レゲエはカバー曲だらけだけど、レゲエ有名曲の他ジャンル・カバーは珍しいですよね。リリース当時KAZ SUDO氏《Caribbean Dandy》がヘヴィープレイしていて知り、「その手があったか！」と驚いた、ご存知ドーン・ペンのファウンデーションのラテン／サルサ・カバー。ヴィンテージなスタイルをかっこよく聴かせるバンドは数少ないけど、LAのブーガルー・アサシンズのセンスはズバ抜けてます。

from the Album『OLD LOVE DIES HARD』(2013)

エル・チカーノの1stアルバムは有名曲のカバーばかりで構成されていて、どれもチカーノの美学を効かせたラテン・ソウル・ジャズ・アレンジが最高なんですが、その中からレス・バクスターのエキゾチカ名曲を。ジワジワとクールに熱く燃えるオルガンとギター・ソロにYoung “LATIN” Soul Rebelsを感じます。

from the Album『VIVA TIRADO』（1970）

サンフランシスコ・ミッション地区のラティーノ、ローライダーを描いた映画『ラ・ミッション』（日本未公開。観たい…！）のために新録音された往年のローライダー・オールディーズ／ラテン・ソウル・スタイルの曲を集めたアルバムより。この曲はチカーノ・ソウル／ローライダー・クラシックスであるラルフィ・パガーン「Make It With You」（原曲はロックバンドのブレッド）のインスト・カバーですね。泣きのイントロからスウィートにとろけていくあのアレンジのまんまで、これは隠れた極上カバー・ヴァージョンだと思います。

from the Album『SONGS FROM LA MISSION』（2010）

江ノ島OPPA-LAの昼からのパーティーの序盤、まだ明るい16時ぐらいによくかけます。めちゃハマるんですよね。で、これかけてると決まってOPPA-LAの和田さんが「この曲なんかの映画で使われてるよね！」って言いに来てくれるんですが、ダーさん、それ『トップガン』す。ライチャス・ブラザーズ「ふられた気持ち」のLAZYブーガルー in ブルックリン・スタイル。

from the Album『THE BROOKLYN BUMS』（1968）

いわゆる「ラテン・ファンク」とは感触が全然違う、もっとルーズでルードなJBカバー。まさに「混ざりたて」な猥雑感。自分が持っているのはぺらっぺらにも程がある再発盤なんですが、このアルバムにはスウィート・ラテン・ソウル名曲「Baby Baby」も入っているし、オリジナル盤が欲しいです。。

from the Album『CHANCHULLO』（1971）

クアンティックによるヒップホップ・クラシックスのカバー・プロジェクトより、すっとぼけスロウなクンビア・アレンジによってティンバランド＆ミッシーのミニマル酩酊感を増幅させちゃったファニーbutドープな珍カバー。

from the Album『HIP HOP EN CUMBIA EP』（2011）

そのクアンティック a.k.a. ウィル・ホランド指揮によるコロンビア版『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』的プロジェクトがブラック・サバス「Iron Man」をカバー。サバスのサタン・ヴァイブスとダーティーなリディムが相まって、ライト・オブ・サバにも通じる呪術的密林ドープ・クンビアに仕上がってます。最高。

from the Album『ONDATROPICA』（2012）

ペナペナ・フニャフニャ・グンニャリ。そのオンダトロピカのギタリストでもあるエブリス・アルバレスを中心とした、陽気と狂気が入り混じる、ファニーだけど不気味、独創的で不思議なローファイ・ラテン＋電子音楽ワールドを繰り広げるコロンビアのサイケデリック・バンドによるジミヘン・カバー。なんなんだこれは！と驚き笑う、脱臼MADアレンジ。素っ頓狂なシンセがグニャる激フリーク・アウト・カバー！

もうこれはいつ聴いても何度聴いても最高です。デタミネーションズも下敷きにした、カリプソ・キング、マイティー・スパロウによるコール・ポーター作曲のスタンダード名曲「(I’ve Got You) Under My Skin」カバー。これぞカリビアン・ダンディー。なんとジェントルでゴージャスなのでしょうか。JAMWAXの一連のスパロウ7インチ復刻は偉業だと思います。

歌手生活60余年（！）、世界を渡り歩いた日本人ラテン歌手、ヨシロー広石氏が2019年にリリースしたアルバムより、サザン「いとしのエリー」をスペイン語で歌ったミッドテンポ・メロウ・サルサ・カバーです。ラテンって安易なカバー曲多くない？（いや、それはどんなジャンルも一緒か…）とかよく思いますが、これはヨシロー氏だからこそ表現できる本物のサルサ・ロマンチカ！以前7インチ化されてた90年代録音ヴァージョンよりぐっとテンポを落として官能的なこちらが◎です。

from the Album『Cool & Sensual Latin From Japan ～Grito De Verdad 真実を叫ぶ～』（2019）