛を中心にメンチカツ伊藤、トニ―李の3人からなるユニット。横浜を拠点に “シナモンフィーリング(CINNAMON FEELIN')”なる感覚を普及 / 追求するべく、これまでに雑誌『EL CINNAMONS』を4冊発行。現在発売中の最新号では広島のイラストレーター、RUMINZを特集している。また、2014年に(本セレクトでも紹介した「By the Time I Get to Phoenix」のカヴァーを含む)サマーセレクト『夏の悪魔』を発表。アイコンのイラストは沖真秀によるもの。
http://office-flaneur.blogspot.com/
https://soundcloud.com/office-flaneur

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